2015年9月30日水曜日

派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する件関係

派遣元事業主が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する件関係
● 労働者派遣契約の締結に当たって講ずべき措置に以下の項目を追加することとされた。
・派遣元事業主は、労働者派遣契約の締結に当たって、派遣先が労働者派遣の終了後に派遣労働者を雇用する意思がある場合には、当該意思を事前に派遣元事業主に示すこと、派遣元事業主が職業紹介を行うことができる場合には、派遣先は職業紹介により当該派遣労働者を雇用し、派遣元事業主に当該職業紹介に係る手数料を支払うこと等を定めるよう求めること。
● 労働者派遣契約の終了に当たって講ずべき事項を以下のとおり定めることとされた。
・派遣元事業主は、無期雇用派遣労働者の雇用の安定に留意し、労働者派遣が終了した場合において、労働者派遣の終了のみを理由として当該労働者派遣契約に係る無期雇用派遣労働者を解雇してはならないこと。
・派遣元事業主は、有期雇用派遣労働者の雇用の安定に留意し、労働者派遣契約の期間が終了した場合であって、当該労働者派遣契約に係る有期雇用派遣労働者との労働契約が継続しているときは、当該労働者派遣の終了のみを理由として当該有期雇用派遣労働者を解雇してはならないこと。
● 派遣先との連絡体制の確立について以下のとおりとすることとされた。
・派遣元事業主は、派遣労働者の就業の状況が労働者派遣契約の定めに反していないことの確認等を行うとともに、派遣労働者の適正な派遣就業の確保のために、情報提供を行う等により、派遣先との連絡調整を的確に行うこと。特に、労働基準法第36条第1項の時間外及び休日の労働に関する協定の内容等派遣労働者の労働時間の枠組みについては、情報提供を行う等により、派遣先との連絡調整を的確に行うこと。なお、協定の締結に当たり、労働者の過半数を代表する者の選出を行う場合には、労働基準法施行規則第6条の2の規定を踏まえ、適正に行うこと。
また、派遣元事業主は、割増賃金等の計算に当たり、その雇用する派遣労働者の実際の労働時間等について、派遣先に情報提供を求めること。
● 派遣労働者の雇用の安定及び福祉の増進等について以下のとおりとすることとされた。
1 無期雇用派遣労働者について留意すべき事項
・派遣元事業主は、無期雇用派遣労働者の募集に当たっては、無期雇用派遣労働者の募集であることを明示しなければならないこと。
2 特定有期雇用派遣労働者等について留意すべき事項
・派遣元事業主が、労働者派遣法第30条第2項の規定の適用を避けるために、業務上の必要性等なく同一の派遣労働者に係る派遣先の事業所その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務に係る労働者派遣の期間を3年未満とすることは、同項の趣旨に反する脱法的な運用であって、義務違反と同視できるものであり、厳に避けるべきものであること。
・派遣元事業主は、労働者派遣法第30条第1項(同条第2項の規定により読み替えて適用する場合を含む。以下同じ。)の措置(以下「雇用安定措置」という。)を講ずるに当たっては、当該措置の対象となる特定有期雇用派遣労働者等に対し、キャリア・コンサルティングや労働契約の更新の際の面談等の機会を利用し、又は電子メールを活用する等により、労働者派遣の終了後に継続して就業することの希望の有無及び希望する措置の内容を把握すること。
・派遣元事業主は、雇用安定措置を講ずるに当たっては、当該措置の対象となる特定有期雇用派遣労働者等の希望する措置を講ずるよう努めること。また、特定有期雇用派遣労働者が、同項第1号の措置を希望する場合には、派遣先での直接雇用が実現するよう努めること。
・派遣元事業主は、雇用安定措置を講ずるに当たっては、早期に対象となる特定有期雇用派遣労働者等の希望する措置の内容について聴取を行い、十分な時間的余裕をもって当該措置に着手すること。
3 労働契約法の適用について留意すべき事項
・派遣元事業主は、派遣労働者についても労働契約法の適用があることに留意すること。
・派遣元事業主が、その雇用する有期雇用派遣労働者について、当該有期雇用派遣労働者からの労働契約法第18条第1項の規定による期間の定めのない労働契約の締結の申込みを妨げるために、当該有期雇用派遣労働者に係る期間の定めのある労働契約の更新を拒否し、また空白期間を設けることは、脱法的な運用であること。
・有期雇用派遣労働者の通勤手当に係る労働条件が、期間の定めがあることにより同一の派遣元事業主と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の通勤手当に係る労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、職務の内容、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して不合理と認められるものであってはならないこと。
4 派遣労働者等の適性、能力、経験、希望等に適合する就業機会の確保等派遣元事業主は、派遣労働者又は派遣労働者になろうとする者(以下「派遣労働者等」という。)について、最も適合した就業の機会の確保を図るとともに、就業する期間及び日、就業時間、就業場所、派遣先における就業環境等について当該派遣労働者等の希望と適合するような就業機会を確保するよう努めなければならないこと。また、派遣元事業主は、労働者派遣法第30条の2の教育訓練等の措置を講じなければならないほか、就業機会と密接に関連する教育訓練の機会を確保するよう努めなければならないこと。
5 派遣労働者のキャリアアップ措置
・派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者に対し、労働者派遣法第30条の2第1項の教育訓練を実施するに当たっては、教育訓練計画に基づく教育訓練を行わなければならないこと。
・派遣元事業主は、派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し、労働契約の締結時までに教育訓練計画を周知するよう努めること。また、当該教育訓練計画に変更があった場合は、その雇用する派遣労働者に対し、速やかにこれを周知するよう努めること。
・派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者が教育訓練計画に基づく教育訓練を受けられるよう配慮しなければならないこと。特に、教育訓練計画の策定に当たっては、教育訓練の複数の受講機会を設け、又は開催日時や時間の設定について配慮する等により、可能な限り派遣労働者が受講しやすいようにすることが望ましいこと。
・派遣元事業主は、教育訓練計画に基づく教育訓練を実施するのみならず、更なる教育訓練を自主的に実施するとともに、当該教育訓練に係る派遣労働者の負担は実費程度とすることで、派遣労働者が受講しやすいようにすることが望ましいこと。
・派遣元事業主は、教育訓練を行った日時及び内容、労働者派遣の期間、その従事した業務の種類等を記載した書類を保存するよう努めること。
6 派遣先の労働者との均衡に配慮した取扱い
・派遣元事業主は、その雇用する派遣労働者の賃金の決定に当たっては、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準との均衡を考慮しつつ、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する一般の労働者の賃金水準又は当該派遣労働者の職務の内容、能力若しくは経験等を勘案するよう努めること。また、派遣元事業主は、派遣労働者の職務の成果、意欲等を適切に把握し、当該職務の成果等に応じた適切な賃金を決定するよう努めること。
・派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の賃金水準との均衡を考慮した結果のみをもって、当該派遣労働者の賃金を従前より引き下げるような取扱いは、労働者派遣法第30条の3第1項の趣旨を踏まえた対応とはいえないこと。
・派遣元事業主は、労働者派遣に関する料金の額に係る派遣先との交渉が当該労働者派遣契約に係る派遣労働者の待遇の改善にとって極めて重要であることを踏まえつつ、当該交渉に当たるよう努めること。
・派遣元事業主は、労働者派遣に関する料金の額が引き上げられた場合には、可能な限り、当該労働者派遣に係る派遣労働者の賃金を引き上げるよう努めること。
・派遣元事業主は、労働者派遣に係る業務を円滑に遂行する上で有用な物品の貸与や教育訓練の実施等を始めとする派遣労働者の福利厚生等の措置について、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事する派遣先に雇用される労働者の福利厚生等の実状を把握し、当該派遣先に雇用される労働者との均衡に配慮して必要な措置を講ずるよう努めること。
・派遣元事業主は、派遣労働者が労働者派遣法第31条の2第2項の規定に基づき説明を求めたことを理由として、不利益な取扱いをしてはならないこと。
7 同一の組織単位の業務への派遣
派遣元事業主が、派遣先の事業所等における組織単位の業務について継続して3年間同一の派遣労働者に係る労働者派遣を行った場合において、当該派遣労働者が希望していないにもかかわらず、当該労働者派遣の終了後3月が経過した後に、当該派遣先の同一の組織単位の業務に再度当該派遣労働者を派遣することは、派遣労働者のキャリアアップの観点から望ましくないこと。
● 情報の提供について以下を追加することとされた。
マージン率の情報提供に当たっては、常時インターネットの利用により広く関係者、とりわけ派遣労働者に必要な情報を提供することを原則とすること。また、労働者派遣の期間の区分ごとの雇用安定措置を講じた人数等の実績及び教育訓練計画については、インターネットの利用その他の適切な方法により関係者に情報提供することが望ましいこと。
● 派遣労働者の安全衛生について派遣元事業主と派遣先が密接に連携することについて定めることとされた。
● その他所要の規定の整備を行うこととされた。

 派遣先が講ずべき措置に関する指針の一部を改正する件関係
● 労働者派遣契約の終了後の直接雇用に関する事項を以下のとおり定めることとされた。
派遣先は、派遣元事業主の求めに応じ、労働者派遣の終了後に派遣労働者を雇用する意思がある場合には、当該意思を事前に派遣元事業主に示すこと、派遣元事業主が職業紹介を行うことができる場合には、職業紹介により当該派遣労働者を雇用し、派遣元事業主に当該職業紹介に係る手数料を支払うこと等の措置を労働者派遣契約に定め、当該措置を適切に講ずること。
● 適切な苦情の処理について以下のとおりとすることとされた。
・派遣先が適切かつ迅速な処理を図るべき苦情には、セクシュアルハラスメント、パワーハラスメント等が含まれることに留意すること。
・派遣先は、派遣労働者の苦情の処理を行うに際しては、派遣先の労働組合法上の使用者性に関する代表的な裁判例や中央労働委員会の命令に留意すること。また、派遣先は、派遣元事業主との連携を図るための体制等を労働者派遣契約において定めるとともに、派遣労働者の受入れに際し、その内容を派遣労働者に説明すること。さらに、派遣先管理台帳に苦情の申出を受けた年月日、苦情の内容及び苦情の処理状況について、苦情の申出を受け、及び苦情の処理に当たった都度、記載するとともに、その内容を派遣元事業主に通知すること。また、派遣労働者から苦情の申出を受けたことを理由として、当該派遣労働者に対して不利益な取扱いをしてはならないこと。
● 労働者派遣に関する料金の額を以下のとおり定めることとされた。
派遣先は、労働者派遣に関する料金の額の決定に当たっては、当該派遣労働者の賃金水準が、当該派遣労働者の従事する業務と同種の業務に従事している労働者の賃金水準と均衡が図られたものとなるよう努めなければならないこと。また、派遣先は、労働者派遣契約の更新の際の労働者派遣に関する料金の額の決定に当たっては、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者の就業の実態及び労働市場の現状に加え、当該派遣労働者が従事する業務の内容、当該業務に伴う責任の程度、当該派遣労働者に要求する技術水準の変化を勘案するよう努めなければならないこと。
● 教育訓練・能力開発について以下のとおりとすることとされた。
派遣先は、その指揮命令の下に労働させる派遣労働者に対して労働者派遣法第40条第2項の教育訓練を実施するよう配慮するほか、派遣元事業主が労働者派遣法第30条の2第1項の教育訓練を実施するに当たり、派遣元事業主から求めがあったときは、派遣元事業主と協議等を行い、派遣労働者が当該教育訓練を受けられるよう可能な限り協力するほか、必要に応じた当該教育訓練に係る便宜を図るよう努めなければならないこと。派遣元事業主が行うその他の教育訓練、派遣労働者の自主的な能力開発等についても同様とすること。
● 派遣元事業主との労働時間等に係る連絡体制の確立に以下の内容を追加することとされた。
派遣先は、適正に把握した実際の労働時間等について、派遣元事業主に正確に情報提供すること。
● 労働者派遣の役務の提供を受ける期間の制限の適切な運用について以下のとおりとすることとされた。
派遣先は、労働者派遣法第40条の2及び第40条の3の規定に基づき派遣労働者による常用労働者の代替の防止と派遣就業を望まない派遣労働者が派遣就業に固定化されることの防止を図るため、次に掲げる基準に従い、事業所等ごとの業務について、派遣元事業主から労働者派遣法第40条の2第2項の派遣可能期間を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならず、また、事業所等における組織単位ごとの業務について、派遣元事業主から3年を超える期間継続して同一の派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受けてはならないこと。
・事業所等については、工場、事業所、店舗等、場所的に他の事業所その他の場所から独立していること、経営の単位として人事、経理、指導監督、労働の態様等においてある程度の独立性を有すること、一定期間継続し、施設としての持続性を有すること等の観点から実態に即して判断すること。 
・事業所等における組織単位については、労働者派遣法第40条の3の期間制限の目的が、派遣労働者がその組織単位の業務に長期間にわたって従事することによって派遣就業を望まない派遣労働者が派遣就業に固定化されることを防止することにあることに留意しつつ判断すること。すなわち、課、グループ等の業務としての類似性や関連性がある組織であり、かつ、その組織の長が業務の配分や労務管理上の指揮監督権限を有するものであって、派遣先における組織の最小単位よりも一般に大きな単位を想定しており、名称にとらわれることなく実態により判断すべきものであること。ただし、小規模の事業所等においては、組織単位と組織の最小単位が一致する場合もあることに留意すること。
・派遣先は、労働者派遣の役務の提供を受けた当該派遣先の事業所等ごとの業務について、新たに労働者派遣の役務の提供を受ける場合には、当該新たな労働者派遣の開始と当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣の終了との間の期間が3月を超えない場合には、当該派遣先は、当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣から継続して労働者派遣の役務の提供を受けているものとみなすこと。 
・派遣先は、労働者派遣の役務の提供を受けていた当該派遣先の事業所等における組織単位ごとの業務について同一の派遣労働者に係る新たな労働者派遣の役務の提供を受ける場合には、当該新たな労働者派遣の開始と当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣の終了との間の期間が3月を超えない場合には、当該派遣先は、当該新たな労働者派遣の役務の受入れの直前に受け入れていた労働者派遣から継続して労働者派遣の役務の提供を受けているものとみなすこと。 
・派遣先は、当該派遣先の事業所等ごとの業務について派遣元事業主から3年を超えて期間労働者派遣の役務の提供を受けようとする場合において、労働者派遣法第40条の2第3項の規定による派遣可能期間の延長に係る手続を回避することを目的として、当該労働者派遣の終了後3月が経過した後に再度当該労働者派遣の役務の提供を受けるような、実質的に派遣労働者の受入れを継続する行為は、同項の趣旨に反するものであること。 
● 派遣可能期間の延長に係る意見聴取の適切かつ確実な実施について以下のとおりとすることとされた。
・派遣先は、当該派遣先の事業所等の過半数労働組合等に対し、派遣可能期間を延長しようとする際に意見を聴くに当たっては、派遣先の事業所等の業務について、意見聴取の際に過半数労働組合等が意見を述べるに当たり参考となる資料を過半数労働組合等に提供するものとすること。また、派遣先は、意見聴取の実効性を高める観点から、過半数労働組合等からの求めに応じ、部署ごとの派遣労働者の数等に係る情報を提供することが望ましいこと。
・派遣先は、過半数労働組合等に対し意見を聴くに当たっては、十分な考慮期間を設けること。
・派遣先は、派遣可能期間を延長することに対して過半数労働組合等から異議があった場合には、当該意見に関する対応を説明するに際し、当該意見を勘案して派遣可能期間の延長について再検討を加える等により、過半数労働組合等の意見を十分に尊重するよう努めること。
・派遣先は、派遣可能期間を延長する際に過半数労働組合等から異議があった場合において、当該延長に係る期間が経過した場合にこれを更に延長しようとするに当たり、再度、過半数労働組合等から異議があったときは、当該意見を十分に尊重し、当該派遣可能期間の延長の中止又は当該延長する期間の短縮、受入れ人数の減少等の対応方針を採ることについて検討し、その結論をより一層丁寧に過半数労働組合等に説明しなければならないこと。
・派遣先は、派遣可能期間を延長しようとする場合の過半数労働組合等からの意見の聴取及び過半数労働組合等が異議を述べた場合の当該過半数労働組合等に対する派遣可能期間の延長の理由等の説明を行うに当たっては、誠実にこれらを行うよう努めなければならないものとすること。
● 派遣労働者の安全衛生について派遣元事業主と派遣先が密接に連携することについて定めることとされた。
● その他所要の規定の整備を行うこととされた。

〔参考〕その他、本日(9月29日)付けの官報に、次のような告示も公布され、必要な事項が定められた。
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則第条の号の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準を定める件(平成27厚生労働省告示第391
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律施行規則第29条のの規定に基づき厚生労働大臣が定める講習を定める件(平成27厚生労働省告示第392
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係告示の整理に関する告示を定める件(平成27厚生労働省告示第395

これらの政省令等は、労働契約申込みみなし制度に関する規定を除き、
平成27年9月30日から施行される
(労働契約申込みみなし制度に関する規定は、
平成27年10月1日から施行される)

労働者派遣法の改正2(厚生労働省関係省令の整備等及び経過措置に関する省令関係)

  労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律等の一部を改正する法律の施行に伴う厚生労働省関係省令の整備等及び経過措置に関する省令関係
1 労働者派遣事業の許可
⑴ 許可の申請等の添付書類
労働者派遣事業の許可の申請を受けようとする者等が添付する書類に、5⑴の派遣元責任者講習を修了したことを証する書類、派遣労働者のキャリア形成支援に関する規程及び派遣労働者の解雇に関する規程を追加することとされた。
⑵ 労働者派遣事業の許可の基準
労働者派遣事業の許可の基準のうち、改正法による改正後の労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「法」という。)第7条第1項第2号の厚生労働省令で定める基準(申請者が当該事業の派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして厚生労働省令で定める基準)は、次のとおりとすることとされた。
① 派遣労働者のキャリア形成支援制度(厚生労働大臣が定める基準を満たすものに限る。)を有すること。
② ①のほか、派遣労働者に係る雇用管理を適正に行うための体制が整備されていること。
⑶ 変更の届出
法第5条第2項第4号(派遣元責任者の氏名及び住所)に掲げる事項以外の変更の届出のうち、届出書に登記事項証明書を添付すべき場合については、申請書の提出期限を当該変更に係る事実のあった日の翌日から起算して10日以内から「30日以内」に変更することとされた。
⑷ 特定労働者派遣事業の廃止
特定労働者派遣事業に関する規定を削除することとされた。
2 労働者派遣事業
⑴ 事業報告書
① 事業報告書の提出期限を、全て毎年6月30日とすることとされた。
② 事業報告書に記載する事項として、雇用安定措置の実施状況、キャリアアップ措置の実施内容等を追加することとされた
⑵ 労働者派遣契約
① 法第26条第1項第2号の厚生労働省令で定める区分(派遣労働者が労働者派遣に係る労働に従事する組織単位に係る労働者の配置の区分であって、厚生労働省令で定めるもの)は、名称のいかんを問わず、労働者の配置の区分であって、配置された労働者の業務の遂行を指揮命令する職務上の地位にある者が当該労働者の業務の配分及び労務管理に関して直接の権限を有するものとすることとされた。
② 法第26条第1項第10号の厚生労働省令で定める労働者派遣契約で定めるべき事項として、次のものを追加することとされた。
ア 労働者派遣の役務の提供の終了後、当該労働者派遣に係る派遣労働者を派遣先が雇用する場合にあらかじめ派遣元事業主に通知すること、手数料を支払うことその他の派遣元事業主と派遣先との間で紛争が生じないようにするために講ずる措置
イ 派遣労働者を無期雇用派遣労働者又は60歳以上の者に限定するか否かの別
③ 法第26条第2項第3号の厚生労働省令で定める措置(海外派遣に係る労働者派遣契約に定める措置のうち、厚生労働省令で定めるもの)に、次のものを追加することとされた。
ア 法第40条第2項に規定する派遣労働者に対する教育訓練の実施に係る配慮
イ 法第40条第3項に規定する福利厚生施設の利用の機会の付与に係る配慮
ウ 法第40条第5項に規定する賃金水準に関する情報の提供その他の措置に係る配慮
エ 法第40条の4に規定する派遣労働者の雇用に関する事項に関する措置
オ 法第40条の5の労働者の募集に係る事項の周知
3 雇用安定措置
⑴ 特定有期雇用派遣労働者等
① 法第30条第1項の同一の組織単位の業務について継続して1年以上の期間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがあるものとして厚生労働省令で定めるものは、派遣先の事業所その他派遣就業の場所(以下「事業所等」という。)における同一の組織単位の業務について継続して1年以上の期間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがある者であって、当該労働者派遣の役務の提供の終了後も引き続き就業することを希望しているもの(法第40条の2第1項各号に掲げる労働者派遣に係る派遣労働者を除く。)とすることとされた。
② ①の派遣労働者の希望は、派遣元事業主が当該派遣労働者の役務の提供が終了する日の前日までに派遣労働者に対して聴取するものとすることとされた。
③ 法第30条第1項のその他雇用の安定を図る必要性が高いと認められる者として厚生労働省令で定めるものは、当該派遣元事業主に雇用された期間が通算して1年以上である有期雇用派遣労働者(①に該当する者を除く。)とすることとされた。
④ 法第30条第1項の派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者であって雇用の安定を図る必要性が高いと認められるものとして厚生労働省令で定めるものは、当該派遣元事業主に雇用された期間が通算して1年以上である派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者とすることとされた。
〔解説〕法第30条第1項では、「派遣元事業主は、その雇用する有期雇用派遣労働者(期間を定めて雇用される派遣労働者をいう。以下同じ。)であって派遣先の事業所その他派遣就業の場所における同一の組織単位の業務について継続して1年以上の期間当該労働者派遣に係る労働に従事する見込みがあるものとして厚生労働省令で定めるもの(以下「特定有期雇用派遣労働者」という。)その他雇用の安定を図る必要性が高いと認められる者として厚生労働省令で定めるもの又は派遣労働者として期間を定めて雇用しようとする労働者であって雇用の安定を図る必要性が高いと認められるものとして厚生労働省令で定めるもの(以下この項において「特定有期雇用派遣労働者等」という。)に対し、厚生労働省令で定めるところにより、同項の各号の措置を講ずるように努めなければならない。」とされている。
上記は、その詳細を定めるものである。
なお、同項の各号の措置とは、次の措置であり、その詳細は、次の⑵⑶で定められている。
1号 派遣先に対し、特定有期雇用派遣労働者に対して労働契約の申込みをすることを求めること。
2号 派遣労働者として就業させることができるように就業(その条件が、特定有期雇用派遣労働者等の能力、経験その他厚生労働省令で定める事項に照らして合理的なものに限る。)の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。
3号 派遣労働者以外の労働者として期間を定めないで雇用することができるように雇用の機会を確保するとともに、その機会を特定有期雇用派遣労働者等に提供すること。
4号 前3号に掲げるもののほか、特定有期雇用派遣労働者等を対象とした教育訓練であって雇用の安定に特に資すると認められるものとして厚生労働省令で定めるものその他の雇用の安定を図るために必要な措置として厚生労働省令で定めるものを講ずること。
⑵ 雇用安定措置の実施
① 派遣元事業主は、法第30条第1項各号の措置を講ずるに当たっては、そのいずれかの措置を講ずるように努めるものとすることとされた。
② 派遣元事業主は、法第30条第2項の規定により読み替えて適用する同条第1項の措置を講ずるに当たっては、そのいずれかの措置を講じなければならないものとすることとされた。ただし、同項第1号の措置の対象となった特定有期雇用派遣労働者が当該派遣先に雇用されなかった場合には、同項第2号から第4号までのいずれかの措置を講じなければならないものとすることとされた。
⑶ 雇用安定措置の内容
① 法第30条第1項第2号の厚生労働省令で定める事項は、特定有期雇用派遣労働者等の居住地、従前の職務における待遇その他派遣労働者の配置に関して通常考慮すべき事項とすることとされた。
② 法第30条第1項第4号の厚生労働省令で定める教育訓練は、新たな就業の機会を提供するまでの間に行われる教育訓練であって、当該教育訓練を受ける期間、当該特定有期雇用派遣労働者等に対し賃金が支払われて行われるものとすることとされた。
③ 法第30条第1項第4号の厚生労働省令で定める措置は、次のとおりとすることとされた。
ア ②の教育訓練
イ 派遣元事業主が職業安定法その他の法律の規定による許可を受けて、又は届出をして職業紹介を行うことができる場合にあっては、特定有期雇用派遣労働者等を紹介予定派遣の対象とし、又は紹介予定派遣に係る派遣労働者として雇い入れること。
ウ その他当該特定有期雇用派遣労働者等の雇用の継続が図られると認められる措置
4 労働・社会保険の適用促進
⑴ 待遇に関する事項等の説明
法第31条の2第1項の厚生労働省令で定める事項(派遣元事業主が派遣労働者として雇用しようとする労働者に対し説明しなければならない事項のうち、厚生労働省令で定める事項)に、健康保険法に規定する被保険者の資格の取得の見込み等に関する事項を追加することとされた。
⑵ 派遣先及び派遣労働者への通知等
① 派遣元事業主は、第27条の2第1項各号に掲げる書類(当該労働者派遣に係る派遣労働者に関する健康保険等の被保険者資格取得届)が提出されている派遣労働者に係る労働者派遣をする場合には、派遣先に対し、当該書類が提出されていることを証する書類の提示等を行わなければならず、労働者派遣を開始した後に当該書類が提出されることとなった場合も同様とすることとされた。
② 派遣元事業主は、第27条の2第1項各号に掲げる書類が提出されていない場合には、その具体的な理由を当該派遣労働者に対して明示しなければならないものとすることとされた。
5 その他の派遣元事業主が講ずべき措置
⑴ 派遣元責任者の基準
法第36条の厚生労働省令で定める基準(派遣元責任者に係る厚生労働省令で定める基準)は、過去3年以内に派遣労働者に係る雇用管理の適正な実施のために必要な知識を習得させるための講習として厚生労働大臣が定めるもの修了していることとすること。
⑵ 派遣元管理台帳に記載する事項
① 法第37条第1項第9号の厚生労働省令で定める教育訓練は、法第30条の2第1項の規定による教育訓練とすることとされた。
② 法第37条第1項第12号の厚生労働省令で定める事項に法第30条の2第2項の規定による援助の日時及びその内容を追加することとされた。
6 均衡待遇の推進
⑴ 派遣先の教育訓練の実施の配慮の例外
法第40条第2項の厚生労働省令で定める場合は、当該教育訓練と同様の訓練を派遣元事業主において既に実施された場合又は実施することが可能である場合とすることとされた。
⑵ 業務の円滑な遂行に資する福利厚生施設
法第40条第3項の厚生労働省令で定める福利厚生施設は、次のとおりとすることとされた。
① 給食施設
② 休憩室
③ 更衣室
⑶ 派遣労働者の賃金の適切な決定のため派遣先が講ずるように配慮すべき措置
法第40条第5項の厚生労働省令で定める措置は、次のとおりとすることとされた。
① 派遣先がその指揮命令の下に労働させる派遣労働者が従事する業務と同種の業務に従事する当該派遣先に雇用される労働者等の賃金水準に関する情報の提供
② 派遣先がその指揮命令の下に労働させる派遣労働者と同種の業務に従事する労働者の募集に係る事項(賃金に係る情報に関する部分に限る。)の提供
③ そのほか法第30条の3第1項の規定により派遣労働者の賃金が適切に決定されるようにするために必要な措置
7 期間制限
⑴ 期間制限の対象外
法第40条の2第1項第2号の厚生労働省令で定める者は、60歳以上の者とすることとされた。
〔解説〕法第40条の2第1項により、派遣先は、当該派遣先の事業所等ごとの業務について、派遣元事業主から派遣可能期間(3年:延長可)を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けてはならないこととされた。
ただし、当該労働者派遣が無期雇用派遣労働者に係る労働者派遣等のほか、厚生労働省令で定める者に係る労働者派遣であるときは、この限りでないこととされ。この厚生労働省で定める者が、上記のように「60歳以上の者」とされた。
⑵ 過半数労働組合等からの意見聴取手続
① 法第40条の2第4項の規定により過半数労働組合又は過半数代表(以下「過半数労働組合等」という。)の意見を聴くに当たっては、当該過半数労働組合等に次に掲げる事項を書面により通知するものとすることとされた。
ア 派遣可能期間を延長しようとする事業所等
イ 延長しようとする期間
② 過半数代表者は、次のいずれにも該当する者とすることとされた。ただし、アに該当する者がいない事業所等にあっては、過半数代表者はイに該当する者とすること。
ア 労働基準法第41条第2号に規定する監督又は管理の地位にある者でないこと。
イ 法第40条の2第4項の規定により意見を聴取される者を選出することを明らかにして実施される投票、挙手等の民主的な方法による手続により選出された者であること。
③ 派遣先は、法第40条の2第4項の規定により意見を聴いた場合には、次に掲げる事項を書面に記載し、当該事業所等ごとの業務について延長前の派遣可能期間が経過した日から3年間保存するものとすることとされた。
ア 意見を聴いた過半数労働組合の名称又は過半数代表者の氏名
イ 過半数労働組合等に通知した事項及び通知した日
ウ 過半数労働組合等から意見を聴いた日及び当該意見の内容
エ 意見を聴いて延長する期間を更新したときは、その更新した期間
④ 派遣先は、③のアからエまでの事項を、次のいずれかの方法によって当該事業所等の労働者に周知するものとすることとされた。
ア 常時当該事業所等の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること。
イ 書面を労働者に交付すること。
ウ 電子計算機に備えられたファイル等に記録し、かつ、事業所等に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。
⑶ 過半数組合等への説明その他の派遣可能期間の延長に当たって事項
① 法第40条の2第5項の厚生労働省令で定める事項は、次のとおりとすることとされた。
ア 派遣可能期間の延長の理由及びその期間
イ 法第40条の2第4項の規定による過半数労働組合等の意見への対応に関する方針
② 派遣先は、法第40条の2第5項の規定により過半数労働組合等に対して行った説明の日及びその内容を書面に記載し、当該事業所等ごとの業務について延長前の派遣可能期間が経過した日から3年間保存するものとすることとされた。
③ 派遣先は、②の事項を、⑵の④のいずれかの方法によって当該事業所等の労働者に周知するものとすることとされた。
④ 不利益取扱の禁止
派遣先は、過半数代表者として正当な行為をしたこと等を理由として当該者に対して不利益な取扱いをしないようにすることとされた。
⑤ 派遣可能期間の延長の際の通知
法第40条の2第7項の規定による通知は、同項の規定により通知すべき事項に係る書面の交付等により行うものとすることとされた。
〔解説〕法第40条の2第2項以下により、派遣先は、当該派遣先の事業所等ごとの業務について、派遣元事業主から年を超える期間継続して労働者派遣の役務の提供を受けようとするときは、当該派遣先の事業所等ごとの業務に係る労働者派遣の役務の提供が開始された日以後当該事業所等ごとの業務について意見聴取期間に、年を限り、派遣可能期間を延長することができることとされた。そして、派遣先は、派遣可能期間を延長しようとするときは、意見聴取期間に、過半数労働組合等の意見を聴かなければならないこととされ
  また、派遣先は、意見を聴かれた過半数労働組合等が異議を述べたときは、当該事業所等ごとの業務について、延長前の派遣可能期間が経過することとなる日の前日までに、当該過半数労働組合等に対し、派遣可能期間の延長の理由等について説明しなければならないこととされ
  上記⑵⑶は、その詳細を定めるものである。
8 特定有期雇用派遣労働者の雇用等
⑴ 特定有期雇用派遣労働者の雇用
法第40条の4の厚生労働省令で定める者は、法第30条第1項第1号の措置が講じられた者とすることとされた。
〔解説〕法第40条の4により、派遣先は、当該派遣先の事業所等における組織単位ごとの同一の業務について派遣元事業主から継続して年以上の期間同一の特定有期雇用派遣労働者に係る労働者派遣の役務の提供を受けた場合において、引き続き当該業務に労働者を従事させるため労働者を雇い入れようとするときは、当該業務に従事した特定有期雇用派遣労働者(継続して就業することを希望する者として厚生労働省令で定めるものに限る。)を、遅滞なく、雇い入れるように努めなければならないこととされ
  上記は、その詳細を定めるものである。
  なお、上記の法第30条第1項第1号の措置とは、「派遣先に対し、特定有期雇用派遣労働者に対して労働契約の申込みをすることを求めること」である。
⑵ 派遣先に雇用される労働者の募集に係る事項の周知
法第40条の5第2項の厚生労働省令で定めるものは、法第30条第2項の規定により読み替えて適用する同条第1項第1号の措置が講じられた者とすることとされた。
 派遣先管理台帳
⑴ 派遣先管理台帳に記載すべき教育訓練
法第42条第1項第9号の厚生労働省令で定めるものは、次のとおりとすることとされた。
① 業務の遂行の過程内における実務を通じた実践的な技能及びこれに関する知識の習得に係る教育訓練であって計画的に行われるもの
② 業務の遂行の過程外において行われる教育訓練
⑵ その他派遣先管理台帳に記載すべき事項
法第42条第1項第10号の厚生労働省令で定める事項に、派遣労働者が派遣就業する組織単位を追加することとされた。
10 職業安定法施行規則の一部改正
⑴ 添付書類の省略
労働者派遣事業の許可を受けた者が有料職業紹介事業の許可等の申請をするとき又は労働者派遣事業の許可申請をする者が有料職業紹介事業の許可の申請も同時にするとき等は、労働者派遣事業の手続の際に提出した書類、定款、寄付行為、登記事項証明書等の書類により証明できる場合に限り、添付することを要しないものとすることとされた。
⑵ 変更の届出
職業安定法第32条の7第1項の規定による届出等をしようする者は、当該届出書に登記事項証明書を添付すべき場合にあっては30日以内に、変更届出書を厚生労働大臣に提出するものとすることとされた。
11 労働契約申込みみなし制度
⑴ 第26条第1項及び第2項に定める就業条件の明示の方法等に関する規定は、平成24年改正後法第34条第3項の規定により労働契約の申込みをしたものとみなされることとなる旨の明示について準用することとされた。
⑵ 労働契約申込みみなしの対象となる意見聴取手続
労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律(平成24年法律第27号)第2条の規定による改正後の法(以下「平成24年改正後法」という。)第40条の6第1項第3号の厚生労働省令で定める意見の聴取の手続は、次のとおりとすることとされた。
① 7の⑵の①の書面による通知
② 7の⑵の③の記載とその保存
③ 7の⑵の④の周知
⑶ 平成24年改正後法第40条の8第1項の規定による助言等に係る厚生労働大臣の権限を、労働者派遣事業を行う者の主たる事務所及び当該事業を行う事業所の所在地等を管轄する都道府県労働局長に委任するものとすること。
〔参考〕労働契約申込みみなし制度とは、平成24年改正で設けられた制度で、派遣先が違法派遣と知りながら派遣労働者を受け入れている場合、違法状態が発生した時点において、派遣先が派遣労働者に対して労働契約の申し込み(直接雇用の申し込み)をしたものとみなす制度である。なお、派遣元事業主は、派遣労働者に対し就業条件等の明示をするに当たっては、派遣先が違法派遣と知りながら派遣労働者を受け入れている場合には労働契約の申込みをしたものとみなされることとなる旨を併せて明示しなければならないこととされている。
上記は、その詳細を定めるもの(この制度については、平成2710月1日からの施行となっている)。
12 その他
その他必要な経過措置を定めるとともに所要の規定の整備を行うこととされた。
13 その他厚生労働省関係省令の一部改正
⑴ 高年齢者等の雇用の安定等に関する法律施行規則の一部改正
① シルバー人材センターが行う労働者派遣事業の変更の届出について、法第5条第2項第4号に掲げる事項以外の変更の届出のうち、届出書に登記事項証明書を添付すべき場合については、届出書の提出期限を当該変更に係る事実のあった日の翌日から起算して10日以内から「30日以内」に変更することとされた。
② その他所要の改正を行うこと。
⑵ 建設労働者の雇用の改善等に関する法律施行規則及び港湾労働法施行規則の一部改正
建設業務労働者就業確保事業又は港湾労働者派遣事業について、労働者派遣法施行規則の改正に伴い、これに合わせた改正を行うこととされた。
⑶ その他
その他厚生労働省関係省令について、所要の規定の整備を行うこととされた。