起業して事業が軌道に乗って拡大して行くと、それに合わせて社員を雇用しますが、さまざまな手続きや届け出が必要となります。
社員を雇用した時に必要な手続きについてご紹介していきます。
1.最初に労働契約書を交わします
社員を採用した場合に最初にすることは、労働条件を明示して労働契約を結ぶことです。
念のため書面で労働契約書を交わしておきましょう。
労働条件は最低限、以下の項目について書面で明示しなければなりません。
これを労働条件通知書といいます。
- 労働契約の期間
- 就業場所
- 従事する業務
- 始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇、交代勤務の場合の就業時転換
- 所定労働時間を超える労働の有無
- 賃金の決定、計算・支払方法、締切・支払時期
- 退職に関する規程
「労働条件通知書」は、下記をご参照下さい。(ページの下方に有ります。)
ご参考URL:
厚生労働省 労働基準 主要様式ダウンロードコーナー
2.採用者からの必要書類の提出
入社後に下記の書類を提出してもらいましょう。
- 健康保険被扶養者(異動)届(扶養に入れる親族がいる場合み)
- 源泉徴収票(その年に前の会社の給与所得がある場合)
- 年金手帳(以前に加入していた場合、被扶養配偶者がいるときは配偶者の分も)
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書
- 雇用保険被保険者証(以前に加入していた場合)
- 口座振込依頼書(給与等の振込先)
- 通勤手当支給申請書
3.労働保険の加入
労災保険は、労働者を使用するすべての事業に適用されます。
ただし、従業員の採用時に特に手続は必要ありません。労働保険料は、保険年度(4月から翌年3月まで)の初めに概算額で申告・納付し、年度終了後に確定額で申告し精算する仕組みをとっています。
最初に社員を雇った時は、労働基準監督署かハローワークへ「保険関係成立届」を提出し、「概算保険料申告書」及び「納付書」を作成の上、申告・納付します。「保険関係成立届」は雇用保険の加入の時と同じです。
ご参考URL:
厚生労働省 労働保険の成立手続ご参考URL:
労災保険情報センター 労働保険新規加入の手続
4.雇用保険の加入
・事業所規模にかかわらず、「1週間の所定労働時間が20時間以上で31日以上の雇用見込がある人を雇い入れた場合」に適用対象となります。
・最初に雇用保険の適用対象の社員を雇用する時は、保険関係成立に関する手続を済ます必要があります。
ご参考URL:
厚生労働省 労働保険の成立手続
・そのあと事業所を管轄するハローワークに「事業所設置届」、「雇用保険被保険者資格取得届」を提出します。
・その後新たに社員を雇い入れた場合は、その都度、翌月10日までに、事業所を管轄するハローワークに「雇用保険被保険者資格取得届」を提出しなければなりません。そしてハローワークから交付された「雇用保険被保険者証」を事業主から本人に渡します。
ご参考URL:
厚生労働省 事業主の行う雇用保険の手続き
ご参考URL:
厚生労働省 手続き一覧
5.社会保険の加入
雇用した社員が以下のそれぞれに該当する場合、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の被保険者となります。
・労働日数:1か月の所定労働日数が一般社員の概ね4分の3以上である場合
・労働時間:1日又は1週の所定労働時間が一般社員の概ね4分の3以上である場合
①法人の場合
:すべての事業者が適応対象です。
②個人事業主の場合
:労働者が5人以上は適応対象で、5人未満の場合は任意です。但し一部のサービス業(旅館、飲食、理美容業、税理士事務所、弁護士事務所など)は、5人以上でも任意です。
社会保険の被保険者となる社員を雇った場合、雇用の日から5日以内に、所轄の年金事務所へ健康保険・厚生年金保険の被保険者の届出が必要です。
ご参考URL:
日本年金機構 事業所が健康保険(協会けんぽ)・厚生年金保険の適用を受けようとするとき
ご参考URL:
日本年金機構 従業員を採用したときの手続き
6.法定帳簿の保存
法定帳簿とは、賃金台帳、労働者名簿、出勤簿(タイムカード等)をいいます。
社員を雇用した日からタイムカード、休暇・早退・遅刻届などで「出勤簿」を作成し、「労働者名簿」、「賃金台帳」も作成して社員が退職してから3年間は保存しなければなりません。これらは役所より提出を求められる場合があります。
「労働者名簿」、「賃金台帳」については、下記をご参照下さい。(ページの下方に有ります。)
ご参考URL:
厚生労働省 労働基準 主要様式ダウンロードコーナー