2016年5月29日日曜日

事務所通信 2016年6月号



1.雇用保険法等の一部を改正する法律が成立①
2.通勤手当の非課税限度額の引き上げが決定
3.
「無期転換ルール」の本格化まであと2年!(厚生労働省が企業等への支援策を公表)
4.お仕事カレンダー6月

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確定拠出年金、主婦・公務員も対象 改正法が成立

  運用成績によって受取額が変わる年金の加入対象を広げる改正確定拠出年金法が24日の衆院本会議で可決、成立した。これまでは自営業者や一部の会社員に限っていたが、主婦や公務員が対象に加わり、実質的に全ての現役世代が確定拠出年金を使えるようになる。中小企業向けに設立手続きをやさしくした簡易型の制度も新設する。


 確定拠出年金は、国が運営する国民年金や厚生年金の上乗せ部分となる企業年金の一種だ。掛け金の運用先を自分で選び、その運用成績次第で将来受け取る年金額も変わる。掛け金が所得控除の対象になるなど税制上のメリットが大きい。制度の広がりによって株式投資の拡大を期待する見方もある。
 確定拠出年金には個人が自ら加入する個人型と会社単位で加入する企業型がある。改正法の成立により2017年1月から専業主婦や公務員、企業年金に加入している会社員の計2600万人超が個人型の確定拠出年金を利用できるようになる。掛け金の上限額は専業主婦で年27万6千円、公務員は14万4千円だ。
 改正法のもう一つの特徴は確定拠出年金の持ち運びをしやすくした点だ。これまでは確定給付型年金なら転職時に移管できたが、確定拠出年金の場合は新しい職場の企業年金が確定給付型だと持ち運べなかった。

2016年5月22日日曜日

キャリア形成促進助成金の魅力と注意点

1.キャリア形成促進助成金の魅力

キャリア形成促進助成金がおすすめな理由は、中長期的キャリア形成コースで、厚生労働大臣が専門的・実践的な教育訓練として指定した専門実践教育訓練を実施すると助成金を受けられるようになった点にあります。

キャリア形成促進助成金の場合は、主に正規雇用の労働者に対する助成金として以前より広く利用されてきましたが、中長期的キャリア形成コースにより、一層利用しやすい助成金になりました。
1事業主の年間の支給限度額は500万円で、支給金額もかなり高額で大変魅力的な助成金となっております。
しかし、受給のためには訓練計画の策定、経費の内訳、訓練の実施状況の報告などが細かく義務付けられており、事業主様がすべて自社で手続きを行うのは極めて困難です。
また、最近では助成金の受給の前後の行政機関による抜き打ちの調査活動も大変厳しくなっており、対応を誤ると受給できたはずの助成金を受給できなくなってしまいます。

中長期的キャリア形成コースを本気で受給するおつもりならば、以上のような助成金をめぐる動向にも精通した社会保険労務士に依頼することをご検討されるよう強くおすすめいたします。

2.キャリア形成促進助成金の注意点

 
キャリア形成促進助成金で注意しなくてはならない点は、以下の点です。

①訓練の内容を細かく確認する必要があること
訓練の具体例について厚生労働省のホームページで確認することは可能ですが、実際に事業主様が実施したい訓練が助成の対象になるかどうかは行政機関に確認しないと確認が難しいです。キャリア形成促進助成金を受給したいと思ったら、ご自身で判断するのではなく、行政機関や助成金専門の社会保険労務士に確認するようにしましょう。

②助成金の受給までに長い時間がかかること
訓練終了までにかかる時間に加え、そのあとの助成金申請と審査があります。また訓練が受給要件に従い実施されているのかも常に注意が必要ですので、事業主様や事業主団体自身でそのすべてを管理するのは膨大な時間やコストがかかります。
助成金額もかなり高額になるケースが多いため、かなりの手間暇がかかるとご理解ください。
キャリア形成促進助成金を受給したいと思ったら、助成金に精通した社会保険労務士に依頼するほうが費用・人件費ともかえって安く済みます。
 

キャリア形成促進助成金(制度導入コース)とは?

昨年度で「企業内人材育成推進助成金」が終了しました。

代わって平成28年4月1日にスタートしたのが、「キャリア形成促進助成金・制度導入コース」です。
ここでは、主な変更点について見ていきます。

主な変更点
1.対象労働者の変更
2.制度の変更・創設
3.支給申請時期の変更
4.セルフキャリアドック制度の創設
5.教育訓練休暇制度等の創設

1.対象労働者の変更

 
【企業内人材育成推進助成金とキャリア形成促進助成金制度導入コースの違い①
~対象となる被保険者の変更~】

以前の制度は、雇用保険被保険者であれば、有期契約労働者、無期契約労働者共に制度の適用対象となっていましたが、以下のように変更になっています。
以下引用(「キャリア形成促進助成金活用マニュアル(制度導入コース・事業主版)」p3より)
*****************************
雇用保険法第4条に規定する被保険者のうち、以下の者を除いた者
有期契約労働者(期間の定めのある労働契約を締結する労働者)
短時間労働者(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号)第2条に規定)
派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条に規定)
*****************************
⇒有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者を除いた雇用保険被保険者となっています。
言い換えると、ほぼ正社員の方が中心になったといえるでしょう。
マニュアルの最初の方に書いてあって、読み飛ばしてしまいそうです。注意が必要ですね。
従業員が、パート・アルバイトや、有期雇用契約の方しかいない、という企業では、扱えなくなりました

2.制度の変更・創設

 
【企業内人材育成推進助成金とキャリア形成促進助成金制度導入コースの違い②
~制度の変更・創設~】

〇助成金の対象となる人材育成制度
次の5つの助成メニューを、組み合わせて活用することができます。
①教育訓練・職業能力評価制度
②セルフ・キャリアドック制度
③技能検定合格報奨金制度
④教育訓練休暇等制度
⑤社内検定制度
⇒各制度で中小企業50万円・中小企業以外25万円
⇒5つの制度をすべて導入した場合、250万円の助成

〇適用人数
導入・適用計画届提出時における企業全体の雇用する被保険者数に応じて最低適用人数以上の人数を適用します。
雇用する被保険者数      最低適用人数
・50人以上   ・・・・・・・・・・5人
・40人以上50人未満・・・・・・・4人
・30人以上40人未満・・・・・・・3人
・20人以上30人未満・・・・・・・2人
・20人未満    ・・・・・・・・・・1人
※「雇用する被保険者数」「最低適用人数」は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者を除いた人数になりますので、正社員が中心となります。(東京労働局確認済み)
※実施助成はありません。
 

3.支給申請時期の変更

 
【企業内人材育成推進助成金とキャリア形成促進助成金制度導入コースの違い③
~支給申請時期の変更~】

支給申請をする時期にも変更がありますね。
以下引用(「キャリア形成促進助成金活用マニュアル(制度導入コース・事業主版)」p13より)
*****************************
最低適用人数を満たす者(例:最低適用人数が2人であれば2人目)の制度の適用日の翌日から起算して6か月間経過した日から2か月以内(支給申請期間)に、支給申請書を主たる事業所を管轄する労働局(またはハローワーク)に提出してください。
*****************************

⇒「制度の適用日の翌日から起算して6か月間経過した日から2か月以内」ってあります。「6か月間経過」って何でしょうか!?
以前は、キャリアコンサルタントを受けた日や、評価実施日の翌日から2ヶ月以内でしたが、新制度は、6ヶ月待たないと支給申請ができないということになりました。
スケジュール管理がより大変になったといえるでしょう。

4.セルフ・キャリアドック制度の創設

 
【企業内人材育成推進助成金とキャリア形成促進助成金・制度導入コースの違い④
~セルフ・キャリアドック制度の創設~】

セルフ・キャリアドック制度が創設されました。
従来の「キャリア・コンサルティング制度」と何が違うのでしょうか?
下記の点は気になります。
以下引用(「キャリア形成促進助成金活用マニュアル(制度導入コース・事業主版)」p66より)
*****************************
助成金の対象となるセルフ・キャリアドック制度は、労働者に、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングを、定期的(労働者の年齢・就業年齢・就業年数・役職等の節目)に提供する制度です。
*****************************
⇒「定期的(労働者の年齢・就業年齢・就業年数・役職等の節目)に」とあります。
以前はどうだったか、というと「計画的」となっていました。その計画書の例には、「労働者の希望に応じて随時実施」というのもあったので、希望しなければ実施しない、という理屈が通れば、1回実施して終わり、というケースがあったかもしれません。
しかし、今度の制度は「定期的」です。1回で終わっちゃダメですよ、繰り返し実施するような仕組みを作ってくださいね、ということになります。
例えば、下記のような例がマニュアルに掲載されてました。制度として規定したら、確かに何度も繰り返すことになりますね。
≪パターン1≫ 一定間隔に定期実施
・毎年12月に実施
≪パターン2≫ 人事異動などに併せて実施
・人事評価・業績評価の面接時に併せて実施
・人事に関する本人希望などのヒアリングと併せて実施
・人事異動の前後に実施
・ 昇格の前後に実施
≪パターン3≫ キャリアの節目の時期などに実施
・新規採用1年前後に実施
・ 入社後10年、20年前後に実施
・ 40歳前後に実施
≪パターン4≫ 休業などと併せて実施
・育児休業、介護休業などの前後に実施
≪パターン5≫ 教育訓練などと併せて実施
・教育訓練の前後に実施
・ キャリア形成に関する研修と併せて実施

5.教育訓練休暇等制度の創設

 
【企業内人材育成推進助成金とキャリア形成促進助成金・制度導入コースの違い⑤
~教育訓練休暇等制度の創設~】

教育訓練休暇等制度が創設されました。
定義は下記のようになっています。
以下引用(「キャリア形成促進助成金活用マニュアル(制度導入コース・事業主版)」p92より)
*****************************
助成金の対象となる教育訓練休暇等制度は、事業主以外が行う教育訓練、職業能力検定又はキャリアコンサルティングを受けるために必要な休暇、勤務時間の短縮(労働基準法39条の規定による年次有給休暇を除きます。)を与え、自発的職業能力開発を受ける機会の確保等を通じた職業能力開発及び向上を促進する制度です。
*****************************
「休暇」を与えたり、「勤務時間の短縮」を実施したりして、従業員の方が、教育訓練、職業能力検定、キャリアコンサルティングを受けやすくする制度です。

 

2016年5月21日土曜日

源泉所得税関係(マイナンバー)に関するFAQ更新

国税庁の社会保障・税番号制度<マイナンバー>のHPに源泉所得税関係に関するFAQの内容が更新(追加)されました(平成28年5月17日)。
追加された主な内容は、扶養控除等申告書にマイナンバーを記載する場合や、別の帳簿で管理する場合の注意事項等です。

詳細は、以下のURLからご覧いただけます。
国税庁HP「源泉所得税関係に関するFAQ」
http://www.nta.go.jp/mynumberinfo/FAQ/gensen.htm

1億総活躍プラン決定 同一賃金、保育・介護の賃上げなど

 政府は5月18日、1億総活躍国民会議を首相官邸で開き、今後10年間の政策を盛り込んだ「ニッポン1億総活躍プラン」を取りまとめました。保育・介護職員の処遇改善や雇用形態の違いで賃金差をつけない「同一労働同一賃金」のための労働法の改正などを盛り込んでいます。

短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大についてのQ&A集・リーフレットが掲載されました

 平成28年10月からスタ ートする短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大についてのQ&A集やリーフレットが、日本年金機構ホームページに掲載されました。

【日本年金機構ホームページ】
http://www.nenkin.go.jp/oshirase/topics/2016/0516.html

1.短時間労働者への適用拡大(健康保険法・厚生年金保険法)の概要

 従来、条文上に根拠がなかった短時間労働者(パートタイマー)への社会保険適用の基準(いわゆる4分の3ルール)について、法律(本則)で明確化することとなった。また、一定の要件を満たした短時間労働者については、「正社員の4分の3」という基準をクリアできていない場合でも社会保険を適用することとし、社会呆険の適用者拡大を図っている

 (健保法3条1項9号、厚年法12条5号)。

 4分の3ルールに適合しない者であっても、以下の条件をすべてクリアできるときは、|健康保険・厚生年金保険の被保険者となる。                     

 ◎1週間の所定労働時間が20時間以上                        


 ◎当該事業所に継続して1年以上雇用される見込み                 


 ◎賃金月額が8万8千円以上    


 ◎学校教育法に規定する生徒・学生でないこと |


 ◎常時500人超(従前の基準で被保険者となっている者の数)の企業の事業所(特定適用事業場)に勤務(当分の間の経過措置)                 


 現在、国会に上程されている「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律案」には、500人以下規撹の企業について、労使の合意により、社会保険の適用拡大を行なうことができるようにする旨の規定

(施行予定日10 月1日)が盛り込まれている。

 
2.標準報酬月額の下限の見直し(厚生年金保険法)

 厚生年金保険の標準報酬月額の下限を従来の9万8千円から8万8千円へと引き下げる

 (法20条1項)、

3.短時間労働者の定時決定(健康保険法・厚生年金保険法)

 法改正による拡大適用により被保険者となる短時問労働者については、報酬支払基礎日数が11日以上の月が算定の対象となる(健保法41条1項、厚年法21条1項)

2016年5月14日土曜日

「無期転換ルール」への対応を促すための厚生労働省の支援策の紹介

 厚生労働省は、労働契約法の無期転換ルールに基づく無期転換申込みが、2年後の平成30年度から本格的に行われることを踏まえ、事業主の皆さまや働く皆さまにご理解いただきたい内容と、厚生労働省が今年度実施する8つの支援策をまとめました。

無期転換ルールの導入に向けた厚生労働省の8つの支援
 
(1)無期転換制度の導入支援のための「モデル就業規則」の作成(小売業・飲食業は作成済み)
(2)無期転換制度や「多様な正社員制度」の導入を検討する企業へのコンサルティングを実施
     (3)無期転換ルールも含めた「労働契約等解説セミナー」を全国で208回開催
     (4)無期転換制度や「多様な正社員制度」についてのシンポジウムを開催
     (5)先進的な取組を行っている企業の事例を厚生労働省のホームページなどで紹介
     (6)無期転換制度の導入手順などを紹介するハンドブックを作成
     (7)キャリアアップ助成金を拡充
     (8)都道府県労働局(雇用環境・均等部(室))に専門の相談員を配置

詳しくはこちらをご覧ください
『厚生労働省』
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000122934.html

平成28年度雇用関係助成金を公表

 平成28年度雇用関係助成金のパンフレットが公表されました。


 雇用の安定、職場環境の改善、仕事と家庭の両立支援、従業員の能力向上などに、ぜひご活用ください。
http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000123367.pdf

2016年5月5日木曜日

平成28年労働保険年度更新申告書の書き方が掲載されました

厚生労働省サイトに平成28年度労働保険年度更新申告書の書き方が掲載されました。

「無期転換ルール」への対応

「無期転換ルール」への対応を促すための厚生労働省の支援策の紹介

 厚生労働省は、労働契約法の無期転換ルールに基づく無期転換申込みが、2年後の平成30年度から本格的に行われることを踏まえ、事業主の皆さまや働く皆さまにご理解いただきたい内容と、厚生労働省が今年度実施する8つの支援策をまとめました。

詳しくはこちらをご覧ください
『厚生労働省』
8つの支援策

キャリアアップ助成金

無期転換制度の導入事例

多様な人材活用で輝く企業応援サイト
 
無期転換ルールにかかるモデル就業規則

円滑な無期転換のために

2016年5月2日月曜日

障害者雇用促進法の改正について2016年4月

今回は【障害者雇用促進法改正】についてお知らせします。

 
101名未満50名以上の企業は、障害者1名の採用が努力義務。
 上記法律により、当社は障害者雇用1名が努力義務です。
 その為、人事Gは、採用活動を続けています。
 (現在SODC94名 201653日現在)
※各部署で直接雇用(正社員、契約社員の採用または登用)
 を考える際は、ご参考ください。

■障害者雇用促進法等改正概要
2015年から101名以上雇用(正社員、契約社員の人数。派遣社員含まず)
 する企業は、障害者2名(直接雇用の2%)の採用義務化。
 (障害者雇用ができない企業は、1名につき月5万円を徴収されます。
  2名採用できない場合は2×5万円×12か月=年間120万円徴収)


障害者雇用促進法等改正概要はこちら

■その他主な変更点
・障害を理由とする差別の禁止
(採用、雇用条件、賃金、配置、昇進、降格、
 教育訓練、福利厚生、職種変更、雇用形態など全て)
・職場において合理的配慮が提供されることの確保等

■背景
200612月に国連総会で採択された障害者権利条約
(世界150か国以上締結)により、障害に基づくいかなる差別
(合理的配慮の否定を含む。)もなしに、すべての障害者のあらゆる
 人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し、
 及び促進すべきことが定められ、日本の国内法も2011年から改正
 されている。

■その他参考
その他、下記厚労省に障害者雇用の施策、助成金等もありますので
確認されたい方は、ご参考ください。

以上です。