2017年9月1日金曜日

労基法改正審議(平成29年8月30日)時間外労働上限規制・高プロ等 労基法一本化を提案

 平成29年8月30日、厚生労働省で、第138回労働政策審議会労働条件分科会が開催されました。

 審議会では、平成27年国会提出済の改正法案と、働き方改革関連の法規制として本年6月5日に建議された時間外労働の上限規制等の内容を一本化し、労働基準法改正案とすることについて労政使で議論が交わされました。
労働基準法等の一部を改正する法律案(平成27年提出)の概要
(1) 中小企業における月60時間超の時間外労働に対する割増賃金の見直し
(2) 著しい長時間労働に対する助言指導を強化するための規定の新設
(3) 一定日数の年次有給休暇の確実な取得
(4)企業単位での労働時間等の設定改善に係る労使の取組促進(※労働時間等の設定の改善に関する特別措置法の改正)
Ⅰ 長時間労働抑制策・年次有給休暇取得促進策等
(1) フレックスタイム制の見直し
(2) 企画業務型裁量労働制の見直し
(3) 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)の創設

労働基準法等の一部を改正する案(平成27年4月3日提出の詳細)

時間外労働の上限規制等について(2017年6月5日建議)の概要

・現行の時間外限度基準告示を法律に格上げし、罰則による強制力を持たせる
・ 時間外労働の上限規制は、原則として月 45 時間、かつ、年 360 時間とする。
一年単位の変形労働時間制の上限は原則として月 42 時間、かつ、年 320 時間
・ 労使協定を結ぶ場合においても上回ることができない時間外労働時間を年 720 時間
・年 720 時間以内において、一時的に事務量が増加する場合
  ① 休日労働を含み、2か月ないし6か月平均で 80 時間以内
  ② 休日労働を含み、単月で 100 時間未満
  ③ 原則である月 45 時間の時間外労働を上回る回数は、年6回まで
・ 36 協定は、「1日を超える一定の期間」は「1か月及び1年間」に限る

 労使のそれぞれの主な意見は以下のようなものです。
〈労働者代表委員〉
 ・一体化した法案とすることは反対である。
 ・高プロの対象となるような業務に関して、懸念となる事項について具体的に話し合っていくべき。
 ・時間外労働が60時間を超えた場合の割増率を中小企業にも早期に適用すべき。
〈使用者代表委員〉
 ・一体化して臨時国会に提出すべきである。
 ・マンパワーが不足している中小企業には、60時間超の50%の割増率の適用については、十分な期間を取ってほしい。

労政審に提出された詳細な資料は、以下からご覧いただけます。
厚労省HP「第138回労働政策審議会労働条件分科会」
※次回、139回の審議会は9月4日に開催されます。

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