2018年6月30日土曜日

働き方改革関連法案が成立 主要改正規定は平成31年4月から順次施行

 時間外労働の上限規制、高度プロフェッショナル制度(高プロ)の創設、同一労働同一賃金の実現に向けた法整備などを盛り込んだ「働き方改革関連法案」が、平成30年6月29日、参議院本会議で可決・成立しました。

 関係政省令や通達などは、これから整備されていくことになりますが、これで、改正規定の大枠は決定しました。
 平成31(2019)年4月から、時間外労働の上限規制などの主要な改正規定が順次施行されますので、各企業におかれましては、就業規則の整備など、早急な対応が必要となります。
 特に、年休の強制取得の制度の新設は中小企業にも直ぐに対応が迫られます。
使用者は、10日以上の年次有給休暇が付与される労働者に対し、5日について、毎年、時季を指定して与えなければならないこととする (労働者の時季指定や計画的付与により取得された年次有給休暇の日数分については指定の必要はない)。 
<主要な改正規定の施行期日>
平成31(2019)年4月
・時間外労働の上限規制(中小企業は1年遅れ)
・フレックスタイム制の清算期間の延長
・年休の強制取得制度の新設
・高プロの導入など
平成32(2020)年4月
・時間外労働の上限規制(中小企業)
・同一労働同一賃金関係(中小企業は1年遅れ)
平成33(2021)年4月
・同一労働同一賃金関係(中小企業)
・パートタイム労働法・労働契約法の改正規定の適用(中小企業)
平成35(2023)年4月
・割増賃金率の見直し(中小企業)
 その他の改正規定も含め、同法案の概要と施行期日は、ひとまずこちらでご確認ください。

2018年6月19日火曜日

働き方法案の修正内容(2018年6月)


働き方改革関連法案とは

 労働者が多様な働き方を実現できる社会にするために、労働基準法をはじめとする8本の法律を改正するもの。
 与党審査及び衆議院労働厚生委員会での修正内容を確認しておきたいと思います。

●残業時間の上限規制
 現行の労働基準法:第32条で「労働時間は1日8時間、1週40時間が原則」
企業は労働者代表との間で36協定を締結し、労働基準監督署へ届け出ることにより、いわゆる残業をさせられる。
 36協定:1カ月あたり45時間・1年間360時間などの限度時間を設けている。
ただし特別条項付の協定を結ぶことで、臨時的な特別な事情がある場合「年間6カ月以内に限り、限度時間を超えた時間延長が可能」。

 改正案
・臨時的な特別な事情がある場合でも「限度時間は年720時間を上回れない」
・休日労働を含み、月100時間を超えない
・2~6カ月の期間いずれも、休日労働を含んで月平均80時間以内にする
・限度を超えた場合はこれまでなかった罰則の対象。
 
 施行時期:大企業が2019年4月、中小企業が2020年4月から。
 各企業は本法案施行後には、新たな36協定の締結が必要。

●年次有給休暇の取得義務化
現行の労働基準法:第39条にて企業が一定日数の年次有給休暇を付与することが義務。
・年10日以上の有給休暇が付与される労働者について、そのうち5日間の取得が義務付けられる(2019年4月施行予定)。

●勤務間インターバル制度の導入
インターバルとは休息期間のことを指します。
「勤務間インターバル制度」を導入し、翌朝の始業時刻を繰り下げる
(2019年4月施行予定)。

●同一労働同一賃金
「同じ内容の仕事であれば、賃金水準も同一に」する。
待遇に差が出る場合は企業がその理由を詳細に説明する義務が発生。
大企業では2020年4月から、中小企業では2021年4月から施行予定。

●高度プロフェッショナル制度
・高度プロフェッショナル制度とは
高度な専門的知識(経営コンサルタントや証券アナリストなどを想定)をもつ高収入労働者(年収1075万円以上を想定)を対象に、労働時間管理の対象から外す。
適用にあたっては労働者本人の希望が前提。
独自の健康確保措置を1個(以上)設ける必要
①年間104日以上・4週間で4日以上の休日確保が労働者健康維持のために義務付け。
②「1年に1回以上2週間継続休日を与える」など4種類からもあります。

働き方関連法案の詳細はこちらをご覧ください。

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する
法律案の主な修正内容
    
【与党審査における修正】

  時間外労働の上限規制(労働基準法等)
   ○中小企業に対する施行期日:平成31年4月1日⇒平成32年(2020年)4月1日
   ○鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業の猶予期間:施行日から3年間⇒5年間
   36協定の締結にあたって行政官庁が指針に基づき行う助言及び指導:
    (中小企業に配慮)

  裁量労働制の対象拡大(労働基準法)
   ○企画業務型裁量労働制の対象拡大等⇒削除

  60時間を超える時間外労働にかかる割増賃金率の中小企業への猶予措置の廃止
   (労働基準法)
   ○施行期日:平成34年4月1日⇒平成35年(2023年)4月1日

  労働時間の状況の把握(労働安全衛生法)
   ○使用者は労慟時間の状況を省令で定める方法で把握しなければならないと
    法律に明記

  短時間・有期雇用労働者に対する不合理な待遇差の解消
    (パートタイム労働法・労働契約法)
   ○中小企業に対する施行期日:平成32年4月1日⇒平成33年(2021年)4月1日
    ※大企業に対する施行期日:平成31年4月1日⇒平成32年(2020年)4月1日

【衆議院厚生労働委員会における修正】

  高度プロフェッショナル制度(労働基準法)
   O労使委員会の決議事項に「対象労慟者のこの項の規定による
    同意の撤回に関する手続」を追加

  国の施策(雇用対策法)
   O国は、中小企業における取り組みが円滑に進むよう、地方公共団体、
    事業主団体、労慟者団体等の関係者により構成される協議会の設置など、
    必要な施策を講ずるように努める

  事業主等の責務(労働時間等設定改善法)
   ○他の事業主との取引を行う場合において配慮を求める事項に、
    「著しく短い期限の設定及び発注の内容の頻繁な変更を行わないこと」を追加



2018年6月8日金曜日

平成29年度法改正(まとめ)

平成29年度の法改正をまとめました。
詳細については、それぞれの法律名をクリックしてださい。

1.労働安全衛生法
・産業医制度の見直し
・長時間労働者に関する情報の産業医への提供
・意見聴取を行う上で必要となる労働者の業務に関する情報の「医師等」への提供

2.雇用保険法・育児介護休業法
・育児休業期間の延長
・期間雇用者の育児介護休業の申出の要件
・育児休業給付金の支給期間の延長
・育児休業等に関する定めの周知等の措置
・小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関する措置の改正

3.労働保険料徴収・保険料率の変更
・労災保険料等の改正
・社会保険・労働保険の保険料率の変更

4.健康保険法・国民年金法・厚生年金保険法共通
・生活療養費標準負担額に関する改正
・70歳以上の被保険者等に係る高額医療費に関する改正
・受給資格期間の短縮
・マクロ経済スライドの見直し

5.職業安定法・障害者雇用促進法
・障害者雇用率の改正
・実雇用障害者数(実際の雇用障害者数の算定)

6.確定拠出年金法
・掛金の拠出単位の年単位化

更に詳しい改正内容をご覧になりたい方は下記のHPをご覧ください。

厚生労働省関係の主な制度変更(平成30年4月)について
厚生労働省関係の主な制度変更(平成29年10月)について
厚生労働省関係の主な制度変更(平成29年4月)について
厚生労働省関係の主な制度変更(平成28年4月)について

平成29年度法改正(確定拠出年金法)

確定拠出年金法

掛金の拠出単位の年単位化

平成30年1月1日施行
確定拠出年金(企業型・個人型)の掛金を12月から翌年11月までの1年間を単位として、複数月分をまとめて拠出することや1年間分をまとめて拠出することが可能とされました。
拠出
期間
  • ●1年(拠出単位期間)は、12月~翌年11月(納付月ベースでは1月~12月)を単位とする
    ㊟施行が平成30年1月1日であっため、最初の年については、1月~11月(納付月ベースでは2月~12月)の11か月を拠出単位期間とする
  • ●拠出単位期間は、月単位でさらに区分することが可能(拠出区分期間)
  • ●拠出区分期間は、等間隔でなくても区分可能
  • ●企業型年金では、事業主掛金と加入者掛金(マッチング拠出)とで、拠出区分期間を別々に設定することが可能
拠出
限度額
  • ●年間の拠出限度額は、最大で「1か月あたりの拠出限度額×12」となる。
    ㊟最初年については、最大で「1か月あたりの拠出限度額×11」となる。
  • ●ただし、次のようなルールがある。
    • ・掛金は、経過した月の分しか納付できない(前納は不可。経過した月の分を積み上げていくイメージ)*
    • ・拠出区分期間における掛金拠出額に使い残しがある場合は、当該使い残し分の繰り越しが可能であるが、拠出単位期間を超えての繰り越しは不可
    • ・個人型年金については、最低の拠出額が定められている(1か月あたり5,000円)
  • ●加入者掛金の金額および拠出区分期間は、拠出単位期間につき1回変更が可能(加入者種別の変更等による場合を除く)
拠出単位期間(12か月とする)に1回のみ拠出する場合の例

平成29年度法改正(職業安定法・障害者雇用促進法)

職業安定法

労働条件等の明示に関する改正

平成30年1月1日施行
平成29年の職業安定法の改正(平成30年1月施行分)により、企業が、ハローワーク等へ求人申込みをする際や、ホームページ等で労働者の募集を行う際、当初明示した労働条件が変更される場合についても、変更内容の明示を義務付けられました。
時点必要な明示
ハローワーク等への求人申込み、自社HPでの募集、求人広告の掲載等を行う際求人票や募集要項等において、労働条件(詳細は次ページ)を明示することが必要

労働条件に変更があった場合その確定後、可能な限り速やかに当初明示した労働条件が変更される場合は、変更内容について明示しなければならない
⇒今回の改正で新設

○面接等の過程で労働条件に変更があった場合、速やかに求職者に知らせるよう配慮が必要です。

労働契約締結時労働基準法に基づき、労働条件通知書等により労働条件を通知することが必要
求職者等に明示すべき事項について、次の★の事項を追加
 

障害者雇用促進法

障害者雇用率の改正

平成30年4月1日施行
障害者雇用率の算定の基礎に、身体障害者、知的障害者のほか、精神障害者も加えることとされ、障害者雇用率が次のように引き上げられることになりました。 一般の民間企業にあっては、「2.0%」平成30年4月から→「2.2%」 3年以内に→「2.3%」)。
その他、新たに雇用義務の対象となった精神障害者について、実雇用率(実雇用者数)の算定について、特例が設けられました。
令2条ほか、平成29年令附則2条

実雇用障害者数(実際の雇用障害者数の算定)

平成30年4月1日施行
雇用義務の対象となる障害者は、対象障害者(身体障害者、知的障害者及び精神障害者(精神障害者保健福祉手帳の交付を受けているものに限る。))です。
実際の雇用障害者数の算定方法は、次のとおりです(実際に1人雇用した場合のカウント方法)。
その他、新たに雇用義務の対象となった精神障害者について、実雇用率(実雇用者数)の算定について、特例が設けられました。
令2条ほか、平成29年令附則2条

  • ※ 短時間労働者…ここでは、週所定労働時間20時間以上30時間未満の労働者をいう(平15厚労告325号)。
    ㊟一定の精神障害者は、1人と算定(平成35年3月31日まで)

平成29年度法改正(健康保険法・国民年金法・厚生年金保険法)

健康保険法

生活療養費標準負担額に関する改正

平成29年10月1日施行
  • ① 食費に係る部分については、生活療養(Ⅰ)の場合は1食460円、生活療養(Ⅱ)の場合は1食420円とすることとされました。
  • ② 居住費に係る部分ついては、原則すべての区分で、1日370円とすることとされました

  • ※1 指定疾病患者については、260円
  • ※2 指定疾病患者については、0円

70歳以上の被保険者等に係る高額療養費に関する改正

平成29年8月1日施行
負担能力に応じた負担を求める観点から、平成29年8月診療分より、70歳以上の者を対象に、現役並み所得者の外来(個人ごと)、一般所得者の外来(個人ごと)及び外来・入院(世帯)の自己負担限度額を引き上げられました。なお、70歳未満の者の高額療養費算定基準額に変更はありません。
健保令42条
下線部分が改正箇所

  • ※1 70歳以上の外来療養にかかる年間の高額療養費
    基準日(7月31日)時点の所得区分が一般所得区分または低所得区分に該当する場合は、計算期間(前年8月1日~7月31日)のうち、一般所得区分または低所得区分であった月の外来療養の自己負担額の合計が144,000円を超えた額が払い戻される。

国民年金法・厚生年金保険法共通

受給資格期間の短縮

平成29年8月1日施行
「公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能の強化等のための国民年金法等の一部を改正する法律(平成24年法律第62号)」により、公的年金の老齢給付(老齢基礎年金、老齢厚生年金)等の受給資格期間を「25年(短縮特例措置あり)」から「10年」に短縮することとされた。その施行期日は、消費税率の10%への引上げ時とされていましたが、それが「平成29年8月1日」に改められました。
受給資格期間の短縮 改正箇所等の整理

  • ※ 遺族基礎年金等は受給資格期間の短縮の対象とません。

マクロ経済スライドの見直し

平成30年4月1日施行
「公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律(平成28年法律第114号)」により、平成30年4月1日から、マクロ経済スライドによる調整ルールの見直しが行われることになりました。
マクロ経済スライドによる調整ルールの見直し

いわゆるキャリーオーバー分を反映させるため、「特別調整率」という用語が登場しています。

公的年金の直近の改正まとめ
28年10月短時間労働者への適用拡大
結局、当分の間
・501人以上規模では義務
・500人以下規模では任意(労使合意の上で、事業主が申出)
29年
4月
中小企業に対する短時間労働者への適用拡大の推進
8月年金受給資格期間短縮(25年→10年)
10月GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の組織等の見直し
30年
4月
マクロ経済スライドに関する年金額改定ルールの見直し
→現在の高齢世代に配慮しつつ、できる限り早期に調整する観点から、名目下限措置を維持し、賃金・物価上昇の範囲内で前年度までの未調整分を調。

平成29年年度法改正(徴収法・保険料率)

徴収法

平成30年4月1日~

労災保険率等の改正

平成30年度は、3年度ごとの改定の年度にあたり、平成30年4月1日から、労災保険率、第2種特別加入保険料率が改正されました。労務費率も改正されています。
全業種平均では、1,000分の0.2の引下げとなりました。
なお、労災保険率の範囲には、変更はありません。
徴収則別表1

雇用保険率

雇用保険率については変更はありません。

保険料率の変更

平成30年4月1日~

社会保険・労働保険の保険料率の変更

健康保険・厚生年金保険、雇用保険の保険料率/給与計算関係
健康保険(協会けんぽ)の保険料率が変更されています。毎年度改定が行われる雇用保険率については、前年度の率に据え置かれました。整理すると次のとおりです。
平成29年9月〔10月納付分〕~平成30年4月~
健康保険最低96.9/1000~最高104.7/1000
例)東京都 99.1/1000
介護2号は一律16.5/1000をプラス
最低96.3/1000~最高106.1/1000
例)東京都 99.0/1000
介護2号は一律15.7/1000をプラス
厚生年金183/1000
段階的に引き上げられてきましたが、平成29年9月に上限に到達。以後は固定
雇用保険9/100(一般の事業)
(うち、被保険者負担分は3/1000)
  • ※1 健康保険と厚生年金保険の保険料は、労使折半で負担(上記の率の2分の1が被保険者負担分)。
  • ※2 健康保険における介護第2号とは、介護保険第2号被保険者のことで、この者については、介護保険料率の分の保険料がプラスされます。

平成29年度法改正(雇用保険法・育児介護休業法)

雇用保険法

平成29年10月1日施行

育児休業期間の延長

被保険者の養育する1歳6か月から2歳に満たない子について、次のいずれにも該当する場合に限り、事業主に申し出ることにより、育児休業をすることができるものとされました。
対象は、子が1歳6か月に達する日の翌日が、施行日(平成29年10月1日)以降となる者です。
雇用法61条の4第1項
  • ①1歳6か月に達する日において育児休業をしている場合
  • ②その子が1歳6か月に達した日後の期間について休業することが雇用の継続のために特に必要と認められる場合として厚生労働省令で定める場合(※)に該当する場合
  • 厚生労働省令で定める場合
    1歳から1歳6か月までの休業に係る厚生労働省令で定める場合と同様(育児休業の申出に係る子について、保育所等における保育の利用を希望し、申込みを行っているが、当面その実施が行われない場合など)。 雇用則101条の11の2の4
 

雇用保険法・育児介護休業法

平成29年10月1日施行

期間雇用者の育児休業の申出の要件

有期契約労働者については、次のいずれにも該当する場合に限り、子が1歳6か月から2歳になるまでの間の育児休業の申出をすることができます。
育介法5条5項
  • ①当該事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者
  • ②その養育する子が2歳に達する日までに、その労働契約(更新される場合は、更新後のもの)が満了することが明らかでない者

育児休業給付金の支給期間の延長

最長で子が2歳になるまでの育児休業期間の延長が可能となったことに伴い、被保険者がその子が1歳6か月に達する日後の期間について育児休業を取得した場合は、子が2歳になる日前までの期間も、雇用保険の育児休業給付金の支給対象となります。
雇用法61条の4第1項

育児休業等に関する定めの周知等の措置

育児休業等に関する定めの周知等の措置には、労働者若しくはその配偶者が妊娠し、若しくは出産したこと又は労働者が対象家族を介護していることを知ったときに、当該労働者に対し知らせる措置を含むものとされました。
育介法21条 ※下線部分が追加
  • 1 事業主は、育児休業及び介護休業に関して、あらかじめ、次に掲げる事項を定めるとともに、これを労働者に周知させるための措置(労働者若しくはその配偶者が妊娠し、若しくは出産したこと又は労働者が対象家族を介護していることを知ったときに、当該労働者に対し知らせる措置を含む。)を講ずるよう努めなければならない。

小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関する措置の改正

事業主は、小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者に関して、労働者の申出に基づく育児に関する目的のために利用することができる休暇(子の看護休暇、介護休暇及び労働基準法39条の規定による年次有給休暇として与えられるものを除き、出産後の養育について出産前において準備することができる休暇を含む。)を与えるための措置を講ずるよう努めなければならないものとされました。
育介法24条

平成29年度法改正(安全衛生法)

安全衛生法

平成29年6月1日施行

産業医制度の見直し

過労死対策、メンタルヘルス対策、疾病・障害がある等の多様化する労働者の健康確保対策の重要性が増す中、産業医に求められる役割等が変化し、産業医が対応すべき業務が増加していることを踏まえ、産業医の位置づけや役割などについて見直しが行われました。
安衛則15条1項 産業医の定期巡視
産業医は、少なくとも毎月1回作業場等を巡視し、作業方法又は衛生状態に有害のおそれがあるときは、直ちに、労働者の健康障害を防止するため必要な措置を講じなければならない。
次の要件を満たす場合は、少なくとも2月に1回とすることが可能
  • ①事業者から、毎月1回以上、次に掲げる情報の提供を受けている場合
  • ②事業者の同意があること
    • ア.衛生管理者毎週1回行う巡視の結果
    • イ.アのほか、労働者の健康障害を防止し、又は労働者の健康を保持するために必要な情報であって、衛生委員会又は安全衛生委員会における調査審議を経て事業者が産業医に提供することとしたもの

長時間労働者に関する情報の産業医への提供

面接指導の対象者を把握するために毎月1回以上行うこととされている“休憩時間を除き1週間当たり40時間を超えて労働させた場合におけるその超えた時間の算定”を行ったときは、事業者は、速やかに、その超えた時間が1月当たり100時間を超えた労働者の氏名及びその超えた時間に関する情報を、産業医に提供しなければなりません。
安衛則52条の2第3項 長時間労働者に関する情報の産業医への提供

意見聴取を行う上で必要となる労働者の業務に関する情報の「医師等」への提供

平成29年6月1日施行
事業者は、各種健康診断の結果に基づき医師又は歯科医師が意見聴取を行う上で必要となる労働者の業務に関する情報を、当該医師又は歯科医師から求められたときは、速やかに、当該医師又は歯科医師にこれを提供しなければならないとされました。
安衛則51条の2第3項

働き方改革を巡る中小企業向け対応策でアクションプランの案を提示

 中小企業庁から、平成30年6月5日に開催された「第3回中小企業・小規模事業者の長時間労働是正・生産性向上と人材確保に関するワーキンググループ」の資料が公表されました。

 このワーキンググループは、中小・小規模事業者の長時間労働是正や生産性向上、人材確保の取組等について、省庁横断的に必要な検討を行うためのものです。
 その中で、「働き方改革を巡る中小企業向け対応策のアクションプラン(案)」も提示されました。
 アクションプラン(案)の概要
・人手不足への対応や生産性の向上、取引条件の改善を同時に進めていく
・中小企業・小規模事業者が大企業等(親企業となる大企業及び中小企業)からのしわ寄せを受けることなく、働き方改革にしっかりと取り組む
・これを契機として魅力ある職場づくりや生産性向上に一歩踏み出せるように、全国津々浦々までの周知やきめ細かい対応を各省で連携して実施する。
ワーキンググループの概要と配布資料等は下記をご覧ください。

概要

日時:平成30年6月5日(火)15:45~16:30
場所:内閣総理大臣官邸2階大ホール
議事:1.開会
2.進捗報告
3.審議
4.閉会

配布資料

参考資料

2018年6月7日木曜日

男女共同参画・女性活躍の推進 今後の重点取組事項の案を示す(内閣府)

 内閣府から、平成30年5月23日に開催された「男女共同参画会議(第54回)」の会議資料が公表されました(同年6月4日公表)。

 重点取組事項は、大きく、次のような項目に分けられています。
Ⅰ 女性の活躍を支える安全・安心な暮らしの実現
 1.生涯を通じた女性の健康支援の強化
 2.困難を抱える女性への支援
 3.女性に対するあらゆる暴力の根絶 
Ⅱ あらゆる分野における女性の活躍
 1.女性活躍に資する働き方の推進、生産性・豊かさの向上に向けた取組の推進
 2.男性の暮らし方・意識の変革
 3.あらゆる分野における女性の参画拡大・人材育成
Ⅲ 女性活躍のための基盤整備
 1.子育て・介護基盤の整備及び教育の負担軽減に向けた取組の推進
 2.性別にとらわれず多様な選択を可能とするための教育・学習の充実 
 3.女性活躍の視点に立った制度等の整備
 職場に影響する事項
・「女性活躍に資する働き方の推進、生産性・豊かさの向上に向けた取組の推進」
・「男性の暮らし方・意識の変革」
・「あらゆる分野における女性の参画拡大・人材育成」
・「子育て・介護基盤の整備及び教育の負担軽減に向けた取組の推進」
などが掲げられています。
 男女共同参画会議は、この案をとりまとめ、内閣総理大臣及び関係各大臣に対し、来年度予算等に反映することにより重点的に進めるべき具体策として、取組を求めて行くことにしています。
 詳しくは、こちらをご覧ください。

2018年6月2日土曜日

2018年6月号の事務所通信をアップしました。

2018年6月号の内容は下記の通りです。

1.中小企業白書・小規模企業白書を公表
2.多様な選考。採用機会の拡大に向けた取組を経済団体に要請
3.治療と職業生活の両立支援に係る「企業・医療関係連携マニュアル」などを改定
4.お仕事カレンダー6月

2018年6月号の事務所通信はこちらをご覧ください。