2016年12月10日土曜日

最近の法改正(1) 職業能力開発促進法の改正(平成27年10月および平成28年4月施行)

労働者が自らキャリア開発(長期的、計画的な職能開発)できるよう支援する仕組みを強化しています。

≪ポイント≫
    ジョブ・カード(職務経歴等記録書)を法律上に位置づけ普及促進(平成27年10月施行)
    労働者自身にもキャリア開発の責任(平成28年4月施行)
    事業主に労働者のキャリア開発の支援することを(努力)義務(平成28年4月施行)
    事業主が行うキャリア開発支援の中核にキャリアコンサルティングを置き、必要に応じて講じる措置を規定(平成28年4月施行)
    「キャリアコンサルタント」を国家資格化(平成28年4月施行)

    対人サービス分野で働く人に対する技能検定を構築(平成28年4月施行)


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2016年12月4日日曜日

雇用保険料引き下げ…3年間、賃金の0.6%に

 政府は26日、失業手当などの給付に充てる労使折半の雇用保険料に関し、現在賃金の0.8%となっている料率を2017年度から3年間、0.6%に下げる方針を固めました。労働者と企業の負担を0.1ポイントずつ減らし、消費や賃上げに回せる分を増やす狙いがあります。
 同時に失業手当への国庫負担割合も、現行の13.75%から2.5%に大幅に下げる最終調整に入った。10年ぶりの下げとなり、保育士や介護職員らの処遇改善の財源とします。

IT業界の働き方・休み方の推進サイトが厚労省HPにアップ

「IT業界の働き方・休み方の推進」サイトが平成28年11月30日に厚労省ホームページにアップされました。
このサイトは、厚生労働省が「平成28年度業界団体と連携したIT業界の長時間労働対策事業」の一環として運営しているもので、業界団体等と連携したIT業界の長時間労働対策事業として年間総実労働時間・所定外労働時間が全産業平均に比べて高水準なIT業界の現状と課題、セミナー情報などが紹介されています。

詳細は、以下のURLからご覧いただけます。
厚労省HP「業界団体等と連携したIT業界の長時間労働対策事業」
http://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/shigoto/it/index.html




平成28年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果公表 厚生労働省


 厚生労働省は1日、平成28年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を取りまとめ、公表しました。
 この調査は、全国の民間企業における賃金の改定額、改定率、改定方法などを明らかにすることを目的に、毎年8月(平成20年以前は9月)に調査を行っているもので、今回の調査結果は、常用労働者100人以上を雇用する企業1,709社について集計したものです。
【調査結果のポイント】
1 賃金の改定
(1)全企業のうち、平成28年中に「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」は86.7%(前年85.4%)で、前年を上回る。
(2)平成28 年の1人平均賃金の改定額(予定を含む。)は5,176円(前年5,282円)で前年を下回り、改定率は1.9%(同1.9%)で前年と同水準。300~999人規模及び100~299人規模で改定額、改定率とも前年を上回る。
(注)1人平均賃金とは、所定内賃金(時間外手当、休日手当等を除いた毎月支払われる賃金)の1人当たりの平均額をいう。
2 定期昇給等の実施
(1)平成28年中の賃金改定が未定以外の全企業(賃金の改定を実施し又は予定している企業及び賃金の改定を実施しない企業)のうち、定期昇給を「行った・行う」は、管理職68.1%(前年69.9%)、一般職78.4%(同77.6%)で、一般職は前年を上回る。
(2)定期昇給制度がある企業のうち、平成28年中にベースアップを「行った・行う」は、管理職17.8%(前年20.5%)、一般職23.3%(同25.0%)で、ともに前年を下回る。

協会けんぽがマイナンバー取扱いについてHPに掲載


平成28年12月1日、協会けんぽがマイナンバーの取扱いについてHPに掲載しました。
協会けんぽでは、
平成29年1月から各種申請書にマイナンバー欄の追加がされますが、事業主の事務負担を軽減するため、原則として、日本年金機構や住民基本台帳ネットワークから収集を行うため、事業主経由でのマイナンバーの提出は求めないことになりました。

平成29年7月から個人が高額療養費などの給付申請をする場合において、協会けんぽへの提出書類にマイナンバーを記載することで非課税証明書等の証明書の添付書類の省略を可能とする予定となっており、対象の書類は以下のとおりです。
≪申請書にマイナンバーを記入することにより、添付書類の省略が可能となる予定の申請≫
○高額療養費の申請
○高額介護合算療養費の申請
○基準収入額適用申請
○食事及び生活療養標準負担額の減額申請
○限度額適用・標準負担額減額認定証の申請
詳細は、以下のURLからご覧いただけます。
協会けんぽHP「協会けんぽのマイナンバー取扱いのお知らせ 」

2016年12月3日土曜日

シニアが活き活生きと働き続けるためのワークショップ

  高年齢者雇用安定法の改正(平成25年4月1日施行)に伴い、60歳以降の継続雇用が企業に義務付けられました。そのような状況下で、シニアが活躍できる場や働き方の創出とともに、「働きたい」といったシニアの意欲の喚起を促す機会が必要であろうと思われます。 

  そのために、中央職業能力開発協会が日本人材ビジネス協会と共同で「キャリア・シフトチェンジのためのワークショップ」(プラットフォーム能力の視点で)を開発しました。

  私(井上雅夫)は、「キャリア・シフトチェンジのためのワークショップ」の公認インストラクターに就任しましたのでご興味のある方は是非、当事務所までご相談ください。
社会保険労務士やファイナンシャルプランナーが老後のマネープランを合わせて研修することも可能です。

〇キャリア・シフトチェンジとは:シニアが職場で活き活き働いていくためには、ある時点で(高年齢期に達する前段階)で、これまで培ってきた知識、スキル、行動特性、職業観等を棚卸し、高年齢期の働き方に向けて仕事の型を作り直していく必要があります。仕事の型を作り直していくことを「キャリア・シフトチェンジ」と言います。

〇プラットフォーム能力とは:効果的なキャリア・シフトチェンジを可能にするために求められる能力のことを言います。具体的には「態度」(私想像力)、「行動」(お仲間構築力)、「スキル」(おひとり様仕事力)の3つを言います。

詳細については中央職業能力開発協会の下記のホームページをご覧ください。

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2016年12月1日木曜日

「マタハラ防止措置」対策①


男女雇用機会均等法と育児介護休業法が改正されました。


その改正の中で、来年1月から事業主がマタハラ防止措置を講ずることが義務付けられました。

では、「マタハラ防止措置」とは何を行えばよいのでしょう?
厚生労働省から、マタハラ防止措置に関する指針が出ています。
この指針をみながら、御社がこれから何を行っていくべきか考えていきます。

まず最初にお話しておきたいことがあります。
「マタハラ」とは、何か? 「マタハラ」の定義について。

マタハラnetによる定義

「マタハラ」とは、働く女性が妊娠・出産・育児をきっかけに職場で精神的・肉体的な嫌がらせを受けたり、妊娠・出産・育児などを理由とした解雇や雇い止め、自主退職の強要で不利益を被ったりするなどの不当な扱いをうけること。
  • マタハラ
  • パタハラ(男性が育児参加する権利を上司・同僚に侵害される)」
  • ケアハラ(介護と仕事の両立を侵害される)」
以上の3つのハラスメントを合わせて「ファミリーハラスメント」といいます。

マタハラは、「個人型」と「組織型」に分類できます。
「個人型」はさらに、「昭和の価値観押し付け型」と「いじめ型」に分類できます。

昭和の価値観押し付け型

「昭和の価値観押し付け型」とは、
「女性は妊娠・出産を機に家庭に入るべき」
「家庭を優先すべき」
という間違った価値観から起こるケース。 

いじめ型

「いじめ型」とは、フォローさせられる同僚の怒りの矛先が、妊娠や育休中の女性に向かってしまうケース。
(本当であれば、フォロー体制のできていない会社に問題があるのだが・・・) 

「組織型」は、「パワハラ型」と「追い出し型」に分類できます。

パワハラ型

「パワハラ型」とは、長時間働くことができない社員に対して、長時間労働を強制するケース。
産休・育休・時短勤務制度等の利用を認めない職場風土から起こります。 

追い出し型

そして、「追い出し型」とは、長時間働けなくなった社員を労働環境から排除するケース。
要は、妊娠・出産したら会社を辞めるように仕向けるケースです。
この「追い出し型」のマタハラは、ほとんどの場合「違法行為」です。
法違反ですから、退職そのものが無効であり、損害賠償請求の対象にもなります。


「マタハラ」が起こる根本原因は、「性別役割分業の意識」と「長時間労働」、「法律に対する知識の欠如」といわれています。

女性は仕事に対する考え方が多様であることも、この問題を複雑にしています。
大きく3つにグループ分けできます。
1.結婚や妊娠を機に、専業主婦を選択する女性。
2.キャリアを最優先に働く女性。「バリキャリ(バリバリ働くキャリアウーマン)」
3.結婚や妊娠、子育てしながら働き続けたいと希望する女性「ワーママ(ワーキングママ)」 

マミートラック

また、「マタハラ」を受けずに無事、妊娠・出産・育休を終え職場復帰できたとしても、そこには「マミートラック」が待ち構えていることもあります。
マミートラック」とは、仕事と育児の両立をしている社員が、出世コースから外れた、昇進・昇格とは無縁のキャリアコースを選択せざるを得ない状況に追い込まれることです。

ここにも、「性別役割分業の意識」と「長時間労働」が根強くはびこっています。 

以上が、「マタハラnet」によるマタハラの定義ですが、次に、厚生労働省が定めるマタハラの定義についてみてみましょう。 

厚生労働省がマタハラと定めるものには、大きく2つのものがあります。

①従業員が妊娠・出産・育休の申し出・取得等をしたことを理由として、事業主が解雇その他の不利益な取扱いをすること。

②職場におけて行われる上司・同僚からの言動により、妊娠・出産した「女性労働者」や育休等を申し出・取得した「男女労働者」等の就業環境が害されること。

この②のマタハラには、2つのタイプがあります。
  1. 「制度利用への嫌がらせ型」
  2. 「状態への嫌がらせ型」
ですから、
不利益な取扱い
制度利用への嫌がらせ
状態への嫌がらせ
の3つのタイプに分類することができます。

※「事業主が講ずべきマタハラ防止措置」は、②のマタハラを防止することを定めています。

1.「制度利用への嫌がらせ型」とは?

妊娠や出産をすると、様々な制度を利用できるようになります。
たとえば、「産前産後休業」や「軽易な業務への転換」、「育児休業」や「残業や深夜業の免除」等々。
女性だけでなく、男性も利用できる制度もたくさんあります。

これらは、法律で定められ、認められている制度です。
該当者が利用するのは、当たり前の権利です。
それを邪魔する権限など誰にもありません。
それなのに、制度を利用しようとしたり、実際に利用した時に、様々な嫌がらせ言動があれば、それは「マタハラ」となります。

上司が行う場合だけでなく、同僚が行う嫌がらせも「マタハラ」となります。
ただし、その内容によって、1回の嫌がらせ言動でoutの場合と、繰り返し行われた場合にoutとなる場合があります。
上司に当たる人間が行う嫌がらせ言動は、一発outになる場合が多いので、特に注意が必要です。

2.「状態への嫌がらせ型」

これは、妊娠・出産した女性労働者に対して行われるハラスメントです。
妊娠・出産すれば、だれでも労働能率が落ちます。
体調が悪く仕事ができない日もあります。
このような、妊娠・出産したということやそれによって仕事を十分にこなせなかったことに対して嫌がらせを行うのが、「状態への嫌がらせ型」マタハラです。

ここで注意していただきたいのが、「マタハラ」なる言葉が誕生したことで、その言葉に過剰に反応してしまう人が出てきます。
それは、上司の側にも、妊娠した女性労働者の側にも出てきます。

業務の調整の必要から、労働者の意向を確認することや、休業期間の変更を相談することは「マタハラ」には当たりません。
また、女性への配慮として、短時間勤務や配転を提案することも、「マタハラ」には当たりません。

何でもかんでも「マタハラ」になると恐るのではなく、当たり前のコミュニケーションをとりながら、部署の業務のスムーズな遂行と、妊娠・出産した女性労働者や育休等を申し出・取得した男女労働者への心遣いを両立させていきましょう。



現実は未だに、妊娠・出産・育児を行う女性を取り巻く環境が非常に厳しい
法律によってマタハラ禁止が謳われても、現場には、まだまだマタハラが蔓延っています。
それが御社の貴重な人材の流出や、御社の成長・発展への足枷となっていることも考えられます。

だからこそ、もし御社が真摯にマタハラ防止に取り組んでいると評価されれば、優秀な人材の定着が望めます。
女性従業員だけでなく、男性従業員の定着にも効果が望めます。
御社で働くことを希望する人材が殺到することだって有り得ます。
人材が定着するということは、募集・採用・教育のコストを大きく削減できるメリットがあります。
当然、業務もスムーズに運ぶことが多くなりますし、従業員一人ひとりの能力UPやキャリアアップも期待できます。
それが結局、御社の業績upにつながります。

優秀な人材の採用・定着には、ハラスメントの防止が必須です。
絶対にマタハラを許さない!」という強い決意を持って、「マタハラ防止措置」に取り組んで下さい。