2016年5月22日日曜日

キャリア形成促進助成金(制度導入コース)とは?

昨年度で「企業内人材育成推進助成金」が終了しました。

代わって平成28年4月1日にスタートしたのが、「キャリア形成促進助成金・制度導入コース」です。
ここでは、主な変更点について見ていきます。

主な変更点
1.対象労働者の変更
2.制度の変更・創設
3.支給申請時期の変更
4.セルフキャリアドック制度の創設
5.教育訓練休暇制度等の創設

1.対象労働者の変更

 
【企業内人材育成推進助成金とキャリア形成促進助成金制度導入コースの違い①
~対象となる被保険者の変更~】

以前の制度は、雇用保険被保険者であれば、有期契約労働者、無期契約労働者共に制度の適用対象となっていましたが、以下のように変更になっています。
以下引用(「キャリア形成促進助成金活用マニュアル(制度導入コース・事業主版)」p3より)
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雇用保険法第4条に規定する被保険者のうち、以下の者を除いた者
有期契約労働者(期間の定めのある労働契約を締結する労働者)
短時間労働者(短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(平成5年法律第76号)第2条に規定)
派遣労働者(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(昭和60年法律第88号)第2条に規定)
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⇒有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者を除いた雇用保険被保険者となっています。
言い換えると、ほぼ正社員の方が中心になったといえるでしょう。
マニュアルの最初の方に書いてあって、読み飛ばしてしまいそうです。注意が必要ですね。
従業員が、パート・アルバイトや、有期雇用契約の方しかいない、という企業では、扱えなくなりました

2.制度の変更・創設

 
【企業内人材育成推進助成金とキャリア形成促進助成金制度導入コースの違い②
~制度の変更・創設~】

〇助成金の対象となる人材育成制度
次の5つの助成メニューを、組み合わせて活用することができます。
①教育訓練・職業能力評価制度
②セルフ・キャリアドック制度
③技能検定合格報奨金制度
④教育訓練休暇等制度
⑤社内検定制度
⇒各制度で中小企業50万円・中小企業以外25万円
⇒5つの制度をすべて導入した場合、250万円の助成

〇適用人数
導入・適用計画届提出時における企業全体の雇用する被保険者数に応じて最低適用人数以上の人数を適用します。
雇用する被保険者数      最低適用人数
・50人以上   ・・・・・・・・・・5人
・40人以上50人未満・・・・・・・4人
・30人以上40人未満・・・・・・・3人
・20人以上30人未満・・・・・・・2人
・20人未満    ・・・・・・・・・・1人
※「雇用する被保険者数」「最低適用人数」は、有期契約労働者、短時間労働者、派遣労働者を除いた人数になりますので、正社員が中心となります。(東京労働局確認済み)
※実施助成はありません。
 

3.支給申請時期の変更

 
【企業内人材育成推進助成金とキャリア形成促進助成金制度導入コースの違い③
~支給申請時期の変更~】

支給申請をする時期にも変更がありますね。
以下引用(「キャリア形成促進助成金活用マニュアル(制度導入コース・事業主版)」p13より)
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最低適用人数を満たす者(例:最低適用人数が2人であれば2人目)の制度の適用日の翌日から起算して6か月間経過した日から2か月以内(支給申請期間)に、支給申請書を主たる事業所を管轄する労働局(またはハローワーク)に提出してください。
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⇒「制度の適用日の翌日から起算して6か月間経過した日から2か月以内」ってあります。「6か月間経過」って何でしょうか!?
以前は、キャリアコンサルタントを受けた日や、評価実施日の翌日から2ヶ月以内でしたが、新制度は、6ヶ月待たないと支給申請ができないということになりました。
スケジュール管理がより大変になったといえるでしょう。

4.セルフ・キャリアドック制度の創設

 
【企業内人材育成推進助成金とキャリア形成促進助成金・制度導入コースの違い④
~セルフ・キャリアドック制度の創設~】

セルフ・キャリアドック制度が創設されました。
従来の「キャリア・コンサルティング制度」と何が違うのでしょうか?
下記の点は気になります。
以下引用(「キャリア形成促進助成金活用マニュアル(制度導入コース・事業主版)」p66より)
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助成金の対象となるセルフ・キャリアドック制度は、労働者に、ジョブ・カードを活用したキャリアコンサルタントによるキャリアコンサルティングを、定期的(労働者の年齢・就業年齢・就業年数・役職等の節目)に提供する制度です。
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⇒「定期的(労働者の年齢・就業年齢・就業年数・役職等の節目)に」とあります。
以前はどうだったか、というと「計画的」となっていました。その計画書の例には、「労働者の希望に応じて随時実施」というのもあったので、希望しなければ実施しない、という理屈が通れば、1回実施して終わり、というケースがあったかもしれません。
しかし、今度の制度は「定期的」です。1回で終わっちゃダメですよ、繰り返し実施するような仕組みを作ってくださいね、ということになります。
例えば、下記のような例がマニュアルに掲載されてました。制度として規定したら、確かに何度も繰り返すことになりますね。
≪パターン1≫ 一定間隔に定期実施
・毎年12月に実施
≪パターン2≫ 人事異動などに併せて実施
・人事評価・業績評価の面接時に併せて実施
・人事に関する本人希望などのヒアリングと併せて実施
・人事異動の前後に実施
・ 昇格の前後に実施
≪パターン3≫ キャリアの節目の時期などに実施
・新規採用1年前後に実施
・ 入社後10年、20年前後に実施
・ 40歳前後に実施
≪パターン4≫ 休業などと併せて実施
・育児休業、介護休業などの前後に実施
≪パターン5≫ 教育訓練などと併せて実施
・教育訓練の前後に実施
・ キャリア形成に関する研修と併せて実施

5.教育訓練休暇等制度の創設

 
【企業内人材育成推進助成金とキャリア形成促進助成金・制度導入コースの違い⑤
~教育訓練休暇等制度の創設~】

教育訓練休暇等制度が創設されました。
定義は下記のようになっています。
以下引用(「キャリア形成促進助成金活用マニュアル(制度導入コース・事業主版)」p92より)
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助成金の対象となる教育訓練休暇等制度は、事業主以外が行う教育訓練、職業能力検定又はキャリアコンサルティングを受けるために必要な休暇、勤務時間の短縮(労働基準法39条の規定による年次有給休暇を除きます。)を与え、自発的職業能力開発を受ける機会の確保等を通じた職業能力開発及び向上を促進する制度です。
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「休暇」を与えたり、「勤務時間の短縮」を実施したりして、従業員の方が、教育訓練、職業能力検定、キャリアコンサルティングを受けやすくする制度です。

 

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