2015年12月26日土曜日

保険料10%で据え置き 協会けんぽ方針

  中小企業の社員や家族らが加入する全国健康保険協会(協会けんぽ)は25日の運営委員会で、労使折半で負担する2016年度の保険料率を現在の10.0%のまま据え置く方針を決めた。財政の好転を受けて引き下げを求める意見もあったが、高齢化による将来の医療費の増加を見据えると下げるのは難しいと判断した。介護保険料も据え置く。
 労使が払う実際の保険料は加入者の収入に保険料率をかけて算出する。協会けんぽの財政が改善しているのは、賃上げや働く人の増加で保険料が伸びているためだ。15年度の決算は2719億円の黒字を見込む。黒字は6年連続で、積み立てた準備金は1兆3366億円となり、22年ぶりの高い水準に達する。

マタハラ防止の義務化、介護休業の分割取得などを提言 厚労省労政審

 厚生労働省の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)の分科会が12月21日開かれ、マタニティーハラスメント(マタハラ)の防止策の企業への義務化、介護休業の分割取得を可能にすることなどを柱とした仕事と育児・介護の両立を支援する制度の見直しに関する報告書をまとめました。

 非正規労働者が育休を取るための要件緩和や介護をしている労働者が残業の免除を会社に請求できる制度の導入も盛り込まれました。
 厚労省は報告書を踏まえ、育児・介護休業法と男女雇用機会均等法の改正案をまとめ、来年の通常国会に提出し、2017年度からの施行を目指します。

2015年12月24日木曜日

事務所通信 2016年 1月号をアップロードしました。


1.ストレスチェック制度のスタートに備えて③
 ストレスチェック制度の実施体制・役割分担
2.平成28年 税制・社会保険制度 改正の動向
3.新情報!● 一億総活躍社会の実現に向けた緊急対策(企業への影響は?)
4.お仕事カレンダー1

2015年12月21日月曜日

14年度の労災認定最多

    厚生労働省によると、過労やパワハラでうつ病などの精神疾患を発症したとして、2014年度に労災認定された人は497人(前年度比61人増)。このうち自殺者(未遂を含む)は99人(同36人増)で、いずれも過去最多を更新した。

  昨年11月に過労死等防止対策推進法が施行されたのを受け、国は過労死を防ぐため取るべき対策をまとめた大綱を7月に閣議決定。過労死の発生要因を探るために長期的な追跡調査を進めることや相談体制の整備などを打ち出している。

2015年12月15日火曜日

マイナンバーの次はストレスチェック

 企業に従業員のメンタルヘルス対策の強化を促すストレスチェック制度が12月1日からスタートした。
 ストレスチェック制度に関する企業の認知度は高い。東京労働局が従業員100~149人の事業所を対象に実施した調査では、94.4%がストレスチェック制度を「知っている」と答えた。
 しかし、メンタルヘルスの推進担当者を専任している事業所は53%、休業者の職場復帰支援プログラムを作成しているのは47%にとどまるなど、メンタルヘルスの対策は十分とはいえないのが現状だ。マイナンバー対策が一段落したら次はストレスチェック対策が待っている。企業の人事担当者の負担は増える一方であるが、早急の対策が求められている。第1回のストレスチェックは来年の11月末までに実施する必要がある。

2015年12月13日日曜日

退職勧奨でうつ 日本IBM社員を労災認定

 退職勧奨を繰り返し受けてうつ病になった日本IBMの50代の男性社員が、中央労働基準監督署から労災認定を受けたことが12月9日分かりました。退職勧奨で労災が認定されるのは非常に珍しいということです。
 男性は社内システムの管理に従事していましたが、昨年12月、「業務成績が悪い」として直属の上司から月末までの退職を求められました。募集枠が埋まったため退職勧奨は中止されましたが、今年2月に4回にわたって上司と面談し、早期退職するよう求められ「(早期退職を)受けない場合は、解雇になる」と言われました。
 男性は体調悪化で出社できなくなり、現在も休職中です。6月に中央労基署に労災申請し、今月1日に認定通知があったということです。

2015年12月9日水曜日

「高額療養費制度」を見直し、70歳以上の患者負担上限引き上げ案


政府内で浮上、診察料増額の財源に   


 2016年度の診療報酬改定を巡り、月ごとの医療費の自己負担に上限を設けた「高額療養費制度」を見直し、患者負担を増やす案が政府内で浮上している。財務省は診療報酬の本体部分を増やす条件として、高額療養費の縮小を持ち出した。財源なしに診察料などを増やすことはできないとの判断が背景にある。
 70歳以上の負担を引き上げる内容で、財務省と厚生労働省が検討している。制度改正で浮いた財源は、医療関係者が求めている医師の診察料や検査料引き上げの財源に充てる。ただ高齢者の批判を恐れる与党内の反発は強く、実現するかは不透明だ。
 
高額療養費制度とは
 

パート賃上げ企業に補助金 「130万円の壁」対策案

     
 塩崎恭久厚生労働相は7日の経済財政諮問会議(議長・安倍晋三首相)で、パートで働く主婦などの労働を後押しする方針を表明した。賃金引き上げや労働時間の延長を行った企業に補助金を配ることで、社会保険料の負担増を懸念して就労を抑制する「130万円の壁」の解消を狙う。
 
 新制度は16年4月から19年度までの4年間続ける。「大企業で2%、中小企業で3%以上の賃上げ」「パート労働者が働く時間を週5時間以上延長する」などの条件を満たした企業に補助金を出す。パート労働者は賃上げを通じて、手取り額の目減り分を抑制でき、企業側も社会保険料の負担を軽減できる。

 130万円の壁はこちらを参照

2015年12月7日月曜日

日本には手厚い4つの社会保険制度がある


▽…病気やけがで高額の医療費がかかったり、高齢で生計費を稼げなくなったりするなど生活に変化が起こった場合に、お金やサービスなどの給付で生活を支える公的な保険制度。全国民が強制的に加入しており、給付は個人や企業が負担する社会保険料を原資に賄う。給付にかかる費用の一部を、国や自治体が負担するものもある。
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▽…社会保険は年金、医療、介護、労働の4つの分野に分かれており、職業によって加入する保険の種類が異なる。
1.正社員の3/4以上働く会社員の場合
 年金は厚生年金、医療では健康保険組合や全国健康保険協会(協会けんぽ)に加入。(配偶者も被扶養者として加入)
2.自営業者の場合
 年金は国民年金、医療は国民健康保険に加入する。
3.週20時間以上働いている人
 職を失った際に失業給付などを支払う雇用保険に加入
4.すべての働いている人
 業務上のけがや病気の際に必要な給付をする労働者災害補償(労災)保険がある。
 労使から集めた保険料は労働保険の特別会計で管理し、失業や労災が起きたときに該当する労働者に支払われる。同特会からは育児休業中の給付金や、労働者のキャリアアップへの支援のためのお金も支払われている

103万円、130万円の壁

2015年12月7日の日経新聞に下記のような記事が載りました。
誤解されている人も多いようなので ここで金額の壁についてまとめてみました。

日経新聞の記事
▼130万円の壁 パート労働などの収入が130万円を超えると、正社員と同じ給与所得者として位置づけられ、厚生年金や健康保険など社会保険料がかかる。主婦層が手取り額を減らさないように労働を抑える要因とされ「130万円の壁」と呼ばれる。収入が103万円を超えると、専業主婦がいる世帯の所得税を軽くする配偶者控除が受けられなくなる「103万円の壁」もある。
*現在、年収130万円以上で社会保険料がかかるのは、正社員の3/4以上の時間働いた場合だけ。

1.誤解の多い103万円の壁と130万円の壁

実は4つの壁があるのです。将来的には5つの壁。

①103万円:所得税がかかる基準
②130万円:60歳未満の人が社会保険の被扶養者になれる基準
③141万円:特別配偶者控除が受けられなくなる基準
④180万円:60歳以上の人が社会保険の被扶養者になれる基準
⑤106万円:2016年10月以降、新たに発生する社会保険の壁

103万円の意味
年収103万円とは、所得税がかかる基準です。
給与収入の場合、給与所得控除というものがあります。これは、最低65万円を年間の給与収入から控除することができるというものです。

所得=収入―経費(給与所得控除65万円含む)

さらに、税金は、だれでも基礎控除38万円というものがあります。

所得―所得控除(基礎控除38万円)=課税所得

つまり、65万円と38万円の合計額103万円までは、自分自身に税金がかからないと言うことになるのです。 妻本人がパートやアルバイトをしている場合、103万円までのアルバイトなら、妻本人には税金がかからないということです。

次に、主たる納税者側(夫)側をみてみることにします。
よく妻の「年収が103万円以下」であれば「配偶者控除が受けられる」といわれます。しかし配偶者控除の基準が「年収103万円以下」とは税法のどこを見ても書いてありません。

正しくは「合計所得金額38万円以下」というのが控除適用配偶者になるための要件です。

ではなぜ税法の正式な解釈である「合計所得金額38万円以下」より「年収103万円以下」の方がよく使われるようになってしまったのでしょう?
これは「配偶者の稼ぎを得る手段は何といってもパートだろう」という前提条件に立っているからです。所得税の基本は、収入(一般的には年収)から必要経費を差し引くことによって所得を求めるところからスタートします。パートの場合、税務上、給与所得という所得区分となりますが、給与所得であれば前述の給与所得控除額として最低65万円差し引くことができるので、パートで年収が103万円ちょうどの場合の所得は以下のような算式となります。 103万円(給与の収入金額)-65万円(給与の必要経費)=38万円(給与の所得金額) この人が他に何も収入がないのなら、この38万円が合計所得金額となり、配偶者控除の要件を満たすことになります。

つまり、「年収103万円以下」という基準は「配偶者の稼ぎを得る手段は何といってもパートだろう」ということを前提条件に逆算して求められたものなのです。
申告する夫がその奥さんを扶養に入れ、配偶者控除を受けるためには合計所得金額を38万円以内に抑えなければなりません。
奥さんの年収から最低給与所得控除65万円を差し引いた金額が、38万円を超えないようにするためには、奥さんの合計所得金額を「103万円」以内に抑えなければならないという訳なのです。
配偶者である妻がこの範囲の所得におさまれば、主たる納税者側(夫)側が、「配偶者控除の38万円」を受けることができるのです。
但し、この103万円の壁についても誤解があります。それについては、2で詳しくお話します。


130万円の意味(被扶養者が60歳以上の場合180万円)
130万円の金額とは、国民年金の第3号被保険者や健康保険の被扶養者など社会保険の年収基準額のことです。
この130万円の基準が適用されるのは、「将来に向かって130万円の収入の見込みがあるかどうか」で判断されますので、過去、去年1年間で130万円の収入があったかどうかで判断されないのです。

あくまでも「将来に向かって」なのです。


●年収が130万円未満の場合
年収が130万円未満の場合、被扶養者となり、自分で保険料を支払う必要がありません。 もちろん 被保険者の被扶養者になるには、130万円未満という要件だけでなく、被保険者の収入の2部分の1以下であることが必要です。

●年収が130万円以上の場合
年収が130万円以上の場合、配偶者の被扶養者からはずれ、自分で社会保険料を支払う義務が発生します。

2、「103万円の壁」に対する誤解

女性の就業を阻害する一因として配偶者控除の廃止が議論されていますが、103万円の壁については、次のような誤解も多いように思います。
103万円を超えると配偶者控除がなくなる!
 103万円を超えると38万円の配偶者控除がゼロになると思う人もいますが、それは誤解です。103万円以上~141万円未満の間は「配偶者特別控除」があり、控除額が段階的に引き下げられる仕組みになっています。ただし、控除を受ける人の合計所得が1000万円を超えると、配偶者特別控除は受けられません。
103万円を超えると税金が増えるから損!
 確かに、控除される金額が下がれば夫の所得税や住民税は増加します。また妻自身も新たに所得税や住民税を負担なくてはなりません。しかし「収入の増加>税金の増加」ならば、世帯の手取り額としてはプラスになります。

(1)103万円が“壁にならない人”

夫の年収500万円、現在100万円のパート収入を得ているA子さんを例に、妻の収入の変化と世帯の手取りの変化を確認してみましょう。(※妻の所得控除は基礎控除のみと仮定)

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 妻の収入が103万円を超えて、104、110、120万円と増加するごとに夫と妻の税金も増えます。しかし、それ以上に収入増となっていますので、世帯としての手取額は増えています。
 仮に、夫の所得税率が33%になると妻の収入増加の半分程が手取りの増加額となります。つまり夫の税率が高くなるほど、手取額の増加は小さくなります。
 但し、会社によって103万円を超えると家族手当が支給されなく場合がありますので注意してください。


(2)103万円が“壁になる人”


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 夫の合計所得が1000万円(年収約1231万円)を超えると、配偶者特別控除が受けられません。妻の収入が103万円を超えた段階で、夫の課税所得が38万円増加することになります。また税率も高いので、所得税の増加額が大きくなります。
 夫の年収が2000万円程度(所得税率40%)になると、妻の収入が120万円でも世帯手取りは、100万円の時に比べてマイナスとなります。103万円が壁になる人は表(2)のように夫の合計所得が1000万円を超える人です。表(1)のように配偶者特別控除が受けられる人は、103万円は壁にはなりません。
 しかし、表(1)の場合でも103万円を超えると勤務先の家族手当がなくなる場合や、妻の収入の増加により保育料負担が増加する家庭では、103万円が壁になる可能性もあります。

3.かしこい働き方を選択する

消費税8%となり、月20万円を消費する家庭では、年間で7万2000円の増税となりました。A子さんの場合、103万円の壁にこだわらず110万円働けば、消費税分をA子さんの働きでカバーすることができるようになります。
 「手取りが増えても稼いだ半分しかプラスにならないのは嫌だ」
 「その程度のプラスなら子どもとの時間を大切にしたい」
 そういう考え方も一理あると思います。また自身のキャリアプランを考慮して「手取りが減っても働きたい」という人もいると思います。大切なことは、断片的な情報をうのみにせず、社会保険料も含め、正しい情報を得て自分らしい働き方や暮らし方を考え、選択することだと思います。

4.新たに出現する106万円の壁 パートの社会保険料が変わる!?


 2016年10月、パートタイマーなどの働き方に影響を及ぼす法律の改正があることをご存知でしょうか。2014年8月、「短時間労働者に対する厚生年金・健康保険の適用拡大」が決定し、2016年10月から施行されることになりました。
実はこの改正のため、パートタイマーとして扶養内でいくら稼ぐかを検討する際に目安とされる「年収103万円の壁」や、「年収130万円の壁」に続き、新たに「106万円の壁」というものが出現することになります。

 106万円の壁とは

2016年10月から、短時間労働者のうち社会保険(厚生年金・健康保険)の加入対象者が拡がる見通しで、年収130万円に満たないパートタイマーでも、拡大対象となった場合は、社会保険の保険料納付の義務が生じます。
どのように厚生年金の加入対象が拡大されるのか、以下にまとめてみましょう。

厚生年金・健康保険の加入対象となる条件

 ①現在

 労働時間が週30時間以上(※)
※正社員の所定労働時間が週40時間の場合
 
 ②2016年10月~

  1. 週20時間以上
  2. 月額賃金8.8万円以上
    (年収106万円以上)
  3. 勤務期間1年以上
  4. 従業員(※)501人以上の企業
  5. 学生は適用除外
    1.~5.のすべてを満たす
(※従業員は被保険者数)
現在は「正社員の4分の3以上の時間」勤務すると社会保険に加入することになります。改正後は、「月額賃金8.8万円(年間106万円)以上、週20時間以上勤務」で加入することになり、これが新たに出現する「106万円の壁」となるわけです。
当面は、従業員数501名以上といった大企業のみが対象ですが、将来的にはそれ以外の企業へも広がる可能性が高いため、加入対象となるパートタイマーの方は増えていくと思われます。


有期労働契約、5年過ぎれば無期に 雇用転換へ対応二分

有期労働契約の通算期間が5年を超えた労働者に、無期転換の選択肢を与える労働契約法18条が2013年4月に施行されて3年弱。契約期間によっては転換申し込みが来春に迫り、大手企業が対策を急ぎ始めた。サービス業が「限定正社員」の新設などで早期転換を促す一方、製造業の多くは転換を防ぐ対策を取り、対照的な動きを見せている。

労働契約法改正のあらまし

2015年12月5日土曜日

ストレスチェック制度の労働基準監督署への報告書の様式を平成28 年3 月下旬に公表する予定。

  平成27 年12 月1 日より施行された労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度において、提出が義務付けられている労働安全衛生規則様式第6号の2「心理的な負担の程度を把握するための検査結果等報告書」(以下、「報告書」という。)は、OCR で読み取り可能な様式を平成28 年3 月下旬に公表する予定ですので、事業者の皆様には、提出にあたりまして、以下の点にご留意していただきますよう、お願いいたします。
 労働基準監督署への報告書の提出に関する留意点
(1)報告書は、平成28 年4 月1 日以降に提出するようお願いします。
(2)その際には、下記URL に掲載される平成28 年3 月下旬に公表予定の報告書の様式を用いて提出していただくよう、お願いいたします。
 厚生労働省ホームページ 「安全衛生関係主要様式」
 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/anzen/anzeneisei36/index.html

2015年12月1日火曜日

従業員のストレスチェック義務化

 改正労働安全衛生法が1日施行され、うつ病など精神的な不調を防ぐため、従業員の心の健康状態を年1回調べる「ストレスチェック」が従業員50人以上の事業者に義務付けられた。質問票を使って従業員のストレスの状態を調べ、希望者には医師が面接する。働く人の心の病が目立つ中、環境の改善などにつながるかどうか注目される。
 結果は従業員のプライバシーに関わる。このため医師らが本人に直接通知し、同意なく事業者に伝えることは禁じられている。ストレスが高いという結果が出て本人から申し出があった場合、事業者は従業員に医師の面接を受けさせなければならない。
 事業者側は面接結果を知ることはできないが、本人の同意を得た医師の助言を受け、労働負荷の軽減など業務の見直しを求められることになる。一方、ストレスチェックや面接を受けないことを理由とした従業員への不利益な取り扱いのほか、面接結果を理由とする解雇や不当な異動も禁止されている。

改正労働安全衛生法(ストレスチェック制度関連)のポイントはこちら

2015年11月29日日曜日

事務所通信2015年12月号をアップロードしました。

 事務所通信2015年12月号はこちらをクリック

1.ストレスチェック制度のスタートに備えて②(ストレスチェック制度の導入の手順)
2.高齢者の雇用状況のポイント
3. 賞与を分割支給して社会保険料を軽減する手法の規制
4.お仕事 カレンダー 12月

過去の事務所通信はこちら

ストレスチェック実務安心パック優待販売のお知らせ

当事務所では、株式会社ブレインコンサルティングオフィスの開発した 「ストレスチェック実務安心パック」を優待販売することになりました。 下記内容をご覧になって、ご興味があれば当事務所までお問い合わせください。

ストレスチェック実務安心パック優待販売のお知らせはこちら

2015年11月26日木曜日

雇用保険、65歳以上も新規加入可能に 厚労省案

 厚生労働省は11月25日、労働政策審議会の部会を開き、高齢者の就労を促進するため65歳以上の労働者が新規で雇用保険に加入できるようにすることを提案し、大筋で了承されました。

来年の通常国会に改正案を提出する方針で、来年度中の施行を目指します。
 合わせて65歳以上の高齢者を一定割合以上雇用する企業や、高齢者の健康管理制度を導入する企業への助成も検討します。

2015年11月25日水曜日

厚生労働省版ストレスチェック実施プログラムが公開

事業場で実施するストレスチェックのプログラムで、無料でダウンロードできます。


平成27年11月24日、厚生労働省版ストレスチェック実施プログラムが公開されました。
この実施プログラムは、事業場で実施するストレスチェックのプログラムで、無料でダウンロードできます。
実施プログラムは、以下の機能を持っています。
・ 労働者が画面でストレスチェックを受けることができる機能
※職業性ストレス簡易調査票の57項目によるものと、より簡易な23項目によるものの2パターンを利用可能
※紙の調査票で実施しCSV等へ入力したデータをインポートすることも可能
・労働者の受検状況を管理する機能
・労働者が入力した情報に基づき、あらかじめ設定した判定基準に基づき、自動的に高ストレス者を判定する機能
・個人のストレスチェック結果を出力する機能
・あらかじめ設定した集団ごとに、ストレスチェック結果を集計・分析(仕事のストレス判定図の作成)する機能
・集団ごとの集計・分析結果を出力する機能
・労働基準監督署へ報告する情報を表示する機能
フォルダのデータ容量は約270MBあり、通信回線の状態やご利用のパソコンの性能、利用者数等によっては、ダウンロードに時間がかかってしまう場合があります。
時間がかかる場合は、比較的利用者の少ない、平日早朝・夜間帯、ならびに土日祝日のダウンロードをお勧め致します。
実施プログラムは、以下のページからダウンロードできます。
ダウンロードや使用についての詳細もご覧ください。
「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラムダウンロードサイト」
http://stresscheck.mhlw.go.jp/

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2015年11月8日日曜日

就業規則の届出

Q1:パートタイマーに適用する就業規則でも届出しなければならないのでしょうか。(使用者)

A1:パートタイマーに適用される就業規則でも会社の就業規則の一部とみなされますので、意見書を添付の上、届出してください。なお、意見を述べる者は過半数を代表する労働組合又は労働者を代表する者になりますが、パートタイマーの意見を聴くことが望まれます。

Q2:就業規則を変更し、監督署へ届出る場合、変更条文も含めて就業規則全条文を届出しなければならないのでしょうか。(使用者)
 
A2:全条文を届出しなくても、意見書を添付の上、変更部分の新旧条文の届出で足ります。
 

就業規則の不利益変更

Q1:会社の業績が悪く、退職金規程どおり退職金が払えないので、新しい(退職金を切り下げた)規程を届出したいと考えていますが、労働基準監督署は受理してくれますか。(使用者)
A1:労働基準法第89条に基づき、意見書を添付の上、届出されるようであれば労働基準監督署は受理することになります。ただし、届け出たことによって刑事的な責任は免れますが、民事的に有効になるか否かについては別の問題で、次の労働契約法第10条(抄)の規定が参考になります。最終的な判断は労働基準監督署ではなく、裁判所がすることになります。

 
Q2:我が社の属する業界は先行き不透明です。そこで,我が社においても経営が行き詰まる前に,所定内賃金を1割カットするように就業規則を変更しようと思っています。もちろん,変更後も最低賃金法などには違反しない内容のものですが,労働者側からの反発が予想されます。その場合,就業規則を一方的に変更することは,できるでしょうか。  

 

A2:
1.労働者の同意を得ずに,就業規則を一方的に不利益に変更することは,原則としてできません。
2.ただし,労働条件を不利益に変更することについて合理的な理由がある場合には,これに同意しない労働者も,拘束されます。
 

 

就業規則の変更

「就業規則」とは,労働時間,賃金などの労働条件や従業員が守るべき職場規律を定めた規則の総称です。
労働基準法では,常時10人以上の労働者を使用する使用者は,就業規則を作成しなければならないと定めています。
就業規則を作成・変更する場合の手続も労働基準法によって定められていて,労働者代表(労働者の過半数で組織する労働組合,これが存在しない場合は労働者の過半数の代表者)の意見を聴いた上で(同法第90条第1項),労働基準監督署に届け出るとともに(同法第89条,第90条第2項),労働者に周知しなければなりません(同法106条)。ここに「意見を聴く」とは,文字どおり意見を聞くことを指し,同意を得るとか協議をするとかの意味ではありません。

就業規則の不利益変更の限界

このように,使用者は,労働基準法上は,労働者代表の意見を聴取しさえすれば,就業規則を自由に変更できることになっているのですが,これにはいくつか重大な制限がついています。
まず,労働基準法は,法令又は労働組合と使用者が締結する労働協約に反してはならないと定め,これに反する就業規則に対しては,行政庁は,就業規則の変更を命じることができるとしています(同法第92条)。
それでは,法令や労働協約に反しなければ変更は自由かというと,そうではありません。この点,様々な議論が交わされてきましたが,最高裁の判決の積み重ねにより,現在の判例では,不利益な変更は,合理的な変更と認められる場合に限って,効力を有するとしています。
すなわち,最高裁は,「秋北バス事件」の大法廷判決(昭和43年12月25日)で,「新たな就業規則の作成または変更によって,既得の権利を奪い,労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは原則として許されないが,労働条件の統一的かつ画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいって,当該規則条項が合理的なものである限り,個々の労働者において,これに同意しないことを理由として,その適用を拒否することは許されない。」と判示しています。結局,就業規則の不利益変更がこれに同意しない従業員を拘束するかどうかは,変更の「合理性」によって判断されることになります。

合理性の要件

合理性の具体的な判断基準については,最高裁は現在,次のような見解を示しています(第四銀行事件最2小判平成9年2月28日)。


 

1.合理的とはどういうことか

「当該規則条項が合理的なものであるとは,当該就業規則の作成又は変更が,その必要性及び内容の両面からみて,それによって労働者が被ることになる不利益の程度を考慮しても,なお当該労使関係における当該条項の法的規範性を是認できるだけの合理性を有するものであることをいうと解される。特に,賃金,退職金など労働者にとって重要な権利,労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については,当該条項が,そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において,その効力を生ずるものというべきである。」

2.合理的かどうかを判断する方法

上記の合理性の有無は,具体的には,次の事情等を総合考慮して判断すべきである。
労働者が被る不利益の程度,
使用者側の変更の必要性の内容・程度,
変更後の就業規則の内容自体の相当性,
代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況,
労働組合等との交渉の経緯,他の労働組合又は他の従業員の対応,
同種事項に関する我が国社会における一般的状況等。

要するに,最高裁判例によれば,合理的であるかどうかは,就業規則変更の必要性と労働者の受ける不利益を比較考量してケースバイケースで判断すべきということです。

こんな対応を!

上に述べたように,合理性がないと判断される不利益変更は無効となります。特に,賃金や退職金など労働者にとって重要な権利や労働条件に関する不利益変更には,「高度の必要性」が必要とされています。
むずかしい判断を求めることになるのですが,上記第四銀行事件最高裁判決が挙げた諸事情を貴社の場合に即して確かめた上で,意思決定をなさってください。

介護休業の給付 賃金の50%以上に引き上げへ

  厚生労働省は11月2日、家族の介護のため仕事を休む介護休業に関し、
休業中の給付金を現行の賃金の40%から少なくとも50%以上に引き上げる方針を決めました。

  育児休業と同率の67%へ引き上げる案を軸に調整します。

 介護休業は、在宅介護サービスの手配や施設の入居準備など介護態勢を整え離職を防ぐ制度ですが、総務省の2012年の調査では、取得率は3.2%にとどまっています。財源である雇用保険の失業給付が景気回復などで減っているため、財政に余裕が生まれ、介護休業給付金の引き上げに充てることとしました。
 厚労省は、給付金の増額と併せ、原則1回に限られている介護休業を分割取得できるようにすることなども検討しています。

2015年10月17日土曜日

健康保険制度の改正 平成28年4月~

平成28年4月以降の健康保険の改正点のご案内です。

1.健保:標準報酬月額の等級区分の改定

現在は「121万円」が上限です。
3等級区分が追加され「139万円」が上限となります。

追加される区分
  • 127万円
  • 133万円
  • 139万円

2.健保:標準賞与額の上限額

標準賞与額の上限額が引き上げられます。
改正前:540万円
改正後:573万円

標準報酬月額の等級区分の改定や標準賞与額の上限引き上げに伴い、現行の上限額を上回る報酬を受けている方に対する会社および被保険者負担の保険料が上昇します。

3.傷病手当金の計算方法

傷病手当金を計算する際の標準報酬月額は、「直近12月間」の平均額を用いることとなります。
出産手当金の計算も同様に変更されます。

これは「受給直前の標準報酬月額を高くし給付額を増やす」といった不正受給を防止すること等の観点から行われました。

改正前:直近月の標準報酬月額を用いて計算

改正後:支給開始日の属する月以前の直近の継続した「12月間の各月の標準報酬月額を平均した額」を用いて計算

2015年10月11日日曜日

当事務所は「クラウドソフトfreee」の認定アドバイザーに就任しました。

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50人未満の事業場が利用できる「ストレスチェック実施促進のための助成金」

 「ストレスチェック実施促進のための助成金」は、従業員数50人未満の事業場が合同で、医師・保健師などによるストレスチェックを実施し、また、ストレスチェック後の医師による面接指導などを実施した場合に、事業主が費用の助成を受けることができる制度です。

 具体的な助成対象と助成額は以下のとおりです。
(1)ストレスチェックの実施
 従業員1人につき500円を上限として、その実費額が支給されます。
(2)ストレスチェック後の面接指導などの産業医活動を受けた場合
 1事業場あたり産業医1回の活動につき21,500円を上限として、その実費額が助成されます(1事業場につき年3回が限度)
 助成金を申請するためには、まず独立行政法人労働者健康福祉機構に小規模事業場団体登録届を出した上で、ストレスチェックや面接指導を実施し、助成金の支給申請をする形になります。小規模事業場団体登録の届け出は平成27年12月10日まで、助成金の支給申請が平成28年1月末日までとなっています。
詳しくはこちら
ストレスチェック実施促進のための助成金の概要
http://www.rofuku.go.jp/sangyouhoken/stresscheck/tabid/1006/Default.aspx
申請様式とチェックリストのダウンロード
http://www.rofuku.go.jp/sangyouhoken/stresscheck/tabid/1007/Default.aspx
ストレスチェック実施促進のための助成金に関するQ&A
http://www.rofuku.go.jp/sangyouhoken/stresscheck/tabid/1024/Default.aspx

2015年10月4日日曜日

ストレスチェックのQ&Aが厚労省のHPで更新

ストレスチェックのQ&Aが厚労省のHPで更新

ストレスチェックについてのQ&Aが更新され厚労省のHPに公開されました。(平成27年9月30日)
更新された内容の要旨は以下のとおりです。
Q0-13 ストレスチェックの実施義務の対象「常時50 人以上の労働者」カウントについて
 A 「常時使用している労働者が50 人以上いるかどうか」の判断は、ストレスチェックの対象者のように、契約期間(1年以上)や週の労働時間(通常の労働者の4分の3以上)をもとに判断するのではなく、常態として使用しているかどうかで判断する。
   したがって、例えば週1回しか出勤しないようなアルバイトやパート労働者であっても、継続して雇用し、常態として使用している状態であれば、常時使用している労働者として50 人のカウントに含める必要がある。
Q1-1 産業医の職務に「心理的な負担の程度を把握するための検査の実施並びに同条第三項に規定する面接指導の実施及びその結果に基づく労働者の健康を保持するための措置に関すること」が追加されたが、産業医はストレスチェック制度にどこまで関与すれば、職務を果たしたことになるのか。
 A 労働安全衛生規則第14 条の規程は、産業医がストレスチェックや面接指導等の実施に直接従事することまでを求めているものではない。衛生委員会に出席して意見を述べる、ストレスチェック制度の実施状況を確認するなど、何らかの形でストレスチェックや面接指導の実施に関与すべきことを定めたものである。
  ただし、事業場の状況を日頃から把握している産業医が、ストレスチェックや面接指導等の実施に直接従事することが望ましいと考えている。
Q2-2 ストレスチェック制度に関する社内規程は、どのような形式で定めればよいか。、就業規則に該当するのか。
 A ストレスチェック制度に関する内部規程については、特に形式を問わない。何らかの形で、文書化すれば問題ない。また、就業規則に該当するものでもないため労働基準監督署への届出も必要ない。
   なお、厚生労働省のホームページに、モデル規程の例を掲載しているので、規程を定める際には、参考にしてほしい。
Q3-8 労働安全衛生法に基づくストレスチェックは年1回実施しており、それとは別に会社独自にストレスチェックを定期的に実施しているが、この会社独自の取組についても法令の規定に基づいて行わなければならないのか。また、監督署への報告は必要か。
 A 会社独自に実施するストレスチェックについても、それが労働安全衛生法のストレスチェックの定義に該当する検査を実施する場合は、個人情報の取扱い、実施者の範囲等を含め、法令に即して対応する必要があり、不備があった場合は、法違反という扱いになる。
   一方、労働基準監督署長への報告については、年に1度報告すれば足りるので、2回実施している場合にも、1回分のみ報告をすれば問題ない。
Q3-9 労働安全衛生法に基づくストレスチェックは年1回実施しており、それとは別に安衛法に基づく健康診断の問診としてCES-Dを実施し、その結果は本人の同意を取らずに企業が把握しているが、法的に問題あるか。
 A CES-D は、今回のストレスチェック定義に基づけば、ストレスの要因や周囲のサポートに関する質問項目を含むものではないので、企業で実施することに法的な制約はかからないが、ストレスチェック制度では、個人のストレスの状況を本人の同意なく企業側に知られないようにするための制限を設けていることを踏まえれば、健康診断の中でCES-D を実施し、本人の同意を取らずにその結果を企業が把握することは望ましくない。
   実施する場合は、今回のストレスチェック制度に準じて、結果を企業側に提供する場合は本人の同意を取る等の対応が望ましい。
Q5-3 個々の労働者のストレスチェックの受検の有無の情報について、受検勧奨に使用する途中段階のものではなく、最終的な情報(誰が最終的に受けなかったのかという情報)を事業者に提供して良いか。
 A ストレスチェックの受検の有無の情報については、個人情報という取扱いにはならないので、事業者に提供することは可能。
   ただし、どのような目的で最終的な受検の有無の状況を事業者に提供するのか、不利益な取扱いにつながらないようにすることなどについては、衛生委員会等で調査審議を行い、社内のルールとして決めておくことが望ましい。
Q6-6 看護師や精神保健福祉士が、研修を受けなくてもストレスチェックの実施者となれる健康管理等の業務の経験年数三年について、例えば健診機関や病院で企業健診に関わっているような場合や、特定保健指導のみに従事しているような場合も経験年数に含まれるのか。
 A 三年以上企業健診に従事した者であれば、原則として労働者の健康管理等の業務に従事したと見なせるので、研修を受けなくてもストレスチェックの実施者となることは可能。
   ただし、企業検診に従事したといっても、例えば問診票の点検や採血業務だけ担当していたなど、従事した業務が一般的な健康管理と違いのない業務に限定され、労働者の健康管理についての知識を得る機会がないとみなされる場合は、労働者の健康管理等の業務に従事したとはいえないため、業務内容によっては該当しない場合もあるので留意が必要。
   判断に迷う場合は、最寄りの労働基準監督署に相談してほしい。  なお、住民検診に関する業務は労働者の健康管理等には該当しない。
  また、労働者の健康管理等の業務には、労働者に対する保健指導も含まれるので三年以上労働者に対する特定保健指導に従事した看護師であれば、原則として労働者の健康管理等の業務に従事したと見なせるため、研修を受けなくてもストレスチェックの実施者となることは可能。
Q10-2 ストレスチェック結果の保存を担当する者が交代する場合、過去のストレスチェック結果を引き継ぐことはできるのか。
 A ストレスチェック結果の保存を担当する者が変更になる場合、過去のストレスチェック結果を引き継ぐことは可能。
   事業者には、ストレスチェックの結果の記録の保存が適切に行われるよう、必要な措置を講じる義務がある。したがって、保存を担当する者が変更された場合も、保存が適切に継続されるような対応が法令上求められている。
その中には、保存を担当する者の指名や、保存を担当する者を変更した場合の結果の引き継ぎも含まれるため、保存を担当する者の変更に伴い、事業者の指示に基づき、これまでの保存担当者が、新たに指名された保存担当者に過去のストレスチェック結果を提供する行為は、労働安全衛生規則第52条の11で義務付けられている行為を遂行するために必要な行為である。
   そのため、個人情報保護法第23条の適用は受けず、安衛法第104条に抵触もせず、本人同意を取得する必要はない。
Q11-3 事業場の規程として、数値基準により高ストレスと判定された者については、全員面接指導の対象者とすると決めていたとすれば、システムでストレスチェックを実施し、その結果が高ストレス者に該当するかどうか、面接指導の対象者かどうかを瞬時に出力し、それをもって結果の通知まで終了したとすることは可能か。
 A  高ストレス者の判定は自動的に行ってもよいが、面接指導が必要かどうかは、実施者が確認・判断しない限り、ストレスチェックを実施したことにはならない。
    したがって、例えば、高ストレス者と判定された者を、実施者の確認・判断を経ることなく、面接指導の対象者として決定し、本人に通知するといったルールを定めたり、そうした処理を自動的に行うプログラムを用いてストレスチェックを実施することは不適当。
Q12-5 事業者が面接指導の実施を外部の医療機関の医師に依頼した場合、医師は保険診療扱いとしてよいか。
  A 保険診療扱いはできない。労働安全衛生法に基づくストレスチェック後の面接指導は、事業者に実施義務を課しているので、その費用は当然に全額事業者が負担すべきものでとなる。

厚労省HP「職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策・心身両面にわたる健康づくり(THP) ストレチェック制度 Q&A」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150507-2.pdf

厚生労働省HP「職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策・心身両面にわたる健康づくり(THP)ストレスチェック制度実施規程例」
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei12/pdf/150930-1.pdf

2015年9月30日水曜日

派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する件関係

派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する件関係
● 労働者派遣契約の締結に当たって講ずべき措置に以下の項目を追加することとされた。
・派遣元事業主は、労働者派遣契約の締結に当たって、派遣先が労働者派遣の終了後に派遣労働者を雇用する意思がある場合には、当該意思を事前に派遣元事業主に示すこと、派遣元事業主が職業紹介を行うことができる場合には、派遣先は職業紹介により当該派遣労働者を雇用し、派遣元事業主に当該職業紹介に係る手数料を支払うこと等を定めるよう求めること。
● 労働者派遣契約の終了に当たって講ずべき事項を以下のとおり定めることとされた。
・派遣元事業主は、無期雇用派遣労働者の雇用の安定に留意し、労働者派遣が終了した場合において、労働者派遣の終了のみを理由として当該労働者派遣契約に係る無期雇用派遣労働者を解雇してはならないこと。
・派遣元事業主は、有期雇用派遣労働者の雇用の安定に留意し、労働者派遣契約の期間が終了した場合であって、当該労働者派遣契約に係る有期雇用派遣労働者との労働契約が継続しているときは、当該労働者派遣の終了のみを理由として当該有期雇用派遣労働者を解雇してはならないこと。
● 派遣先との連絡体制の確立について以下のとおりとすることとされた。
・派遣元事業主は、派遣労働者の就業の状況が労働者派遣契約の定めに反していないことの確認等を行うとともに、派遣労働者の適正な派遣就業の確保のために、情報提供を行う等により、派遣先との連絡調整を的確に行うこと。特に、労働基準法第36条第1項の時間外及び休日の労働に関する協定の内容等派遣労働者の労働時間の枠組みについては、情報提供を行う等により、派遣先との連絡調整を的確に行うこと。なお、協定の締結に当たり、労働者の過半数を代表する者の選出を行う場合には、労働基準法施行規則第6条の2の規定を踏まえ、適正に行うこと。
また、派遣元事業主は、割増賃金等の計算に当たり、その雇用する派遣労働者の実際の労働時間等について、派遣先に情報提供を求めること。
● 派遣労働者の雇用の安定及び福祉の増進等について以下のとおりとすることとされた。
1 無期雇用派遣労働者について留意すべき事項
・派遣元事業主は、無期雇用派遣労働者の募集に当たっては、無期雇用派遣労働者の募集であることを明示しなければならないこと。
2 特定有期雇用派遣労働者等について留意すべき事項
・派遣元事業主が、労働者派遣法第30条第2項の規定の適用を避けるために、業務上の必要性等なく同一の派遣労働者に係る派遣先の事業所その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務に係る労働者派遣の期間を3年未満とすることは、同項の趣旨に反する脱法的な運用であって、義務違反と同視できるものであり、厳に避けるべきものであること。
・派遣元事業主は、労働者派遣法第30条第1項(同条第2項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下同じ。)の措置(以下「雇用安定措置」という。)を講ずるに当たっては、当該措置の対象となる特定有期雇用派遣労働者等に対し、キャリア・コンサルティングや労働契約の更新の際の面談等の機会を利用し、又は電子メールを活用する等により、労働者派遣の終了後に継続して就業することの希望の有無及び希望する措置の内容を把握すること。
・派遣元事業主は、雇用安定措置を講ずるに当たっては、当該措置の対象となる特定有期雇用派遣労働者等の希望する措置を講ずるよう努めること。また、特定有期雇用派遣労働者が、同項第1号の措置を希望する場合には、派遣先での直接雇用が実現するよう努めること。
・派遣元事業主は、雇用安定措置を講ずるに当たっては、早期に対象となる特定有期雇用派遣労働者等の希望する措置の内容について聴取を行い、十分な時間的余裕をもって当該措置に着手すること。
3 労働契約法の適用について留意すべき事項
・派遣元事業主は、派遣労働者についても労働契約法の適用があることに留意すること。
・派遣元事業主が、その雇用する有期雇用派遣労働者について、当該有期雇用派遣労働者からの労働契約法第18条第1項の規定による期間の定めのない労働契約の締結の申込みを妨げるために、当該有期雇用派遣労働者に係る期間の定めのある労働契約の更新を拒否し、また空白期間を設けることは、脱法的な運用であること。
・有期雇用派遣労働者の通勤手当に係る労働条件が、期間の定めがあることにより同一の派遣元事業主と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の通勤手当に係る労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して不合理と認められるものであってはならないこと。
4 派遣労働者等の適性、能力、経験、希望等に適合する就業機会の確保等派遣元事業主は、派遣労働者又は派遣労働者になろうとする者(以下「派遣労働者等」という。)について、最も適合した就業の機会の確保を図るとともに、就業する期間及び日、就業時間、就業場所、派遣先における就業環境等について当該派遣労働者等の希望と適合するような就業機会を確保するよう努めなければならないこと。また、派遣元事業主は、労働者派遣法第30条の2の教育訓練等の措置を講じなければならないほか、就業機会と密接に関連する教育訓練の機会を確保するよう努めなければならないこと。
5 派遣労働者のキャリアアップ措置
・派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者に対し、労働者派遣法第30条の2第1項の教育訓練を実施するに当たっては、教育訓練計画に基づく教育訓練を行わなければならないこと。
・派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し、労働契約の締結時までに教育訓練計画を周知するよう努めること。また、当該教育訓練計画に変更があった場合は、その雇用する派遣労働者に対し、速やかにこれを周知するよう努めること。
・派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者が教育訓練計画に基づく教育訓練を受けられるよう配慮しなければならないこと。特に、教育訓練計画の策定に当たっては、教育訓練の複数の受講機会を設け、又は開催日時や時間の設定について配慮する等により、可能な限り派遣労働者が受講しやすいようにすることが望ましいこと。
・派遣元事業主は、教育訓練計画に基づく教育訓練を実施するのみならず、更なる教育訓練を自主的に実施するとともに、当該教育訓練に係る派遣労働者の負担は実費程度とすることで、派遣労働者が受講しやすいようにすることが望ましいこと。
・派遣元事業主は、教育訓練を行った日時及び内容、労働者派遣の期間、その従事した業務の種類等を記載した書類を保存するよう努めること。
6 派遣先の労働者との均衡に配慮した取扱い
・派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の賃金の決定に当たっては、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準との均衡を考慮しつつ、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準又は当該派遣労働者の職務の内容、能力若しくは経験等を勘案するよう努めること。また、派遣元事業主は、派遣労働者の職務の成果、意欲等を適切に把握し、当該職務の成果等に応じた適切な賃金を決定するよう努めること。
・派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準との均衡を考慮した結果のみをもって、当該派遣労働者の賃金を従前より引き下げるような取扱いは、労働者派遣法第30条の3第1項の趣旨を踏まえた対応とはいえないこと。
・派遣元事業主は、労働者派遣に関する料金の額に係る派遣先との交渉が当該労働者派遣契約に係る派遣労働者の待遇の改善にとって極めて重要であることを踏まえつつ、当該交渉に当たるよう努めること。
・派遣元事業主は、労働者派遣に関する料金の額が引き上げられた場合には、可能な限り、当該労働者派遣に係る派遣労働者の賃金を引き上げるよう努めること。
・派遣元事業主は、労働者派遣に係る業務を円滑に遂行する上で有用な物品の貸与や教育訓練の実施等を始めとする派遣労働者の福利厚生等の措置について、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の福利厚生等の実状を把握し、当該派遣先に雇用される労働者との均衡に配慮して必要な措置を講ずるよう努めること。
・派遣元事業主は、派遣労働者が労働者派遣法第31条の2第2項の規定に基づき説明を求めたことを理由として、不利益な取扱いをしてはならないこと。
7 同一の組織単位の業務への派遣
派遣元事業主が、派遣先の事業所等における組織単位の業務について継続して3年間同一の派遣労働者に係る労働者派遣を行った場合において、当該派遣労働者が希望していないにもかかわらず、当該労働者派遣の終了後3月が経過した後に、当該派遣先の同一の組織単位の業務に再度当該派遣労働者を派遣することは、派遣労働者のキャリアアップの観点から望ましくないこと。
● 情報の提供について以下を追加することとされた。
マージン率の情報提供に当たっては、常時インターネットの利用により広く関係者、とりわけ派遣労働者に必要な情報を提供することを原則とすること。また、労働者派遣の期間の区分ごとの雇用安定措置を講じた人数等の実績及び教育訓練計画については、インターネットの利用その他の適切な方法により関係者に情報提供することが望ましいこと。
● 派遣労働者の安全衛生について派遣元事業主と派遣先が密接に連携することについて定めることとされた。
● その他所要の規定の整備を行うこととされた。

 派遣先が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する件関係
● 労働者派遣契約の終了後の直接雇用に関する事項を以下のとおり定めることとされた。
派遣先は、派遣元事業主の求めに応じ、労働者派遣の終了後に派遣労働者を雇用する意思がある場合には、当該意思を事前に派遣元事業主に示すこと、派遣元事業主が職業紹介を行うことができる場合には、職業紹介により当該派遣労働者を雇用し、派遣元事業主に当該職業紹介に係る手数料を支払うこと等の措置を労働者派遣契約に定め、当該措置を適切に講ずること。
● 適切な苦情の処理について以下のとおりとすることとされた。
・派遣先が適切かつ迅速な処理を図るべき苦情には、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント等が含まれることに留意すること。
・派遣先は、派遣労働者の苦情の処理を行うに際しては、派遣先の労働組合法上の使用者性に関する代表的な裁判例や中央労働委員会の命令に留意すること。また、派遣先は、派遣元事業主との連携を図るための体制等を労働者派遣契約において定めるとともに、派遣労働者の受入れに際し、その内容を派遣労働者に説明すること。さらに、派遣先管理台帳に苦情の申出を受けた年月日、苦情の内容及び苦情の処理状況について、苦情の申出を受け、及び苦情の処理に当たった都度、記載するとともに、その内容を派遣元事業主に通知すること。また、派遣労働者から苦情の申出を受けたことを理由として、当該派遣労働者に対して不利益な取扱いをしてはならないこと。
● 労働者派遣に関する料金の額を以下のとおり定めることとされた。
派遣先は、労働者派遣に関する料金の額の決定に当たっては、当該派遣労働者の賃金水準が、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事している労働者の賃金水準と均衡が図られたものとなるよう努めなければならないこと。また、派遣先は、労働者派遣契約の更新の際の労働者派遣に関する料金の額の決定に当たっては、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者の就業の実態及び労働市場の現状に加え、当該派遣労働者が従事する業務の内容、当該業務に伴う責任の程度、当該派遣労働者に要求する技術水準の変化を勘案するよう努めなければならないこと。
● 教育訓練・能力開発について以下のとおりとすることとされた。
派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者に対して労働者派遣法第40条第2項の教育訓練を実施するよう配慮するほか、派遣元事業主が労働者派遣法第30条の2第1項の教育訓練を実施するに当たり、派遣元事業主から求めがあったときは、派遣元事業主と協議等を行い、派遣労働者が当該教育訓練を受けられるよう可能な限り協力するほか、必要に応じた当該教育訓練に係る便宜を図るよう努めなければならないこと。派遣元事業主が行うその他の教育訓練、派遣労働者の自主的な能力開発等についても同様とすること。
● 派遣元事業主との労働時間等に係る連絡体制の確立に以下の内容を追加することとされた。
派遣先は、適正に把握した実際の労働時間等について、派遣元事業主に正確に情報提供すること。
● 労働者派遣の役務の提供を受ける期間の制限の適切な運用について以下のとおりとすることとされた。
派遣先は、労働者派遣法第40条の2及び第40条の3の規定に基づき派遣労働者による常用労働者の代替の防止と派遣就業を望まない派遣労働者が派遣就業に固定化されることの防止を図るため、次に掲げる基準に従い、事業所等ごとの業務について、派遣元事業主から労働者派遣法第40条の2第2項の派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならず、また、事業所等における組織単位ごとの業務について、派遣元事業主から3年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受けてはならないこと。
・事業所等については、工場、事業所、店舗等、場所的に他の事業所その他の場所から独立していること、経営の単位として人事、経理、指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有すること、一定期間継続し、施設としての持続性を有すること等の観点から実態に即して判断すること。 
・事業所等における組織単位については、労働者派遣法第40条の3の期間制限の目的が、派遣労働者がその組織単位の業務に長期間にわたって従事することによって派遣就業を望まない派遣労働者が派遣就業に固定化されることを防止することにあることに留意しつつ判断すること。すなわち、課、グループ等の業務としての類似性や関連性がある組織であり、かつ、その組織の長が業務の配分や労務管理上の指揮監督権限を有するものであって、派遣先における組織の最小単位よりも一般に大きな単位を想定しており、名称にとらわれることなく実態により判断すべきものであること。ただし、小規模の事業所等においては、組織単位と組織の最小単位が一致する場合もあることに留意すること。
・派遣先は、労働者派遣の役務の提供を受けた当該派遣先の事業所等ごとの業務について、新たに労働者派遣の役務の提供を受ける場合には、当該新たな労働者派遣の開始と当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣の終了との間の期間が3月を超えない場合には、当該派遣先は、当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣から継続して労働者派遣の役務の提供を受けているものとみなすこと。 
・派遣先は、労働者派遣の役務の提供を受けていた当該派遣先の事業所等における組織単位ごとの業務について同一の派遣労働者に係る新たな労働者派遣の役務の提供を受ける場合には、当該新たな労働者派遣の開始と当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣の終了との間の期間が3月を超えない場合には、当該派遣先は、当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣から継続して労働者派遣の役務の提供を受けているものとみなすこと。 
・派遣先は、当該派遣先の事業所等ごとの業務について派遣元事業主から3年を超えて期間労働者派遣の役務の提供を受けようとする場合において、労働者派遣法第40条の2第3項の規定による派遣可能期間の延長に係る手続を回避することを目的として、当該労働者派遣の終了後3月が経過した後に再度当該労働者派遣の役務の提供を受けるような、実質的に派遣労働者の受入れを継続する行為は、同項の趣旨に反するものであること。 
● 派遣可能期間の延長に係る意見聴取の適切かつ確実な実施について以下のとおりとすることとされた。
・派遣先は、当該派遣先の事業所等の過半数労働組合等に対し、派遣可能期間を延長しようとする際に意見を聴くに当たっては、派遣先の事業所等の業務について、意見聴取の際に過半数労働組合等が意見を述べるに当たり参考となる資料を過半数労働組合等に提供するものとすること。また、派遣先は、意見聴取の実効性を高める観点から、過半数労働組合等からの求めに応じ、部署ごとの派遣労働者の数等に係る情報を提供することが望ましいこと。
・派遣先は、過半数労働組合等に対し意見を聴くに当たっては、十分な考慮期間を設けること。
・派遣先は、派遣可能期間を延長することに対して過半数労働組合等から異議があった場合には、当該意見に関する対応を説明するに際し、当該意見を勘案して派遣可能期間の延長について再検討を加える等により、過半数労働組合等の意見を十分に尊重するよう努めること。
・派遣先は、派遣可能期間を延長する際に過半数労働組合等から異議があった場合において、当該延長に係る期間が経過した場合にこれを更に延長しようとするに当たり、再度、過半数労働組合等から異議があったときは、当該意見を十分に尊重し、当該派遣可能期間の延長の中止又は当該延長する期間の短縮、受入れ人数の減少等の対応方針を採ることについて検討し、その結論をより一層丁寧に過半数労働組合等に説明しなければならないこと。
・派遣先は、派遣可能期間を延長しようとする場合の過半数労働組合等からの意見の聴取及び過半数労働組合等が異議を述べた場合の当該過半数労働組合等に対する派遣可能期間の延長の理由等の説明を行うに当たっては、誠実にこれらを行うよう努めなければならないものとすること。
● 派遣労働者の安全衛生について派遣元事業主と派遣先が密接に連携することについて定めることとされた。
● その他所要の規定の整備を行うこととされた。

〔参考〕その他、本日(9月29日)付けの官報に、次のような告示も公布され、必要な事項が定められた。
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則第条の号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準を定める件(平成27厚生労働省告示第391
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則第29条のの規定に基づき厚生労働大臣が定める講習を定める件(平成27厚生労働省告示第392
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係告示の整理に関する告示を定める件(平成27厚生労働省告示第395

これらの政省令等は、労働契約申込みみなし制度に関する規定を除き、
平成27年9月30日から施行される
(労働契約申込みみなし制度に関する規定は、
平成27年10月1日から施行される)

労働者派遣法の改正2(厚生労働省関係省令の整備等及び経過措置に関する省令関係)

  労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等及び経過措置に関する省令関係
1 労働者派遣事業の許可
⑴ 許可の申請等の添付書類
労働者派遣事業の許可の申請を受けようとする者等が添付する書類に、5⑴の派遣元責任者講習を修了したことを証する書類、派遣労働者のキャリア形成支援に関する規程及び派遣労働者の解雇に関する規程を追加することとされた。
⑵ 労働者派遣事業の許可の基準
労働者派遣事業の許可の基準のうち、改正法による改正後の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「法」という。)第7条第1項第2号の厚生労働省令で定める基準(申請者が当該事業の派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして厚生労働省令で定める基準)は、次のとおりとすることとされた。
① 派遣労働者のキャリア形成支援制度(厚生労働大臣が定める基準を満たすものに限る。)を有すること。
② ①のほか、派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うための体制が整備されていること。
⑶ 変更の届出
法第5条第2項第4号(派遣元責任者の氏名及び住所)に掲げる事項以外の変更の届出のうち、届出書に登記事項証明書を添付すべき場合については、申請書の提出期限を当該変更に係る事実のあった日の翌日から起算して10日以内から「30日以内」に変更することとされた。
⑷ 特定労働者派遣事業の廃止
特定労働者派遣事業に関する規定を削除することとされた。
2 労働者派遣事業
⑴ 事業報告書
① 事業報告書の提出期限を、全て毎年6月30日とすることとされた。
② 事業報告書に記載する事項として、雇用安定措置の実施状況、キャリアアップ措置の実施内容等を追加することとされた
⑵ 労働者派遣契約
① 法第26条第1項第2号の厚生労働省令で定める区分(派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する組織単位に係る労働者の配置の区分であって、厚生労働省令で定めるもの)は、名称のいかんを問わず、労働者の配置の区分であって、配置された労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者が当該労働者の業務の配分及び労務管理に関して直接の権限を有するものとすることとされた。
② 法第26条第1項第10号の厚生労働省令で定める労働者派遣契約で定めるべき事項として、次のものを追加することとされた。
ア 労働者派遣の役務の提供の終了後、当該労働者派遣に係る派遣労働者を派遣先が雇用する場合にあらかじめ派遣元事業主に通知すること、手数料を支払うことその他の派遣元事業主と派遣先との間で紛争が生じないようにするために講ずる措置
イ 派遣労働者を無期雇用派遣労働者又は60歳以上の者に限定するか否かの別
③ 法第26条第2項第3号の厚生労働省令で定める措置(海外派遣に係る労働者派遣契約に定める措置のうち、厚生労働省令で定めるもの)に、次のものを追加することとされた。
ア 法第40条第2項に規定する派遣労働者に対する教育訓練の実施に係る配慮
イ 法第40条第3項に規定する福利厚生施設の利用の機会の付与に係る配慮
ウ 法第40条第5項に規定する賃金水準に関する情報の提供その他の措置に係る配慮
エ 法第40条の4に規定する派遣労働者の雇用に関する事項に関する措置
オ 法第40条の5の労働者の募集に係る事項の周知
3 雇用安定措置
⑴ 特定有期雇用派遣労働者等
① 法第30条第1項の同一の組織単位の業務について継続して1年以上の期間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがあるものとして厚生労働省令で定めるものは、派遣先の事業所その他派遣就業の場所(以下「事業所等」という。)における同一の組織単位の業務について継続して1年以上の期間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがある者であって、当該労働者派遣の役務の提供の終了後も引き続き就業することを希望しているもの(法第40条の2第1項各号に掲げる労働者派遣に係る派遣労働者を除く。)とすることとされた。
② ①の派遣労働者の希望は、派遣元事業主が当該派遣労働者の役務の提供が終了する日の前日までに派遣労働者に対して聴取するものとすることとされた。
③ 法第30条第1項のその他雇用の安定を図る必要性が高いと認められる者として厚生労働省令で定めるものは、当該派遣元事業主に雇用された期間が通算して1年以上である有期雇用派遣労働者(①に該当する者を除く。)とすることとされた。
④ 法第30条第1項の派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者であって雇用の安定を図る必要性が高いと認められるものとして厚生労働省令で定めるものは、当該派遣元事業主に雇用された期間が通算して1年以上である派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者とすることとされた。
〔解説〕法第30条第1項では、「派遣元事業主は、その雇用する有期雇用派遣労働者(期間を定めて雇用される派遣労働者をいう。以下同じ。)であって派遣先の事業所その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務について継続して1年以上の期間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがあるものとして厚生労働省令で定めるもの(以下「特定有期雇用派遣労働者」という。)その他雇用の安定を図る必要性が高いと認められる者として厚生労働省令で定めるもの又は派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者であって雇用の安定を図る必要性が高いと認められるものとして厚生労働省令で定めるもの(以下この項において「特定有期雇用派遣労働者等」という。)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、同項の各号の措置を講ずるように努めなければならない。」とされている。
上記は、その詳細を定めるものである。
なお、同項の各号の措置とは、次の措置であり、その詳細は、次の⑵⑶で定められている。
1号 派遣先に対し、特定有期雇用派遣労働者に対して労働契約の申込みをすることを求めること。
2号 派遣労働者として就業させることができるように就業(その条件が、特定有期雇用派遣労働者等の能力、経験その他厚生労働省令で定める事項に照らして合理的なものに限る。)の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。
3号 派遣労働者以外の労働者として期間を定めないで雇用することができるように雇用の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。
4号 前3号に掲げるもののほか、特定有期雇用派遣労働者等を対象とした教育訓練であって雇用の安定に特に資すると認められるものとして厚生労働省令で定めるものその他の雇用の安定を図るために必要な措置として厚生労働省令で定めるものを講ずること。
⑵ 雇用安定措置の実施
① 派遣元事業主は、法第30条第1項各号の措置を講ずるに当たっては、そのいずれかの措置を講ずるように努めるものとすることとされた。
② 派遣元事業主は、法第30条第2項の規定により読み替えて適用する同条第1項の措置を講ずるに当たっては、そのいずれかの措置を講じなければならないものとすることとされた。ただし、同項第1号の措置の対象となった特定有期雇用派遣労働者が当該派遣先に雇用されなかった場合には、同項第2号から第4号までのいずれかの措置を講じなければならないものとすることとされた。
⑶ 雇用安定措置の内容
① 法第30条第1項第2号の厚生労働省令で定める事項は、特定有期雇用派遣労働者等の居住地、従前の職務における待遇その他派遣労働者の配置に関して通常考慮すべき事項とすることとされた。
② 法第30条第1項第4号の厚生労働省令で定める教育訓練は、新たな就業の機会を提供するまでの間に行われる教育訓練であって、当該教育訓練を受ける期間、当該特定有期雇用派遣労働者等に対し賃金が支払われて行われるものとすることとされた。
③ 法第30条第1項第4号の厚生労働省令で定める措置は、次のとおりとすることとされた。
ア ②の教育訓練
イ 派遣元事業主が職業安定法その他の法律の規定による許可を受けて、又は届出をして職業紹介を行うことができる場合にあっては、特定有期雇用派遣労働者等を紹介予定派遣の対象とし、又は紹介予定派遣に係る派遣労働者として雇い入れること。
ウ その他当該特定有期雇用派遣労働者等の雇用の継続が図られると認められる措置
4 労働・社会保険の適用促進
⑴ 待遇に関する事項等の説明
法第31条の2第1項の厚生労働省令で定める事項(派遣元事業主が派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し説明しなければならない事項のうち、厚生労働省令で定める事項)に、健康保険法に規定する被保険者の資格の取得の見込み等に関する事項を追加することとされた。
⑵ 派遣先及び派遣労働者への通知等
① 派遣元事業主は、第27条の2第1項各号に掲げる書類(当該労働者派遣に係る派遣労働者に関する健康保険等の被保険者資格取得届)が提出されている派遣労働者に係る労働者派遣をする場合には、派遣先に対し、当該書類が提出されていることを証する書類の提示等を行わなければならず、労働者派遣を開始した後に当該書類が提出されることとなった場合も同様とすることとされた。
② 派遣元事業主は、第27条の2第1項各号に掲げる書類が提出されていない場合には、その具体的な理由を当該派遣労働者に対して明示しなければならないものとすることとされた。
5 その他の派遣元事業主が講ずべき措置
⑴ 派遣元責任者の基準
法第36条の厚生労働省令で定める基準(派遣元責任者に係る厚生労働省令で定める基準)は、過去3年以内に派遣労働者に係る雇用管理の適正な実施のために必要な知識を習得させるための講習として厚生労働大臣が定めるもの修了していることとすること。
⑵ 派遣元管理台帳に記載する事項
① 法第37条第1項第9号の厚生労働省令で定める教育訓練は、法第30条の2第1項の規定による教育訓練とすることとされた。
② 法第37条第1項第12号の厚生労働省令で定める事項に法第30条の2第2項の規定による援助の日時及びその内容を追加することとされた。
6 均衡待遇の推進
⑴ 派遣先の教育訓練の実施の配慮の例外
法第40条第2項の厚生労働省令で定める場合は、当該教育訓練と同様の訓練を派遣元事業主において既に実施された場合又は実施することが可能である場合とすることとされた。
⑵ 業務の円滑な遂行に資する福利厚生施設
法第40条第3項の厚生労働省令で定める福利厚生施設は、次のとおりとすることとされた。
① 給食施設
② 休憩室
③ 更衣室
⑶ 派遣労働者の賃金の適切な決定のため派遣先が講ずるように配慮すべき措置
法第40条第5項の厚生労働省令で定める措置は、次のとおりとすることとされた。
① 派遣先がその指揮命令の下に労働させる派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する当該派遣先に雇用される労働者等の賃金水準に関する情報の提供
② 派遣先がその指揮命令の下に労働させる派遣労働者と同種の業務に従事する労働者の募集に係る事項(賃金に係る情報に関する部分に限る。)の提供
③ そのほか法第30条の3第1項の規定により派遣労働者の賃金が適切に決定されるようにするために必要な措置
7 期間制限
⑴ 期間制限の対象外
法第40条の2第1項第2号の厚生労働省令で定める者は、60歳以上の者とすることとされた。
〔解説〕法第40条の2第1項により、派遣先は、当該派遣先の事業所等ごとの業務について、派遣元事業主から派遣可能期間(3年:延長可)を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないこととされた。
ただし、当該労働者派遣が無期雇用派遣労働者に係る労働者派遣等のほか、厚生労働省令で定める者に係る労働者派遣であるときは、この限りでないこととされ。この厚生労働省で定める者が、上記のように「60歳以上の者」とされた。
⑵ 過半数労働組合等からの意見聴取手続
① 法第40条の2第4項の規定により過半数労働組合又は過半数代表(以下「過半数労働組合等」という。)の意見を聴くに当たっては、当該過半数労働組合等に次に掲げる事項を書面により通知するものとすることとされた。
ア 派遣可能期間を延長しようとする事業所等
イ 延長しようとする期間
② 過半数代表者は、次のいずれにも該当する者とすることとされた。ただし、アに該当する者がいない事業所等にあっては、過半数代表者はイに該当する者とすること。
ア 労働基準法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。
イ 法第40条の2第4項の規定により意見を聴取される者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の民主的な方法による手続により選出された者であること。
③ 派遣先は、法第40条の2第4項の規定により意見を聴いた場合には、次に掲げる事項を書面に記載し、当該事業所等ごとの業務について延長前の派遣可能期間が経過した日から3年間保存するものとすることとされた。
ア 意見を聴いた過半数労働組合の名称又は過半数代表者の氏名
イ 過半数労働組合等に通知した事項及び通知した日
ウ 過半数労働組合等から意見を聴いた日及び当該意見の内容
エ 意見を聴いて延長する期間を更新したときは、その更新した期間
④ 派遣先は、③のアからエまでの事項を、次のいずれかの方法によって当該事業所等の労働者に周知するものとすることとされた。
ア 常時当該事業所等の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること。
イ 書面を労働者に交付すること。
ウ 電子計算機に備えられたファイル等に記録し、かつ、事業所等に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。
⑶ 過半数組合等への説明その他の派遣可能期間の延長に当たって事項
① 法第40条の2第5項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとすることとされた。
ア 派遣可能期間の延長の理由及びその期間
イ 法第40条の2第4項の規定による過半数労働組合等の意見への対応に関する方針
② 派遣先は、法第40条の2第5項の規定により過半数労働組合等に対して行った説明の日及びその内容を書面に記載し、当該事業所等ごとの業務について延長前の派遣可能期間が経過した日から3年間保存するものとすることとされた。
③ 派遣先は、②の事項を、⑵の④のいずれかの方法によって当該事業所等の労働者に周知するものとすることとされた。
④ 不利益取扱の禁止
派遣先は、過半数代表者として正当な行為をしたこと等を理由として当該者に対して不利益な取扱いをしないようにすることとされた。
⑤ 派遣可能期間の延長の際の通知
法第40条の2第7項の規定による通知は、同項の規定により通知すべき事項に係る書面の交付等により行うものとすることとされた。
〔解説〕法第40条の2第2項以下により、派遣先は、当該派遣先の事業所等ごとの業務について、派遣元事業主から年を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けようとするときは、当該派遣先の事業所等ごとの業務に係る労働者派遣の役務の提供が開始された日以後当該事業所等ごとの業務について意見聴取期間に、年を限り、派遣可能期間を延長することができることとされた。そして、派遣先は、派遣可能期間を延長しようとするときは、意見聴取期間に、過半数労働組合等の意見を聴かなければならないこととされ
  また、派遣先は、意見を聴かれた過半数労働組合等が異議を述べたときは、当該事業所等ごとの業務について、延長前の派遣可能期間が経過することとなる日の前日までに、当該過半数労働組合等に対し、派遣可能期間の延長の理由等について説明しなければならないこととされ
  上記⑵⑶は、その詳細を定めるものである。
8 特定有期雇用派遣労働者の雇用等
⑴ 特定有期雇用派遣労働者の雇用
法第40条の4の厚生労働省令で定める者は、法第30条第1項第1号の措置が講じられた者とすることとされた。
〔解説〕法第40条の4により、派遣先は、当該派遣先の事業所等における組織単位ごとの同一の業務について派遣元事業主から継続して年以上の期間同一の特定有期雇用派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受けた場合において、引き続き当該業務に労働者を従事させるため労働者を雇い入れようとするときは、当該業務に従事した特定有期雇用派遣労働者(継続して就業することを希望する者として厚生労働省令で定めるものに限る。)を、遅滞なく、雇い入れるように努めなければならないこととされ
  上記は、その詳細を定めるものである。
  なお、上記の法第30条第1項第1号の措置とは、「派遣先に対し、特定有期雇用派遣労働者に対して労働契約の申込みをすることを求めること」である。
⑵ 派遣先に雇用される労働者の募集に係る事項の周知
法第40条の5第2項の厚生労働省令で定めるものは、法第30条第2項の規定により読み替えて適用する同条第1項第1号の措置が講じられた者とすることとされた。
 派遣先管理台帳
⑴ 派遣先管理台帳に記載すべき教育訓練
法第42条第1項第9号の厚生労働省令で定めるものは、次のとおりとすることとされた。
① 業務の遂行の過程内における実務を通じた実践的な技能及びこれに関する知識の習得に係る教育訓練であって計画的に行われるもの
② 業務の遂行の過程外において行われる教育訓練
⑵ その他派遣先管理台帳に記載すべき事項
法第42条第1項第10号の厚生労働省令で定める事項に、派遣労働者が派遣就業する組織単位を追加することとされた。
10 職業安定法施行規則の一部改正
⑴ 添付書類の省略
労働者派遣事業の許可を受けた者が有料職業紹介事業の許可等の申請をするとき又は労働者派遣事業の許可申請をする者が有料職業紹介事業の許可の申請も同時にするとき等は、労働者派遣事業の手続の際に提出した書類、定款、寄付行為、登記事項証明書等の書類により証明できる場合に限り、添付することを要しないものとすることとされた。
⑵ 変更の届出
職業安定法第32条の7第1項の規定による届出等をしようする者は、当該届出書に登記事項証明書を添付すべき場合にあっては30日以内に、変更届出書を厚生労働大臣に提出するものとすることとされた。
11 労働契約申込みみなし制度
⑴ 第26条第1項及び第2項に定める就業条件の明示の方法等に関する規定は、平成24年改正後法第34条第3項の規定により労働契約の申込みをしたものとみなされることとなる旨の明示について準用することとされた。
⑵ 労働契約申込みみなしの対象となる意見聴取手続
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律(平成24年法律第27号)第2条の規定による改正後の法(以下「平成24年改正後法」という。)第40条の6第1項第3号の厚生労働省令で定める意見の聴取の手続は、次のとおりとすることとされた。
① 7の⑵の①の書面による通知
② 7の⑵の③の記載とその保存
③ 7の⑵の④の周知
⑶ 平成24年改正後法第40条の8第1項の規定による助言等に係る厚生労働大臣の権限を、労働者派遣事業を行う者の主たる事務所及び当該事業を行う事業所の所在地等を管轄する都道府県労働局長に委任するものとすること。
〔参考〕労働契約申込みみなし制度とは、平成24年改正で設けられた制度で、派遣先が違法派遣と知りながら派遣労働者を受け入れている場合、違法状態が発生した時点において、派遣先が派遣労働者に対して労働契約の申し込み(直接雇用の申し込み)をしたものとみなす制度である。なお、派遣元事業主は、派遣労働者に対し就業条件等の明示をするに当たっては、派遣先が違法派遣と知りながら派遣労働者を受け入れている場合には労働契約の申込みをしたものとみなされることとなる旨を併せて明示しなければならないこととされている。
上記は、その詳細を定めるもの(この制度については、平成2710月1日からの施行となっている)。
12 その他
その他必要な経過措置を定めるとともに所要の規定の整備を行うこととされた。
13 その他厚生労働省関係省令の一部改正
⑴ 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則の一部改正
① シルバー人材センターが行う労働者派遣事業の変更の届出について、法第5条第2項第4号に掲げる事項以外の変更の届出のうち、届出書に登記事項証明書を添付すべき場合については、届出書の提出期限を当該変更に係る事実のあった日の翌日から起算して10日以内から「30日以内」に変更することとされた。
② その他所要の改正を行うこと。
⑵ 建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則及び港湾労働法施行規則の一部改正
建設業務労働者就業確保事業又は港湾労働者派遣事業について、労働者派遣法施行規則の改正に伴い、これに合わせた改正を行うこととされた。
⑶ その他
その他厚生労働省関係省令について、所要の規定の整備を行うこととされた。