2019年7月29日月曜日

労働条件通知書の記載漏れで是正勧告

 ある県の企業庁(工業用水道事業と水道用水供給事業の2つの事業を経営)が、臨時職員の採用時に交付する労働条件の書面に労働基準法で定められた項目の記載漏れがあったとして、労働基準監督署から是正勧告を受けたことを発表した」といった報道がありました。
   漏れがあったのは、有期労働契約の更新の基準や従事する業務など5項目で、書面に明記する必要があるという認識がなかったとのことです。
   労働基準法第15条第1項においては、「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」と規定されています。
   そして、明示すべき事項は、労働基準法施行規則第5条第1項に規定されています。
   また、そのうち一定の事項については、書面の交付により明示しなければならないことになっています。
    厚生労働省では、これらについて記載した労働条件通知書のひな形を同省ホームページに掲載しています。

【一般労働者用】 常用、有期雇用型(Word:77KB;PDF:139KB)
【短時間労働者用】 常用、有期雇用型(Word:80KB;PDF:145KB)

    また、平成31年(2019年)4月から、労働条件の明示がFAX・メール・SNS等でもできるようにする改正が行われました。

割増賃金の基礎となる賃金の誤りで多額の支払い

 誤っていたのは超過勤務手当の計算の基礎となる賃金(いわゆる割増賃金の基礎となる賃金)で、本来は算入しなければならない一部の手当を除外して計算していた。
 労働基準監督署は、労働基準法に基づく時効により請求権が消滅していない2年分の未払い分の支払いを認めたということです。
 支払う額は、社員約190人(退職者を含む。)の2017年7月からの2年分の同手当の未払い分、計約1,600万円。
 割増賃金の基礎となる賃金を適正に求めることは、給与計算の基本中の基本といえますが、それを誤ると、1,600万円もの支払いが生じることもあるということは、肝に銘じておきたいところですね。

〔確認〕「割増賃金の基礎となる賃金」から除外できるのは、次の手当等に限定!
   ①家族手当、②通勤手当、③別居手当、④子女教育手当、⑤住宅手当、
   ⑥臨時に支払われた賃金、⑦1か月を超える期間ごとに支払われる賃金
   注)①~⑤の手当に該当するか否かは、名称にとらわれず実態で判断。
       特に①~③の判断が重要。
    
<割増賃金の基礎となる賃金とは?(厚労省リーフレット)>

2019年7月8日月曜日

令和2年より変更を予定している年末調整関係書類を掲載

国税庁から、令和2年(2020年)の所得から適用される税制改正を反映した様式のイメージが公表されました。
紹介されているのは、次の書類です。
①令和2年分 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書  
②令和2年分 公的年金等の受給者の扶養親族等申告書
③令和2年分 給与所得者の基礎控除申告書 兼 給与所得者の配偶者控除等申告書 兼 所得金額調整控除申告書
④令和2年分 給与所得・退職所得に対する源泉徴収簿

詳しくは、こちらをご覧ください。
<変更を予定している年末調整関係書類を掲載しました>

令和元年度税制改正の解説(財務省)

財務省から、「令和元年度税制改正の解説」が公表されました令和元年(2019年)7月3日公表)。
 
     所得税法等の改正において、所得税の確定申告及び源泉徴収関係の改正が取り上げられていましたので、参考までに紹介しておきます。
 
   その中には、平成29年度税制改正における配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに伴い、夫婦双方の合計所得金額が38万円超85万円以下の者について、給与等及び公的年金等の源泉徴収段階でお互いに配偶者に係る控除を適用することが可能となっていることから、その防止のために行われる改正もあります(令和2年分の所得から適用)。
 
 
   なお、令和2年分の所得からは、平成30年度税制改正による給与所得控除の見直し、基礎控除の見直しなどの改正も適用されます。
   これらも相まって、令和2年分の所得にかかる源泉徴収や年末調整においては、変更点が多数生じることになります。
※P6の「平成30 年度の税制改正により、令和2年1月1日以後適用される主なもの」をご確認ください。