2018年9月12日水曜日

「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」を公表

 厚生労働省から、「労働者の心身の状態に関する情報の適正な取扱いのために事業者が講ずべき措置に関する指針」が公表されました(平成30年9月7日公表)。

 この指針は、働き方改革関連法による改正後の労働安全衛生法に基づき策定されたもので、2019(平成31)年4月1日から適用されます。
 各事業者様におかれましては、この指針を参考にして、労働者の心身の状態に関する情報の取扱規程を策定する準備を進めておいたほうがよさそうです。
 この指針では、労働者の心身の状態の情報の取扱いに関する原則を明らかにし、事業者が策定すべき取扱規程の内容、策定の方法、運用などについて、とりまとめられています。
 詳しくは、こちらをご覧ください。

健康保険の被扶養者の届出 添付書類の取扱いなどを変更(日本年金機構)


日本年金機構から、平成30年10月1日以降に受け付ける「健康保険被扶養者(異動)届」について、添付書類の取扱いを変更するとのお知らせがありました。

併せて、「健康保険被扶養者(異動)届」の新様式も公表されています。


この変更は、厚生労働省から、日本国内にお住まいのご家族の方を被扶養者に認定する際の身分関係及び生計維持関係の確認について、申立てのみによる認定は行わず、証明書類に基づく認定を行うよう、事務の取扱いが示されたことから、届出に際して、所定の証明書類の添付を求めるものです。

なお、一定の要件を満たした場合には、書類の添付を省略することが可能となります。
【書類の添付の省略の例】
続柄の確認のための添付書類(戸籍謄(抄)本OR住民票)
次のいずれにも該当する場合は省略可
・被保険者と扶養認定を受ける方双方のマイナンバーが届書に記載されていること
・戸籍謄(抄)本または住民票により、扶養認定を受ける方の続柄が届書の記載と相違ないことを確認した旨を、事業主が届書に記載していること
収入の確認のための添付書類(課税証明書等の書類)
次の場合は省略可
・扶養認定を受ける方が、所得税法上の控除対象の配偶者または扶養親族であることを確認した旨を、事業主が届書に記載している場合
・16歳未満の場合
基本的には、マイナンバーを記載すれば、会社の方で所定の確認を行うことにより、多くの添付書類を省略できることになりそうです。
詳しくは、こちらをご覧ください。

2018年9月5日水曜日

同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台を提示 最高裁の判決も反映

 厚生労働省、平成30年8月30日に開催された「第9回労働政策審議会 職業安定分科会/雇用・環境均等分科会/同一労働同一賃金部会」の資料を公表しました(平成30年8月30日公表)。

 今回の合同部会では、「同一労働同一賃金ガイドライン」のたたき台が提示されました。
 同一労働同一賃金については、その実現に向けて、平成28年12月にガイドライン案が決定されました。
 今回示されたたたき台は、そのガイドライン案に、働き方改革関連法の付帯決議の内容や、平成30年6月の最高裁判決(長澤運輸事件)の内容を反映させたものです。

 最高裁判決を受けて、たたき台に追加された内容のポイントは、次のとおりです。
・有期雇用労働者が定年に達した後に継続雇用された者であることは、通常の労働者と当該有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理であるか否かを判断するに当たり「その他の事情」として考慮される事情に当たりうる。
・定年に達した後に引き続き有期雇用労働者として雇用する場合の待遇について、
①通常の労働者との間の差が一定の範囲にとどまっていること、
②老齢厚生年金の報酬比例部分の支給が開始されるまでの間、一定の上乗せが行われること、
③定年退職に関連して退職一時金や企業年金の支給を受けていること
などの様々な事情が総合考慮されて、通常の労働者と当該有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理であるか否かが判断されるものと考えられる。
※長澤運輸事件では、上記のような事情が総合考慮され、定年後に継続雇用された有期雇用労働者の賃金の低下は、不合理ではない(=合理的)とされました。
 厚生労働省では、年内にもガイドラインをまとめ、2019(平成31)年の春闘での議論に反映されることを目指すとのことです。今後の動向に注目です。

改正労働者派遣法~2015年改正から3年 連合が特設サイトを開設

連合(日本労働組合総連合会)が、
「知ろう!活かそう!改正労働者派遣法~2015年改正から3年」
という特設サイトを開設しました(平成30年9月3日公表)。

平成27(2015)年の改正で、次のようなルールが設けられました。
●派遣社員の受入れに関する「新しい期間制限のルール」を創設
●3年間同じ組織で働く派遣社員に対する「雇用安定措置」を派遣元に義務づけ
●派遣社員は、計画的な教育訓練やキャリアコンサルティングを受けることができる(派遣元において、派遣社員に対して計画的な教育訓練の実施やキャリアコンサルティング窓口の整備を行うことを義務化)
 派遣労働者向けのサイトですが、派遣会社(派遣元)はもちろんのこと、派遣労働者を受け入れている会社(派遣先)においても、知っておかなければならない内容といえます。
 特に「新しい期間制限のルール」は重要といえます(2018年10月以降、このルールが本格的にスタート)。派遣労働者を受け入れている場合は、必ず確認しておきましょう。

2018年9月1日土曜日

事務所通信2018年9月号をアップしました

事務所通信2018年9月号の内容は下記の通りです。
1.平成30年度の地域別最低賃金額改定の目安が公表されました。
2.長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導
3.いわゆるセクハラ・マタハラ等の防止対策の実施状況は?
4.お仕事カレンダー9月
2018年9月号はこちらをご覧ください。

過去の事務所通信はこちらをご覧ください。

2018年8月19日日曜日

年休を前倒しで付与した場合の年休時季指定義務の特例の概要を提示

厚生労働省から、平成30年8月9日に開催された「第145回労働政策審議会労働条件分科会」の資料が公表されました。その中で、平成31年4月1日から施行される「年次有給休暇の時季指定義務」について、年休を前倒しで付与した場合の特例に関する資料も公表されています。

 この特例は、省令(労働基準法施行規則)で規定することとされており、今回公表された資料では、省令の条文案に沿って、その内容が説明されています。
【確認】時季指定義務とは?
10日以上の年休が付与される労働者に対し、そのうち5日については、毎年、使用者が時
季を指定して取得させなければならないこととするもの。ただし、労働者の時季指定や計画
的付与によって労働者が取得した年休の日数分については、指定の必要はありません。
<年休を前倒しで付与した場合の特例の概要>
具体的には、次のように規定する案が示されています。
●年休の付与を入社日に前倒しする場合は、その入社日を起算日として1年間で年5日分、取得させなければならない。
●入社日に5日付与し、6か月後に残り5日を分割して付与するようなケースでは、年休の付与日数が10日に達した入社6か月経過後時点を起算日として、それから1年間を時季指定義務の履行期間とする。
なお、その場合で、入社から6か月を経過する前に労働者が取得した年休があれば、その日数を含めて5日までの時季指定でよい。  
●一方、全社的に起算日をそろえる場合は、年休の付与日が異なることで一時的に5日の時季指定義務の履行期間に重複が生じ、年休の取得状況の管理が複雑になることが考えられる。
そこで、「最初に10日の年休を付与した日から、1年以内にある新たに10日の年休を付与した日(全社的起算日)から1年を経過するまでの期間」の長さに応じた比例付与を認める。
労使ともに今回示された内容に特に異議はないようで、同省は平成30年9月にも、省令を改正し、この特例を規定する考えのようです。
詳しくは、こちらをご覧ください。
図解入りで丁寧に説明されています。

改正労働者派遣法の施行から平成30年9月30日で3年経過 注意点や問題点は?

 平成27(2015)年の労働者派遣法の改正から、平成30(2018)年9月30日で3年が経過します。 この改正で特に注意すべきは、「労働者派遣の期間制限の見直し」。

 従来は、秘書や通訳など専門性の高い26業務には期限制限を定めず、それ以外は最長3年とされていました。
 これが、この改正によって、同一の派遣労働者を同一の組織単位(いわゆる「課」など)で受け入れることができる期間が、業務に関係なく最長3年に一本化されました。
 その一方で、労働組合等の意見を聴取すれば、4年目以降もその組織単位に別の派遣労働者を受け入れることが可能とされました(なお、同じ派遣労働者を異なる組織単位で受け入れることは可能)。
 この改正の施行後3年を迎えるにあたって、派遣労働者を受け入れている企業におかれましては、期間制限のルールなどを再確認しておく必要があります。
 知らずに、何の手続きも踏まないまま3年を超えて派遣労働者を受け入れ続けているようなことがあれば、労働者派遣法違反ということになってしまいます。
 厚生労働省からも、再度の確認を促すリーフレットが公表されています。
 詳しくは、こちらをご覧ください。
<平成27年労働者派遣法改正法施行から3年を迎えるにあたっての確認事項【派遣先の皆様へ】 >

 なお、派遣労働者の立場で考えると、これを機に、派遣労働者の雇止め(派遣切り)が多発するのではないかという懸念がされています。
 派遣労働者を受け入れていた派遣先の企業が、その派遣労働者を直接雇用するのが理想ですが、次の〔参考〕のURLの資料にもあるように、事務的職業の有効求人倍率が0.45倍にとどまるなど、余剰感の強い職種もあります。
 そのような職種では、雇止めの発生は避けられないのではないかという見解もあります。