2015年11月29日日曜日

事務所通信2015年12月号をアップロードしました。

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1.ストレスチェック制度のスタートに備えて②(ストレスチェック制度の導入の手順)
2.高齢者の雇用状況のポイント
3. 賞与を分割支給して社会保険料を軽減する手法の規制
4.お仕事 カレンダー 12月

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ストレスチェック実務安心パック優待販売のお知らせ

当事務所では、株式会社ブレインコンサルティングオフィスの開発した 「ストレスチェック実務安心パック」を優待販売することになりました。 下記内容をご覧になって、ご興味があれば当事務所までお問い合わせください。

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2015年11月26日木曜日

雇用保険、65歳以上も新規加入可能に 厚労省案

 厚生労働省は11月25日、労働政策審議会の部会を開き、高齢者の就労を促進するため65歳以上の労働者が新規で雇用保険に加入できるようにすることを提案し、大筋で了承されました。

来年の通常国会に改正案を提出する方針で、来年度中の施行を目指します。
 合わせて65歳以上の高齢者を一定割合以上雇用する企業や、高齢者の健康管理制度を導入する企業への助成も検討します。

2015年11月25日水曜日

厚生労働省版ストレスチェック実施プログラムが公開

事業場で実施するストレスチェックのプログラムで、無料でダウンロードできます。


平成27年11月24日、厚生労働省版ストレスチェック実施プログラムが公開されました。
この実施プログラムは、事業場で実施するストレスチェックのプログラムで、無料でダウンロードできます。
実施プログラムは、以下の機能を持っています。
・ 労働者が画面でストレスチェックを受けることができる機能
※職業性ストレス簡易調査票の57項目によるものと、より簡易な23項目によるものの2パターンを利用可能
※紙の調査票で実施しCSV等へ入力したデータをインポートすることも可能
・労働者の受検状況を管理する機能
・労働者が入力した情報に基づき、あらかじめ設定した判定基準に基づき、自動的に高ストレス者を判定する機能
・個人のストレスチェック結果を出力する機能
・あらかじめ設定した集団ごとに、ストレスチェック結果を集計・分析(仕事のストレス判定図の作成)する機能
・集団ごとの集計・分析結果を出力する機能
・労働基準監督署へ報告する情報を表示する機能
フォルダのデータ容量は約270MBあり、通信回線の状態やご利用のパソコンの性能、利用者数等によっては、ダウンロードに時間がかかってしまう場合があります。
時間がかかる場合は、比較的利用者の少ない、平日早朝・夜間帯、ならびに土日祝日のダウンロードをお勧め致します。
実施プログラムは、以下のページからダウンロードできます。
ダウンロードや使用についての詳細もご覧ください。
「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラムダウンロードサイト」
http://stresscheck.mhlw.go.jp/

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2015年11月8日日曜日

就業規則の届出

Q1:パートタイマーに適用する就業規則でも届出しなければならないのでしょうか。(使用者)

A1:パートタイマーに適用される就業規則でも会社の就業規則の一部とみなされますので、意見書を添付の上、届出してください。なお、意見を述べる者は過半数を代表する労働組合又は労働者を代表する者になりますが、パートタイマーの意見を聴くことが望まれます。

Q2:就業規則を変更し、監督署へ届出る場合、変更条文も含めて就業規則全条文を届出しなければならないのでしょうか。(使用者)
 
A2:全条文を届出しなくても、意見書を添付の上、変更部分の新旧条文の届出で足ります。
 

就業規則の不利益変更

Q1:会社の業績が悪く、退職金規程どおり退職金が払えないので、新しい(退職金を切り下げた)規程を届出したいと考えていますが、労働基準監督署は受理してくれますか。(使用者)
A1:労働基準法第89条に基づき、意見書を添付の上、届出されるようであれば労働基準監督署は受理することになります。ただし、届け出たことによって刑事的な責任は免れますが、民事的に有効になるか否かについては別の問題で、次の労働契約法第10条(抄)の規定が参考になります。最終的な判断は労働基準監督署ではなく、裁判所がすることになります。

 
Q2:我が社の属する業界は先行き不透明です。そこで,我が社においても経営が行き詰まる前に,所定内賃金を1割カットするように就業規則を変更しようと思っています。もちろん,変更後も最低賃金法などには違反しない内容のものですが,労働者側からの反発が予想されます。その場合,就業規則を一方的に変更することは,できるでしょうか。  

 

A2:
1.労働者の同意を得ずに,就業規則を一方的に不利益に変更することは,原則としてできません。
2.ただし,労働条件を不利益に変更することについて合理的な理由がある場合には,これに同意しない労働者も,拘束されます。
 

 

就業規則の変更

「就業規則」とは,労働時間,賃金などの労働条件や従業員が守るべき職場規律を定めた規則の総称です。
労働基準法では,常時10人以上の労働者を使用する使用者は,就業規則を作成しなければならないと定めています。
就業規則を作成・変更する場合の手続も労働基準法によって定められていて,労働者代表(労働者の過半数で組織する労働組合,これが存在しない場合は労働者の過半数の代表者)の意見を聴いた上で(同法第90条第1項),労働基準監督署に届け出るとともに(同法第89条,第90条第2項),労働者に周知しなければなりません(同法106条)。ここに「意見を聴く」とは,文字どおり意見を聞くことを指し,同意を得るとか協議をするとかの意味ではありません。

就業規則の不利益変更の限界

このように,使用者は,労働基準法上は,労働者代表の意見を聴取しさえすれば,就業規則を自由に変更できることになっているのですが,これにはいくつか重大な制限がついています。
まず,労働基準法は,法令又は労働組合と使用者が締結する労働協約に反してはならないと定め,これに反する就業規則に対しては,行政庁は,就業規則の変更を命じることができるとしています(同法第92条)。
それでは,法令や労働協約に反しなければ変更は自由かというと,そうではありません。この点,様々な議論が交わされてきましたが,最高裁の判決の積み重ねにより,現在の判例では,不利益な変更は,合理的な変更と認められる場合に限って,効力を有するとしています。
すなわち,最高裁は,「秋北バス事件」の大法廷判決(昭和43年12月25日)で,「新たな就業規則の作成または変更によって,既得の権利を奪い,労働者に不利益な労働条件を一方的に課することは原則として許されないが,労働条件の統一的かつ画一的な決定を建前とする就業規則の性質からいって,当該規則条項が合理的なものである限り,個々の労働者において,これに同意しないことを理由として,その適用を拒否することは許されない。」と判示しています。結局,就業規則の不利益変更がこれに同意しない従業員を拘束するかどうかは,変更の「合理性」によって判断されることになります。

合理性の要件

合理性の具体的な判断基準については,最高裁は現在,次のような見解を示しています(第四銀行事件最2小判平成9年2月28日)。


 

1.合理的とはどういうことか

「当該規則条項が合理的なものであるとは,当該就業規則の作成又は変更が,その必要性及び内容の両面からみて,それによって労働者が被ることになる不利益の程度を考慮しても,なお当該労使関係における当該条項の法的規範性を是認できるだけの合理性を有するものであることをいうと解される。特に,賃金,退職金など労働者にとって重要な権利,労働条件に関し実質的な不利益を及ぼす就業規則の作成又は変更については,当該条項が,そのような不利益を労働者に法的に受忍させることを許容できるだけの高度の必要性に基づいた合理的な内容のものである場合において,その効力を生ずるものというべきである。」

2.合理的かどうかを判断する方法

上記の合理性の有無は,具体的には,次の事情等を総合考慮して判断すべきである。
労働者が被る不利益の程度,
使用者側の変更の必要性の内容・程度,
変更後の就業規則の内容自体の相当性,
代償措置その他関連する他の労働条件の改善状況,
労働組合等との交渉の経緯,他の労働組合又は他の従業員の対応,
同種事項に関する我が国社会における一般的状況等。

要するに,最高裁判例によれば,合理的であるかどうかは,就業規則変更の必要性と労働者の受ける不利益を比較考量してケースバイケースで判断すべきということです。

こんな対応を!

上に述べたように,合理性がないと判断される不利益変更は無効となります。特に,賃金や退職金など労働者にとって重要な権利や労働条件に関する不利益変更には,「高度の必要性」が必要とされています。
むずかしい判断を求めることになるのですが,上記第四銀行事件最高裁判決が挙げた諸事情を貴社の場合に即して確かめた上で,意思決定をなさってください。

介護休業の給付 賃金の50%以上に引き上げへ

  厚生労働省は11月2日、家族の介護のため仕事を休む介護休業に関し、
休業中の給付金を現行の賃金の40%から少なくとも50%以上に引き上げる方針を決めました。

  育児休業と同率の67%へ引き上げる案を軸に調整します。

 介護休業は、在宅介護サービスの手配や施設の入居準備など介護態勢を整え離職を防ぐ制度ですが、総務省の2012年の調査では、取得率は3.2%にとどまっています。財源である雇用保険の失業給付が景気回復などで減っているため、財政に余裕が生まれ、介護休業給付金の引き上げに充てることとしました。
 厚労省は、給付金の増額と併せ、原則1回に限られている介護休業を分割取得できるようにすることなども検討しています。