2017年4月30日日曜日

「仕事と介護の両立支援」制度が御社を救う②!

~介護休業制度編

御社独自の、御社の従業員に合った「仕事と介護の両立支援」制度を作ることが出来るかどうかは、御社の死活問題です。
制度しだいで、従業員の定着やパフォーマンスの発揮に大きな影響を与えます。

まず最初にやるべきこと

まずその前に手を付けなければならないことがあります。
それは、法定通りの介護休業や介護休暇制度を、しっかりと就業規則に定めること。
これらは、就業規則に定められていて当然。だって、会社の義務ですから。

法定の介護休業や介護休暇制度は、会社の都合で定めたりするものではありません。
すべての会社が必ず定め、就業規則に記載しなければなりません。
にも関わらず、未だに介護休業制度等を定めていない会社が多くあります。

まずは、法定の制度を整備し、御社の就業規則に定めることから始めましょう。

とくに、平成29年1月から、育児・介護休業法が大きく改正されています。
改正内容にあった就業規則になっていますか?

介護休業制度について

今回は、法律に定められた「介護休業」制度についてお話していきます。
これは、事業規模に関係なく、すべての会社で導入しなければなりません。
法律で定められたものは最低基準ですので、この法律よりも、従業員にとって有利なものは問題ありません。ですが、法律を下回るものは許されません。
そして、この「介護休業」制度については、平成29年1月に大きく改正されています。
古いままの制度では、法律の要件を満たしていないことになります。

では、一体どのような改正があったのでしょうか?
それは、介護休業が通算93日までを、3回に分けて取ることができるようになったこと。今までは、1回限り、最大93日まででした。
それが、法改正によって「通算93日まで、3回を上限として介護休業の分割取得が可能」となりました。

ところで、介護休業って、そもそも何? というところからお話していきます。
介護休業とは、従業員が要介護状態の対象家族を介護するための休業です。

「従業員」とは、

正社員はもちろん、パートやアルバイト、嘱託社員など、ほぼ全ての従業員が当てはまります。
ただし、期間の定めのある労働契約で働いているパートやアルバイトさんなどは、申し込み時点で、1年以上継続して働いている必要があります。
また、契約の更新がないことがハッキリしている方は、介護休業を取れない場合があります。
さらに、「入社1年未満の従業員」や「週の所定労働日数が2日以下の従業員」なども、労使協定を結べば、介護休業を取得させなくてもOKです。

「要介護状態の対象家族」について。

「対象家族」とは、配偶者・父母・子・配偶者の父母・祖父母・兄弟姉妹・孫となります。
※同居や扶養などの要件は必要ありません(法改正事項)

「要介護状態」とは

それは、「2週間以上、常時介護を必要とする状態」をいいます。
実際には、介護認定で「要介護2」以上の人が該当します。
ただ、まだ介護認定を受けていない人でも、一人で歩くことができない、一人でトイレができない等の判断基準が示されており、その判断基準に従って判断することができます。
また、過去に介護休業を取ったことがある人はどうなるのか? という問題もありますが、この辺のことは結構ややこしいので、個別で問い合わせたほうが良いと思います。

問い合わせ先は、各都道府県労働局の雇用環境・均等部へどうぞ。

介護休業の意味

それにしても、93日って短くない?
実は、介護休業の目的は、家族を介護することではないのです。
(介護は、平均で約5年続くといわれています。93日介護したからといって、どうにかなるものではありません!)
介護休業を使って、その間に、家族の介護をする体制を整えるのが目的です。
介護サービスの申込みや介護施設への入所のための手続きや準備期間として利用するための休業です。
仕事と介護の両立」のための体制を作るための期間です。
会社は、従業員に対して、この「介護休業」の意味をしっかりと伝えていく必要があります。
また、3回に分割して取れるようになったのは、介護の始まりの時期見取りの際、そして、その間にも1回取れるようにとの配慮です。

この介護休業を上手に使って、「仕事と介護の両立」を実現していきましょう。

会社は、「仕事と介護の両立」を支援していくことで、大切な従業員が辞めていくという最悪の事態を防ぐことに努めていきましょう。

2017年4月29日土曜日

知って役立つ労働法Q&A

 厚生労働省のホームページに「知って役立つ労働法Q&A]が載っておりましたので紹介します。

第1章 働き始める前に知っておきたいこと <解説編>

2章 働くときのルール <解説編>

3章 仕事をやめさせられるとき、やめるとき <解説編>

2017年4月21日金曜日

残業手当の要らない管理監督者と単なる役職者の区別基準


<ショッキングな事実>

現在企業で勤務している管理職の大半は、管理監督者ではありません。したがって、時間管理をきちんとして、残業手当や休日出勤手当も支給しなければなりません。
ところが、このことについては世間一般に大きな誤解があります。
最近も、弁当チェーンの店長だった30代の女性が、管理職であることを理由に残業代が支払われなかったのは不当だとして、会社に未払い残業代などを求める訴えを起こしたのに対して、裁判所はこの女性が管理監督者には当たらないとして、会社に約160万円の支払いを命じました。〔平成29年2月17日静岡地裁〕
いわゆる「名ばかり店長」というのは、責任だけが店長クラスで、権限と収入は平社員クラスなのだと思います。

<管理監督者といえるための最低限必要な条件>
管理監督者といえるかどうかは、その人の肩書ではなく、職務内容、責任、権限、勤務態様、待遇などの実態により判断されます。
少なくとも、次の3つの条件はすべて満たしていることが必要です。
・経営者と一体的な立場で仕事をしていること
・出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていないこと
・その地位にふさわしい待遇がなされていること

<経営者と一体的な立場で仕事をしていること>
労働者でありながら、経営者の業務を代行する立場にあり、経営者から管理監督、指揮命令について大きな権限を与えられています。他の社員の指示に従ったり、他の社員に決裁を仰ぐ必要があるというのでは、とうてい管理監督者とはいえません。
次のようなケースでは、この基準を満たしません。
・工場長の肩書だけで監督管理権がない
・人事や機密に関与せず経営を左右するような仕事ではない
・人事に関与することがあっても独自の決定権はない
・自部門の社員を統括し、採用にも関与するが、労働条件は経営者が決定する
・社員に対する懲戒処分の権限がない
・顧客とのトラブルについて示談の最終的な権限がない
・意見は言えるものの経営者とともに経営方針を決定する権限がない

<出社、退社や勤務時間について厳格な制限を受けていないこと>
管理監督者は、24時間、経営上の判断と対応を求められます。ですから、いつ会社に現れて、いつ去って行くかは、本人の判断に任されています。遅刻や早退によって、給与や賞与が減額されるというのでは、とうてい管理監督者とはいえません。
次のようなケースでは、この基準を満たしません。
・出退勤の時刻が会社に決められている
・タイムカードにより勤怠管理を受けている
(タイムカードを打刻しているだけでチェックを受けないのは良い)
・いつどの仕事をするかの時間配分を任されている

<その地位にふさわしい待遇がなされていること>
給与、賞与その他の待遇で、一般社員がどんなに頑張っても、つまりどんなに残業しても、どんなに高い評価を得ても、追いつけないレベルにあることが必要です。給与についていえば、新卒社員の初任給の4~5倍以上だと思われます。
スタッフ職であっても、他の部門の管理監督者と同等の地位にあり、給与、賞与が支給されるのでなければ、とうてい管理監督者とはいえません。
次のようなケースでは、この基準を満たしません。
・残業手当の多い部下よりも給与が少ない
・評価の高い部下よりも賞与が少ない
・他部署の一般社員よりも給与や賞与が少ないことがある

<名ばかり管理監督者の存在理由>
会社が管理監督者ではない社員を管理監督者扱いする理由は2つ考えられます。
まず、残業手当などをカットして人件費を削ることです。これは違法です。
もう一つは、何か大きな問題が発生したときに、名ばかり管理監督者に責任を押し付けてクビにすることで、その社員の上司が責任を回避できるようにすることです。こんなことをしても、マスコミやネットを通じて顧客や取引先には実態が伝わってしまい、会社の評判が落ちるだけです。

<人件費を削るなら>
次のようなことを推進すべきでしょう。特に、教育がいい加減な会社が目立ちます。たとえば、パソコンの表計算ソフトの使い方が、本人任せになっていて全くレベルアップしない人が多いようです。
・ダラダラとした時間や、なんとなくの休憩時間を解消する
・残業や休日出勤は自己判断ではなく会社からの命令によって行う
・具体的な教育訓練によって生産性を上げる
・能力や貢献度を適正に評価し給与や賞与に反映させる
(同期入社なら同額というのではダメ。できる社員ほどヤル気がなくなる。)
・状況によっては定額残業代を導入し正しく運用する
具体的に何をどうしたら良いのか、迷うところがあれば、信頼できる社労士にご相談ください。

社会保険の標準報酬改定通知書が届いたら何をすればよい?

<標準報酬改定通知書とは?>

社会保険(健康保険と厚生年金)では、被保険者が受け取る給与(基本給のほか残業手当や通勤手当などを含めた税引き前の給与)を、一定の幅で区分した報酬月額に当てはめて決定した標準報酬月額を保険料の計算に用います。
毎年9月に、4月から6月の報酬月額を基に、標準報酬月額の改定が行われます(定時決定)。
また、報酬月額に大幅な変動(標準報酬月額の2等級以上)があった場合で、一定の条件を満たした場合には、標準報酬月額の改定が行われます(随時改定)。
会社がこの随時改定の届出(月額変更届)を行うと、協会けんぽや健康保険組合から「標準報酬改定通知書」が交付されます。
これには被保険者ごとの新しい標準報酬月額が記載されています。会社では新しい標準報酬月額を基に社会保険料を計算し、給与から控除することになります。
また、対象者には改定前と改定後の保険料負担について、会社から通知を出しているでしょう。

<標準報酬月額についての法改正>

「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律」が平成27年5月29日に公布されたことにより、平成28年4月から健康保険の標準報酬月額の上限と累計標準賞与額の上限が変更になりました。
  • 健康保険法で現在の標準報酬月額の最高等級(47級・121万円)の上に3等級が追加され、上限が引き上げられました。
月額等級
標準報酬月額
報酬月額
第47級
1,210,000円
1,175,000円以上
1,235,000円未満
第48級
1,270,000円
1,235,000円以上
1,295,000円未満
第49級
1,330,000円
1,295,000円以上
1,355,000円未満
第50級
1,390,000円
1,355,000円以上

  • 健康保険法で年度の累計標準賞与額の上限が540万円から573万円に引き上げられました。

<法改正により会社に標準報酬改定通知書が届くケース>

今までは、月給や役員報酬が1,175,000円以上であれば、標準報酬月額は一律1,210,000円でした。
ところが、今回の法改正により、たとえば月給や役員報酬が1,300,000円であれば、標準報酬月額は1,210,000円から第49級の1,330,000円に変更となります。
このため、協会けんぽ管掌の健康保険が適用されている会社で、改定後の新等級に該当する被保険者がいる会社の事業主に対しては、平成28年4月中に管轄の年金事務所から「標準報酬改定通知書」が送られます。この通知書には、標準報酬月額の改定に際して、「事業主からの届出は不要」と書かれています。

<会社にこの標準報酬改定通知書が届いたら>

しかし、届出が不要とはいえ、会社が何もしなくてよいわけではありません。
通知書の対象者の標準報酬月額が変わったということは、これに連動して保険料が変わります。会社負担分と被保険者負担分の両方です。ですから、給与から控除する保険料も、4月分から変更となるのです。
給与計算にあたっては、控除額が変更となりますので注意しましょう。また、年度の累計標準賞与額の上限の変更も忘れないようにしましょう。
そしてもう一つ、対象者には改定前と改定後の保険料負担について、通知を出しておくことが必要でしょう。
念のため、財務・経理部門に予算組みに反映されているかの確認もしておけば万全です。

<自宅に届く標準報酬改定通知書とは?>

実は、厚生年金には別の「標準報酬改定通知書」があります。
ご夫婦が離婚に際して、年金分割を行った場合に届く書類です。手続を完了すると、最終的な年金分割の結果が「標準報酬改定通知書(離婚時の年金分割のお知らせ)」により通知されるのです。

従業員を雇ったら 法定三帳簿の作成義務


従業員を雇ったら、作成を義務付けられている書類があります。
労働者名簿と、賃金台帳、そして出勤簿です。

これらは、労務管理の法定三帳簿ともいわれます。
労働基準監督署の調査等のときには必ず確認される書類になりますので、最初からきちんと帳簿を作成しておいてください。

労働者名簿

労働者名簿は、各従業員について次の事項の記入が必要です。
  1. 氏名
  2. 生年月日
  3. 履歴
  4. 性別
  5. 住所
  6. 従事する業務の内容(常時30人未満の従業員の場合は、記入が不要)
  7. 雇入れの年月日
  8. 退職の年月日及びその事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由も含む)
  9. 死亡の年月日及びその原因

賃金台帳

賃金台帳は、次の事項を賃金支払いのつど遅滞なく記入します。
  1. 氏名
  2. 性別
  3. 賃金計算期間
  4. 労働日数
  5. 労働時間数
  6. 時間外労働時間数、休日労働時間数及び深夜労働時間数
  7. 基本給、手当その他賃金の種類ごとにその額
  8. 賃金の一部を控除した場合には、その額

出勤簿


出勤簿については、法律上の規定はありません。
しかし「労働時間、休憩、休日」について定める労働基準法第4章の趣旨に照らし、使用者は従業員の労働時間を適切に管理する責務があることから、従業員の勤務について適正に把握できる帳簿の整備が必要であると考えられています。
出勤簿やタイムカードやICカード等の記録がこれに当たります。

一般的な出勤簿等の記載事項

  1. 氏名
  2. 出勤日
  3. 出勤時刻、退勤時刻等
労働者名簿と賃金台帳、出勤簿やタイムカード等の記録はいずれも3年間の保存義務があります。

2017年4月14日金曜日

経団連 平成31年春入社の採用選考に関する指針を公表


 経団連は、今月10日、採用選考に関する指針を公表しました。これは、平成31年春入社の学生の就職活動の指針となるものです。
 これによると、就職活動の日程は、「3月に会社説明会解禁」、「6月に面接などの採用選考解禁」とされ、3年連続で同じ日程を維持することとされました。
 他方、これまで「5日間以上」と最低日数要件が定められてきたインターンシップ(就業体験)については、企業が柔軟かつ多様なプログラムを実施できるよう、その最低日数要件が削除されました。しかし、積極的に1日だけのインターンシップを認めるものではなく、「インターンシップ本来の趣旨を踏まえ、教育的効果が乏しく、企業の広報活動やその後の選考活動につながるような1日限りのプログラムは実施しないこと」という記述が追加されています。
 
 経団連は、「指針で規定している開始時期等の内容は、経団連会員企業だけに適用されるものとの理解が一般に蔓延しているが、政府は、経団連を含む約450の経済団体・業界団体に対し、指針に基づく活動開始時期の遵守や学事日程への配慮を要請している点に留意する必要がある。すべての企業が一定のルールに沿った秩序ある採用選考活動を行うことが、学生の学業や就職活動にとって望ましいという認識を共有し、行動することが求められる」としています。
 学生の新卒採用を考えている企業では、経団連会員企業に限らず、この指針に目を通しておいた方がよさそうですね。
 
詳しくは、こちらをご覧ください。
「公平・公正な採用の徹底」、「正常な学校教育と学習環境の確保」といった基本的な考え方も確認しておきましょう。
<採用選考に関する指針>
〔参考〕「採用選考に関する指針」の手引きの改定について

年度更新関係新様式公開(厚生労働省)

厚生労働省は、平成29年4月13日、平成29年4月以降に使用する労働保険関係の各種新様式を公開しました。

その中で労働保険料の年度更新関係の資料をまとめましたので参考にしてください。
(年度更新申告書計算支援ツール)
  • 年度更新申告書計算支援ツール(継続事業用) Excel2007 [423KB]  
  • 年度更新申告書計算支援ツール(継続事業用:雇用) Excel2007 [331KB]  
  • 年度更新申告書計算支援ツール(建設事業用) Excel2007 [1,480KB]  
年度更新申告書計算支援ツールのご利用にあたって
注1 本ツールの使用にあたっては、必ず事前に「利用方法・注意事項(必ずお読みください)」をご一読いただき、これらの内容について同意されない場合には使用をご遠慮ください。
注2 ご利用いただけない事業も一部ありますので、ご了承ください。また、計算結果については、必ず検算を行ってください。
注3 本ツールに関する個別のご相談・個々の動作環境に関するお問い合せには応じかねます。

2017年4月13日木曜日

厚労省 ポータルサイトに「働き方・休み方改善指標 活用事例集」を掲載


 厚生労働省は7日、働き方・休み方改善ポータルサイトに、「働き方・休み方改善指標 活用事例集(H28)」を掲載しました。
 「働き方・休み方改善指標」とは、自社の現状(実態)を把握するための指標で、これを用いて、実態の「見える化」を図りましょう、というものです。働き方・休み方の改善に向けた取組の手順なども説明されています。
<取組の手順>
①「働き方・休み方改善指標」による実態把握
本パンフレットに付属の「働き方・休み方改善指標」を使い現状(実態)を把握。
②課題分析・取組施策検討
実態を把握できたら、「働き方・休み方改善指標」の項目を参考に、長時間労働等の原因となっている課題を抽出し、改善する為の取組施策を検討し、同時に達成の為の目標を立てる。
③取組施策の実施
働き方・休み方の改善に向けて、施策を実施。
④経過観察・効果分析
施策を実施した後も再度「働き方・休み方改善指標」を活用する事で、取組の実施状況や効果を把握できる。

 「働き方・休み方改善指標活用事例集」は、上記の「働き方・休み方改善指標」による診断結果をふまえ、企業に対し実際に提案した「対応方策の例」を紹介するものです。対応方策検討の際の参考として活用して欲しいとのことです。

詳しくは、こちらをご覧ください。
<働き方・休み方改善指標>
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/0000139030.pdf
<働き方・休み方改善指標活用事例集(最新版)>
http://work-holiday.mhlw.go.jp/material/pdf/category1/170407_1.pdf

2017年4月12日水曜日

65歳超雇用推進助成金の改正


平成29年度予算の成立を受けて、本年4月1日から、65歳超雇用推進助成金の制度改正が行われ、それまでの高年齢者雇用安定助成金の助成内容を引き継ぎ、次の3コース制により実施することとされました。

・65歳超継続雇用促進コース
・高年齢者雇用環境整備支援コース
・高年齢者無期雇用転換コース

このうち、65歳超継続雇用促進コースについては、本年5月1日から助成額等の変更も行われます。

<平成29年度 高年齢者雇用に係る給付金の制度改正のご案内について>
≫ http://www.jeed.or.jp/elderly/topics/q2k4vk000000txi2-att/q2k4vk000000txko.pdf

2017年4月8日土曜日

キャリアアップ助成金が変わります 平成29年4月より

厚生労働省のキャリアアップ助成金と東京都の正規雇用転換促進助成金の助成金額と条件が変更になりましたので、ご確認ください。

1.キャリアアップ助成金
○平成29年4月1日から、キャリアアップ助成金は次のように変更となります。
1.これまでの3コースが8コースに変わります。
2.正社員化コースについて、正規雇用労働者に「多様な正社員(勤務地・職務限定・短時間正社員)」を追加
3.人材育成コースについて、1年度1事業所あたりの支給限度額が500万円から1,000万円に増額。4.新規に諸手当制度共通化コースを設定。
5.新規に選択的適用拡大導入時処遇改善コースを設定。
6.全てのコースに生産性要件が設定され、条件を満たせば増額されます。
正社員化コースの金額の変更
 多様な正社員が正規に含まれるようになり、金額が少し減額されました。
 一方、生産性要件が追加され、それを満たせば増額されます。
 〇変更前
 有期⇒正規:1人当たり60万円
 有期⇒無期:1人当たり30万円

 無期⇒正規:1人当たり30万円
 有期⇒多様な正社員:1人当たり40万円
 無期⇒多様な正社員1人当たり10万円
 多様な正社員⇒正規1人当たり20万円
 〇変更後<  >内は生産性要件を満たした場合)
 有期⇒正規:1人当たり57万円<72万円>
 有期⇒無期:1人当たり28.5万円<36万円>
 無期⇒正規:1人当たり28.5万円<36万円>

詳細は下記を参照

キャリアップ助成金が変わります。

生産性要件


2.東京都正規雇用転換促進助成金
・金額変更はありません。
・指導育成計画の提出義務の追加
・事業主名および転換した労働者の区分・人数の公表への同意

詳細は下記を参照

東京都正規雇用転換促進助成金のご案内

「東京都正規雇用転換促進助成金」に関する重要なお知らせ


2017年4月7日金曜日

「仕事と介護の両立支援」制度が御社を救う①!


「仕事と介護の両立支援」制度が御社を救う①!

家族の介護のために仕事を辞める、いわゆる「介護離職者」は年間10万人を超えています。この介護離職者の数は、年々増加傾向にあります。また、働きながら家族の介護を行っている人の数も、約240万人といわれています。

御社も、他人事とは言っていられません。
今のうちから、社員の「仕事と介護の両立」のために御社が何を行うべきか、きちんと考えておくべきでしょう。

介護離職は他人事?

75歳を過ぎると、介護を必要とする人が急速に増加します。
親が75歳ですと、その子供たちは40~50歳代が中心です。
40歳代・50歳代といえば、管理職中核的社員が多く占めているのではないでしょうか?
そのような御社にとって重要な人材が、突然、介護のために離職してしまったらどうしますか?
「今まで、介護休業を希望した社員など1人もいなかった」
「社内に、親の介護をしている社員はいない」
「部下から、介護にまつわる相談を受けたことがない」
だから、我が社は大丈夫!介護離職など有り得ない!
そんなふうに思っていませんか?
たとえ今現在、介護を行っている社員がいなかったとしても、いつ、御社の社員が介護に直面するかわかりません。
要介護認定者の数は600万人を超え、それは65歳以上の約18%にのぼります。
これだけの人が介護を必要としていて、御社の社員だけが介護に直面しないなど有り得ないことです。
40歳代以降の多くの社員が、介護に直面する可能性を抱えているのです。

介護を行っている従業員を把握するのは難しい!

また、たとえ介護を行っていても、社員は、会社にその事実を告げるとは限りません。
相談して来ないことのほうが多いかもしれません。
理由はいろいろあります。
  • 昇給や昇格にどのような悪影響があるかわからず言い出せない人。
  • 有給休暇を利用したり、配偶者等に介護を行ってもらっている人もいます。
  • 外部のサービスを利用して対応している人もいるでしょう。
  • 相談する先がなかったり、上司や同僚に話せる職場の雰囲気ではないから言い出せない人もいます。
  • また、男性の中には、家族や個人のことを職場に持ち込むべきでないという考えを持っている人もいます。
どの社員が介護を行っているのか、会社が把握することはとても難しいのです。
社員自ら言い出すことは期待できません。
会社に介護の事実を告げる時は、すでに退職を決めた後ということも多くあります。

介護による疲労蓄積から起こるパフォーマンス低下

また、たとえ介護離職をしなくても、仕事と介護の両立によって、社員の疲労は蓄積します。
それが、生産性やパフォーマンスの低下につながります。
介護期間は平均で5年、長い場合には10年を超えることもあり、先行きや見通しが立てにくいことも、精神的・肉体的疲労を蓄積させます。

仕事と介護の両立支援が御社を救う!

もうそろそろ、社員の「仕事と介護の両立のための支援」に真剣に取り組むべきではないですか?
仕事と介護の両立支援は、御社にとっての経営課題危機管理の1つではないでしょうか?
法定の介護休業制度等の整備だけでは足りません。
公的介護保険制度を利用してもまだ足りない。
やはり、企業としての両立支援の取組みが不可欠なのです。
御社の優秀な働き盛りの中核社員管理職に、きちんと成果を上げてもらい、間違っても、介護離職で人材を喪失することがないように、御社の取組みが重要な鍵を握っているのです。

2017年4月5日水曜日

平成29年度予算成立 社会保障関係費3割超 働き方改革関連予算拡大


 先月27日、平成29年度予算が成立しました。内容は、当初の政府案のとおりです。予算の年度内成立は2年連続。
 今回の予算は、一般会計総額が97兆4547億円と過去最大。年金、医療などの社会保障関係費が32兆4735億円に膨らみ、全体の3割超を占めています。
 防衛費も年々増加していますが、5兆1251億円となっています。社会保障関係に多くの予算を割いていることが分かります。

 安倍首相は、予算成立について会見を行い、その冒頭で、感謝の言葉に続き「今回の予算は未来を拓く予算であります。無事に成立したことから、来月から雇用保険料率が下がり、働く皆さんの手取りが増えます。4年連続の賃上げとともに経済の好循環を力強く回し、デフレからの脱出速度を上げていきたいと思っています。」と述べました。

 雇用保険料率は、予算が成立したことから、法改正などもスムーズに進むということで、会見のとおり、本年4月からの引き下げが事実上確定。労働者負担分は、1,000分の4から1000分の3になります。
 その他の社会保障関係費に目を向けると、育児休業給付の延長、働き方改革の推進などが図られます。
 一方、国民の負担が増える改正も行われます。たとえば、健康保険などの70歳以上の高額療養費制度について、患者負担の上限額が引き上げられます。

 「働き方改革の推進」には注目が集まります。その主要な施策を確認しておきましょう。
<主な施策>
① 生産性向上に向けた労働環境の整備
賃上げに向けた環境整備を支援するため、年功序列によらない能力評価制度を整え、賃金アップを図る企業への助成を創設。
予算:39 億円(新規)【労働保険特別会計】
② 長時間労働の是正
長時間労働の是正に資するよう、勤務間インターバルを自発的に導入する中小企業への支援を実施。
予算:4億円(新規)【労働保険特別会計】
③ 同一労働・同一賃金の実現
同一労働・同一賃金をはじめとした非正規雇用労働者の待遇改善のため、正社員転換や処遇改善などに取り組む企業を支援。
予算:670億円(28年度:410億円)【労働保険特別会計】
④ サービス等生産性向上IT導入支援事業
中小企業等の生産性向上を実現するため、バックオフィス業務等の効率化や新たな顧客獲得等の付加価値向上に資するITの導入を支援。
予算:100億円(28年度補正関連事業)【中小企業庁】

 今後、労働者や企業に資するための助成金などの詳細が続々と明らかになると思います。
 動向から目を離せません。
 
 平成29年度の社会保障関係予算の全体像については、こちらをご覧ください。
<社会保障関係予算>
http://www.mof.go.jp/budget/budger_workflow/budget/fy2017/seifuan29/13.pdf
<中小企業・小規模事業者関係予算>
http://www.meti.go.jp/main/yosan/yosan_fy2017/pdf/chushokigyo1.pdf

「働き方改革実行計画(案)」決定 時間外労働の上限規制は?

「働き方改革実行計画(案)」決定 時間外労働の上限規制は?

先月28日、第10回目の働き方改革実現会議が開催され、「働き方改革実行計画(案)」が決定されました。
この実行計画において、改革の柱といえる「時間外労働の上限規制」については、結局、どのような方向性が示されたのでしょうか?
以下で、そのポイントを紹介させていただきます。
<時間外労働の上限規制/労働基準法の改正の方向性のポイント>

●規制の内容
週40時間を超えて労働可能となる時間外労働の限度を、原則として、月45時間、かつ、年360時間とし、違反には以下の特例の場合を除いて罰則を課す。
特例として、臨時的な特別の事情がある場合として、労使が合意して労使協定を結ぶ場合においても、上回ることができない時間外労働時間を年720時間(=月平均60時間)とする。
かつ、年720時間以内において、一時的に事務量が増加する場合について、最低限、上回ることのできない上限を設ける。

この上限について、
・2か月、3か月、4か月、5か月、6か月の平均で、いずれにおいても、休日労働を含んで、80時間以内を満たさなければならないとする。
・単月では、休日労働を含んで100 時間未満を満たさなければならないとする。
・加えて、時間外労働の限度の原則は、月45時間、かつ、年360時間であることに鑑み、これを上回る特例の適用は、年半分を上回らないよう、年6回を上限とする。

他方、労使が上限値までの協定締結を回避する努力が求められる点で合意したことに鑑み、さらに可能な限り労働時間の延長を短くするため、新たに労働基準法に指針を定める規定を設けることとし、行政官庁は、当該指針に関し、使用者及び労働組合等に対し、必要な助言・指導を行えるようにする。

●現行の適用除外等の取扱い
・「自動車の運転業務」については、現行制度では限度基準告示の適用除外とされている。これに対し、今回は、罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法の一般則の施行期日の5年後に、年960時間(=月平均80時間)以内の規制を適用することとし、かつ、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設けることとする。
・「建設事業」については、限度基準告示の適用除外とされている。これに対し、今回は、罰則付きの時間外労働規制の適用除外とせず、改正法の一般則の施行期日の5年後に、罰則付き上限規制の一般則を適用する(ただし、復旧・復興の場合については、単月で100時間未満、2か月ないし6か月の平均で80時間以内の条件は適用しない)。併せて、将来的には一般則の適用を目指す旨の規定を設けることとする。
・「医師」については、時間外労働規制の対象とするが、医師法に基づく応召義務等の特殊性を踏まえた対応が必要である。具体的には、改正法の施行期日の5年後を目途に規制を適用することとし、医療界の参加の下で検討の場を設け、質の高い新たな医療と医療現場の新たな働き方の実現を目指し、2年後を目途に規制の具体的な在り方、労働時間の短縮策等について検討し、結論を得る。
・「新技術、新商品等の研究開発の業務」については、現行制度では適用除外とされている。これについては、専門的、科学的な知識、技術を有する者が従事する新技術、新商品等の研究開発の業務の特殊性が存在する。このため、医師による面接指導、代替休暇の付与など実効性のある健康確保措置を課すことを前提に、現行制度で対象となっている範囲を超えた職種に拡大することのないよう、その対象を明確化した上で適用除外とする。
規制の内容については、これまでの議論でまとめてきたとおりですね。「100時間未満」の部分が注目の的です。
適用除外等の取扱いについては、何とか取りまとめたという感じで、5年の猶予が目立ちますね。「働く人の視点に立って働き方改革を進める方向性を共有した上で、実態を踏まえて対応の在り方を検討する必要がある」ということで、実質的には今後の課題といえそうです。
しかし、「新技術、新商品等の研究開発の業務」については、“その対象を明確化した上で適用除外とする”と明言しています。裁量労働制の改正との関連性があるのかもしれませんね。

ひとまず、当面は、労働基準法の改正法案の国会への提出がいつ頃になるのかに注目です。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<働き方改革実行計画(案)>
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/hatarakikata/dai10/siryou1.pdf

「日本年金機構の平成29年度計画」 適用・徴収対策を強化


 今月29日に開催された「社会保障審議会:年金事業管理部会」において、「日本年金機構の平成29年度計画」が提示されました。
 その中には、「厚生年金保険・健康保険等の適用・徴収対策」、「国民年金保険料収納対策」を強化する内容が含まれています。
 たとえば、厚生年金保険・健康保険等の適用・徴収対策として、次のような「適用調査対象事業所の適用の促進」を図ることとされています。
●適用調査対象事業所の的確な把握→国税源泉徴収義務者情報、法人登記情報、雇用保険情報については、法人番号を活用したシステム突合せにより、適用調査対象事業所の効率的かつ的確な把握に努める。また、国税源泉徴収義務者情報の取得頻度を上げるとともに、新規営業許可申請時に許可行政庁によって把握された加入状況に関して得られた情報を活用することにより、事業所に対する早期の加入指導に努める。
●職員による適用調査対象事業所の加入指導及び立入検査の実施→国税源泉徴収義務者情報により把握した適用調査対象事業所については、実態調査の結果を踏まえ、被保険者となるべき従業員を雇用する事業所に対して、文書や訪問などを組み合わせた効果的な加入指導を行う。
特に、被保険者となるべき従業員が5人以上である事業所に対する取組を強化し、早期の適用の適正化を目指す。
また、ハローワーク、許可行政庁等から社会保険加入状況等の情報提供のあった事業所について、速やかな加入指導を実施する。 など

 国民年金保険料収納対策としては、次のように「強制徴収の着実な実施」を図ることとされています。
●強制徴収の着実な実施→一定の所得があり保険料免除や納付猶予、学生納付特例の対象とならない方が、保険料を長期間滞納している場合には、全員を強制徴収対象者と位置付けた上で、所得や納付の状況などを踏まえつつ、最終催告状を確実に送付し、それでも自主的に納付しない方について、滞納処分を実施する。
特に、平成29年度においては、控除後所得300万円以上かつ未納月数13月以上の滞納者(注)に督促を実施する。 など
(注)平成28年度の強制徴収の基準は「年間所得350万円以上で未納月数7か月以上」。これが、平成29年度からは「年間所得300万円以上で未納月数13か月以上」に変更されるということで、報道でも取り上げています。なお、この所得の基準は、400万円以上→350万円以上→300万円以上と引き下げられています。

 この計画について、審議会が了承しているとのこで、この計画に沿った適用・徴収対策の強化が進められることになる見通しです。

詳しくは、こちらをご覧ください。
<審議会資料/日本年金機構の平成29年度計画(案)修正箇所対照表>
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/taisyou.pdf
<審議会資料/社会保険の適用促進対策について>
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/tekiyo.pdf

日本年金機構 資格取得届などの様式についてお知らせ


 本年1月から、「健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届」については、健康保険組合加入の事業所において加入する健康保険組合に提出する場合は、個人番号の記入が必要で、協会けんぽ加入の事業所において日本年金機構(年金事務所)に提出する場合は、基礎年金番号の記入が必要(個人番号の記入欄のない旧様式を使用)、といった取り扱いがなされています。
 また、昨年10月の短時間労働者への適用拡大に伴って、「短時間労働者(3/4未満)」という被保険者の区別ができました。
 
 もろもろの改正・経過措置などが重なり、届出手続の取り扱いが複雑になっています。これらを考慮してか、日本年金機構は、今月30日、「健康保険・厚生年金保険の資格取得届、資格喪失届および健康保険被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)の様式はこちらをご覧ください。」というお知らせを公表しました。
 資格取得届、資格喪失届および健康保険被扶養者(異動)届について、現行の様式などが確認できます。
<健康保険・厚生年金保険の資格取得届、資格喪失届および健康保険被扶養者(異動)届(国民年金第3号被保険者関係届)の様式はこちらをご覧ください>
http://www.nenkin.go.jp/oshirase/taisetu/2017/201703/2017033002.html

子ども・子育て拠出金率 1,000分の2.3への引き上げが確定


 今月31日、「子ども・子育て支援法施行令の一部を改正する政令(平成29年政令第95号)」が官報に公布されました。
 この改正内容に「令第27条において規定されている拠出金率(子ども・子育て拠出金率)を現行の1,000 分の2.0から1,000 分の2.3に引き上げる」という内容が含まれています。これにより、平成29年度から、子ども・子育て拠出金率が「1,000分の2.3」に引き上げられます。
 4月分以降の納付額を計算する際、率の変更に注意しましょう。
〔確認〕子ども・子育て拠出金
厚生年金保険の被保険者を使用する事業主が、全額負担し納付する拠出金。児童手当の支給に要する費用などの財源となります。その額は、使用する被保険者個々の標準報酬月額及び標準賞与額に、「子ども・子育て拠出金率」を乗じて得た額の総額となります。
なお、その率の法定の上限は1,000 分の2.5とされており、その範囲内で、実際に適用する率を政令で定めることになっています。

厚労省よりお知らせ「平成29年度の雇用保険料率」


 今月31日、労働政策審議会雇用保険部会が開催され、平成29年度の雇用保険料率の引き下げが了承されました。
 予定どおり、本年4月1日から、引き下げられた雇用保険料率が適用される模様です。平成29年度の雇用保険料率は、一般の事業では1,000分の2引き下げられ、1,000分の9(労働者負担分1,000分の3/事業主負担分1,000分の6)となります。
 農林水産・清酒製造の事業及び建設の事業の率も、1,000分の2引き下げられます。

詳しくは、こちらをご覧ください。
<平成29年度の雇用保険料率>
http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-11607000-Shokugyouanteikyoku-Koyouhokenka/0000159614.pdf

日本年金機構からお知らせ 平成29年4月分からの年金額・在職老齢年金


 日本年金機構からもお知らせがありましたが、平成29年4月分(基本的に6月15日支払分)からの年金額は、法律の規定により、平成28年度から0.1%の引下げとなります。
 また、平成29年度以降の在職老齢年金に関して、60歳台前半(60歳~64歳)の「支給停止調整変更額」と、60歳台後半(65歳~69歳)と70歳以降の「支給停止調整額」が、法律に基づき、平成28年度までの47万円から「46万円」に改定されます。この改定により、在職老齢年金の支給停止額が増える(支給額が減る)方も出てきます。
 なお、60歳台前半の支給停止調整開始額(28万円)については変更ありません。
 従業員などから、「年金が少し減った」といった質問がありましたら、物価などの変動に応じた自動改定で、そもそもの年金額が0.1%引き下げられ、さらに、在職老齢年金の仕組みによる支給停止額の計算式の一部変更で、支給額が減る可能性がある旨を教えてあげるとよいでしょう。
詳しくは、こちらをご覧ください。
<平成29年4月分からの年金額について>
http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2017/2017040101.html
<在職老齢年金の詳しい計算方法(平成29年4月以降)>
http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2017/2017040102.html

厚労省 雇用促進税制についてお知らせ


 平成29年4月1日から、税制改正により「地方拠点強化税制」における雇用促進税制の制度内容が拡充されます。
 ローカルアベノミクスを推進する観点から、地方拠点強化税制の投資減税部分の控除率を維持するとともに、地方拠点での新規雇用者数に応じた税額控除制度について、無期・フルタイムの新規雇用に対する税額控除額を上乗せする等の措置を講ずるというものです。
 なお、通常の雇用促進税制については、制度の変更はありません。
 これを受けて、その改正を考慮したパンフレットや雇用促進計画の様式が、厚生労働省のホームページにアップされました。制度内容等については、下記のパンフレットをご覧ください。
<雇用促進計画提出の手続きパンフレット(平成29年度以降に適用年度が開始する場合)>
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000158989.pdf
雇用促進計画の様式については、こちらをご覧ください。
<雇用促進計画の様式>
http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudouseisaku/koyousokushinzei_youshiki.html

厚労省 無期転換ポータルサイトにモデル就業規則を公表


労働契約法の無期転換ルールに基づく無期転換申込みが、平成30年4月から本格的に行われます。
厚生労働省は、無期転換の受皿(転換後の社員区分)として、「多様な正社員」制度の活用を考えているようで、支援ツールの作成などを積極的に行っています。
その支援ツールの一つとして、無期転換制度や「多様な正社員」制度の導入の参考となる『モデル就業規則』も作成しています。
平成27年度には「小売業」と「飲食業」、平成28年度には「製造業」と「金融業」の4業種分のモデル就業規則が作成されました。

これらのモデル就業規則が、「有期契約労働者の無期転換ポータルサイト(厚生労働省)」において公表されました(本年3月31日公表)。

詳しくは、こちらをご覧ください。
導入支援策の最初に「1.無期転換制度や「多様な正社員」制度の導入の参考となるモデル就業規則を作成」として紹介されています。
<有期契約労働者の無期転換ポータルサイト/導入支援策>
≫ http://muki.mhlw.go.jp/policy/

 また、同サイトに、「多様な正社員」制度に関する事例集も公表されました。
 興味があれば、こちらもご覧ください。
<有期契約労働者の無期転換ポータルサイト/「多様な正社員」として働く方の事例集>
≫ http://muki.mhlw.go.jp/policy/diversity_pamph.pdf

平成29年度税制改正 法令を公布、パンフレットも


先月末日に、「所得税法等の一部を改正する等の法律(平成29年法律第4号)」など、平成29年度税制改正に関連する法令が官報に公布されました。
その内容を分かりやすくまとめたパンフレットが財務省から公表されています。
「配偶者控除・配偶者特別控除の見直し〔平成30年分以後の所得税について適用〕」など、今後改正される税制をチェックしておきたいところです。

 パンフレットについては、こちらをご覧ください。
<「平成29年度税制改正」(平成29年4月発行)>
≫ http://www.mof.go.jp/tax_policy/publication/brochure/zeisei17_pdf/zeisei17.pdf

「65歳超雇用推進マニュアル」を作成・公表


高齢・障害・求職者雇用支援機構 「65歳超雇用推進マニュアル」を作成・公表
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構より、「『65歳超雇用推進マニュアル』を作成しました」とのお知らせがありました。
「ニッポン一億総活躍プラン」(平成28年6月閣議決定)や「働き方改革実行計画」(平成29年3月働き方改革実現会議決定)において、将来的に継続雇用年齢や定年年齢の引上げを進めていくための環境整備を行っていくこととされています。
『65歳超雇用推進マニュアル』は、定年引上げ、継続雇用延長、定年制の廃止、高齢者の再就職受入れを進めていくために、企業の取組みを支援したり、企業への働きかけを進めたりしていくために作成されたものです。制度を見直すための「手順」の具体的な説明、企業事例の紹介のほか、企業の状況を知るためのチェックリストも用意されています。

同機構では、平成29年度から、このマニュアルを用いて、既に定年引上げなどを行っている企業事例の普及促進や、企業への働きかけなどを進めていくとのことです。

 詳しくは、こちらをご覧ください。
<『65歳超雇用推進マニュアル』を作成しました>
≫  http://www.jeed.or.jp/jeed/news/press/q2k4vk000000tt89-att/q2k4vk000000tt8y.pdf