2018年9月5日水曜日

同一労働同一賃金ガイドラインのたたき台を提示 最高裁の判決も反映

 厚生労働省、平成30年8月30日に開催された「第9回労働政策審議会 職業安定分科会/雇用・環境均等分科会/同一労働同一賃金部会」の資料を公表しました(平成30年8月30日公表)。

 今回の合同部会では、「同一労働同一賃金ガイドライン」のたたき台が提示されました。
 同一労働同一賃金については、その実現に向けて、平成28年12月にガイドライン案が決定されました。
 今回示されたたたき台は、そのガイドライン案に、働き方改革関連法の付帯決議の内容や、平成30年6月の最高裁判決(長澤運輸事件)の内容を反映させたものです。

 最高裁判決を受けて、たたき台に追加された内容のポイントは、次のとおりです。
・有期雇用労働者が定年に達した後に継続雇用された者であることは、通常の労働者と当該有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理であるか否かを判断するに当たり「その他の事情」として考慮される事情に当たりうる。
・定年に達した後に引き続き有期雇用労働者として雇用する場合の待遇について、
①通常の労働者との間の差が一定の範囲にとどまっていること、
②老齢厚生年金の報酬比例部分の支給が開始されるまでの間、一定の上乗せが行われること、
③定年退職に関連して退職一時金や企業年金の支給を受けていること
などの様々な事情が総合考慮されて、通常の労働者と当該有期雇用労働者との間の待遇の相違が不合理であるか否かが判断されるものと考えられる。
※長澤運輸事件では、上記のような事情が総合考慮され、定年後に継続雇用された有期雇用労働者の賃金の低下は、不合理ではない(=合理的)とされました。
 厚生労働省では、年内にもガイドラインをまとめ、2019(平成31)年の春闘での議論に反映されることを目指すとのことです。今後の動向に注目です。

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