2018年5月29日火曜日

働き方改革関連法案 衆議院で可決

時間外労働の上限規制や高収入の一部専門職を労働時間規制の対象から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」創設などを盛り込んだ「働き方改革関連法案」が、平成30年5月31日、衆議院厚生労働委員会で、与党などの賛成多数で可決されました。

法案は、同年5月31日に、衆議院本会議で可決され、衆議院を通過しました。
政府・与党は、参議院での審議も急ぎ、本年6月20日の今国会の会期末までに確実に成立させたい構えです。
働き方改革関連法案は、労働基準法や労働契約法などの計8本を一括改正するもの。
与党は今月、高度プロの適用から本人の意思で離脱できる規定を新設する修正案で、維新や希望の党と合意していました。なお、「高度プロフェッショナル制度」(高プロ)を適用するためには本人の同意が必要です。

2018年5月26日土曜日

治療と仕事の両立支援 特別マンガを掲載(労働者健康安全機構)

 独立行政法人労働者健康安全機構から、「島耕作×労働者健康安全機構 特別マンガ掲載中」というお知らせがありました(平成30年5月24日公表)。

 これは、「治療と仕事の両立支援」を推奨するものです。
 ストーリーの中で、産業保健総合支援センターによる支援の内容が紹介されています。
 詳しくは、こちらをご覧ください。
 お馴染みの島耕作(今は会長にまで出世しています)が登場するマンガですので、気軽に読める内容となっています。
<島耕作×労働者健康安全機構 特別マンガ掲載中>

平成30年度の算定基礎届の記入・提出ガイドブックを公表(日本年金機構)

 日本年金機構から、「算定基礎届の記入・提出ガイドブック(平成30年度)」が公表されました(平成30年5月24日公表)。

 平成30年3月5日施行の改正で年金分野でのマイナンバーの利用が開始されたことに伴い、平成30年度の算定(年度更新)においては、届出様式が新しくなっています。
 今回公表されたガイドブックでは、記載例も、新たな様式に沿ったものとなっています。
 7月初旬の算定基礎届の提出に向けて、当該手続に携わる方におかれましては、確認しておく必要があるでしょう。
 詳しくは、こちらをご覧ください。
<算定基礎届の記入・提出ガイドブック(平成30年度)>

概要は下記の通りです。
(1)提出期間
 7月2日から7月10日まで
(2)提出するもの
 ① 被保険者報酬月額算定基礎届(70 歳以上被用者算定基礎届)
 ② 被保険者報酬月額算定基礎届 総括表
(3)提出の対象となる被保険者の範囲 
7 月 1 日現在の全ての被保険者、但し、以下の ①~③は除く。
 ①6 月 1 日以降に資格取得した方  ②6 月 30 日以前に退職した方 ③7 月改定の月額変更届を提出する方
 (4) 報酬とは 
4月から6月の間(支払日)労働の対償として受ける全てのもの ①賃金、給料、俸給、手当、賞与などの名称を問わない。
 ②金銭(通貨)に限らず、通 勤定期券、食事、住宅など現物で支給されるものも報酬に含む。

 ③ただし、臨時に受け るものや、年 3 回以下支給の賞与(※年 3 回以下支給されるものは標準賞与額の対象となり ます。)などは、報酬に含まない。
(5) 支払基礎日数 
・その報酬の支払い対象となった日数
(3月分の給与が4月に支払われた場合は、3月の日数)
 ① 月給制・週給制の場合:出勤日数に関係なく暦日数。 ② 時給制・日給制の場合:実際の出勤日数(有給休暇も含みます。)
 支払基礎日数が17日以上の月が対象。(例外あり)

2018年5月23日水曜日

「年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のための指針」の策定について

 平成29年3月28日に働き方改革実現会議において決定された「働き方改革実行計画」では、多様な選考・採用機会の拡大に向け、転職者の受入れ促進のための指針の策定が掲げられております。

職業キャリアが長期化し、働き方のニーズが多様化するとともに、急速な技術革新や産業・事業構造の変化によって、企業・労働者双方において中途採用、転職・再就職ニーズが高まっており、転職・再就職が不利にならない柔軟な労働市場や企業慣行の確立が求められています。
こうした観点に立ち、企業が転職・再就職者の受入れ促進のため取り組むことが望ましいと考えられる基本となるべき事項等を示した「年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のための指針」を策定し、本日公布・施行しましたので、お知らせします。

2018年5月22日火曜日

電子申請 年度更新などに関する利用マニュアルを更新(厚生労働省)

 厚生労働省から、e-Gov電子申請利用マニュアルのうち、「労働保険年度更新に関する手続」、「労働保険保険関係成立に関する手続」を更新したとのお知らせがありました。

 年度更新の時期が近づいていますが、e-Gov電子申請システムを利用して手続を行うのであれば、ご確認ください。 
 詳しくは、こちらをご覧ください。
 「労働保険年度更新に関する手続」、「労働保険保険関係成立に関する手続」の部分が更新されています。

※雇用保険関係手続きについて
雇用保険関係手続き電子申請のご案内 [1,213KB]
下のリンク先より、必要な様式をダウンロードできます。
様式集 [69KB]

2018年5月19日土曜日

どこからパワハラ? 厚労省の有識者検討会で基準絞り込み

 職務上の地位を乱用して部下に苦痛を与えるパワーハラスメント。仕事上の命令と見分けが難しく線引きが曖昧だったが、厚生労働省の検討会などが基準の絞り込みに乗り出している。民事裁判でも判決が相次ぎ、どんな言動が適正範囲を超えると判断されるのか、事例が積み上がってきた。
 これまでパワハラは「身体的攻撃」「精神的攻撃」「人間関係からの切り離し」「過大な要求」「過小な要求」「個の侵害」の6つに分類されていた。
パワハラの定義はこちらをご覧ください。

 今回の検討会は、これら6つの行為があった場合、
以下の3要素すべてを満たせばパワハラになるとかなり絞り込んだ。

(1)優越的な関係に基づき
(2)業務の適正な範囲を超えて
(3)身体的もしくは精神的な苦痛を与えるか就業環境を害する

詳しくは下記の報告書をご覧ください。
職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会報告書(案)

「安全衛生優良企業公表制度の認定企業を訪ねて-」を公表(厚労省)

 厚生労働省は、安全衛生優良企業公表制度に基づく認定企業における社員の安全確保や健康増進に関する取組を報告書「社員の安全と健康が、企業の評価を上げる。-安全衛生優良企業公表制度の認定企業を訪ねて-」(厚労省)をまとめ、公表しました(平成30年5月17日公表)。

 
 今後、わが国が人口減少・高齢社会に移行し、生産年齢人口の減少が見込まれるため、社員の職場環境の改善や整備は、経営上の重要な課題になっています。
 そこで、厚生労働省では、平成27年6月に安全衛生優良企業公表制度を創設し、安全衛生の取組が優良と認定した企業名等を同省ホームページで紹介しています。
 このたび、認定企業5社を訪問し安全や健康に関する課題解決型の先駆的な取組事例や成果を調査し、国民並びに企業の担当者等に参考になるように情報を提供すしています。
 詳しくは、こちらをご覧ください。

2018年5月18日金曜日

裁量労働制で過労死 適用直後に36時間連続勤務

 「システム開発会社で裁量労働制を適用されていた男性社員(当時28歳)が平成29年8月にくも膜下出血で死亡したのは、長時間労働が原因だったとして、労災認定されていたことが分かった。」という報道がありました。

 代理人弁護士によると、男性は、平成25年に入社し、不動産会社向けのシステム開発業務に従事。平成29年7月1日に「チームリーダー」に昇格したことに伴い、「専門業務型の裁量労働制」の適用を受けることに。
 同年7月上旬、納期が迫る仕事を抱え、徹夜を含めて36時間の連続勤務があり、自身のツイッターで「社会人になってから36時間ぶっ通しで働いたの初めて」などと投稿していたそうです。
 その後体調を崩し、同年8月18日に自宅で死亡しているのが見つかりました。死因はくも膜下出血。
 所轄の労働基準監督署は、死亡前2か月(6月12日~8月14日)の時間外労働を、月平均87時間45分と認定。
 このうち7月11日までの1か月は約136時間にのぼり、「業務による明らかな過重負荷」として労災認定したとのことです。
 裁量労働制は、簡単に言えば、実際に働いた時間に関わらず一定の時間働いたとみなし、残業代込みの賃金を支払う制度で、専門業務型(労使協定で導入)と企画業務型(労使委員会を設置して導入)の2種類があります。
 今回問題となったのは、専門業務型のほうです。
 労使協定で、「対象となる労働者の労働時間の状況に応じて実施する健康・福祉を確保するための措置の具体的内容」を定める必要がありますが、定めただけで、実施していないというケースは多々あるかもしれません。
 企業と労働者の意識が重要といえますが、法令上のルールとして、措置の実施状況のチェック機能を高める必要があるといえそうです。

中小企業・小規模事業者の生産性向上の取組をまとめた2冊の事例集を公表(厚労省)

厚生労働省は、中小企業・小規模事業者の賃金引上げを図るため、生産性向上の取組をまとめた2冊の事例集を作成し、公表しました(平成30年5月17日公表)。

自社や顧客の生産性向上のヒントが見つかるかもしれません。
事例集の概要は次のとおりです。
●『生活衛生関係営業 生産性・収益力向上の取組事例集~賃金引上げのヒント~』
⇒中小企業等経営強化法に基づく「経営力向上計画」の認定を受け、現在、収益力の向上に取り組んでいる企業が実施した業務効率化などの事例を紹介。
●『生産性向上の事例集~最低賃金の引上げに向けて~』
⇒業務改善助成金*の活用事例をもとに、業務の効率化や働き方の見直しなどを行って生産性の向上を実現し、賃金の引き上げを行った中小企業・小規模事業者の事例を掲載。
*業務改善助成金……中小企業等の生産性向上を支援し、事業場内で最も低い賃金の引上げを図るための助成金

詳しくは、こちらをご覧ください。


[ 参考1]生産性向上の具体例(事例集より)

<事例1:飲食業>
 ・スマートフォンで確認できる動画マニュアルによって、作業工程が標準化し、新規アルバイトの育成が5日程度に短縮。
 ・作業工程の標準化や経営分析ソフトの導入によって、営業利益が1%程度増加。

<事例2:クリーニング業>
 新規設備の導入と既存設備の更新による生産性向上とPOSシステムの導入による多彩な販促により、売上増加。POSシステムの導入により、レジへの登録可能な品目が増え、正確なデータに基づく売上分析が可能に。

<事例3:理容業>
 高齢者のニーズに応えるような店舗のバリアフリー化、従業員のマッサージ技術向上により、高齢層等の来店客が2%程度増加し、売上の5%程度増加を達成。

<事例4:葬祭業>
 ・ホームページに見積もりシステムを掲載したことで、見積もり作成業務の効率化と、成約率の向上を達成。従業員の時間給(事業場内最低賃金)を60円引上げ。

<事例5:障害者福祉事業>
 原価率や生産状況を一元管理できるシステムを導入したことで、資産管理業務の効率化を達成。6人の従業員の時間給(事業場内最低賃金)を30円引上げ。


<事例6:行政書士・社会保険労務士業>
 顧客データ管理をクラウド化し、給与計算システムを導入したことで、管理業務の効率化を達成。1人の従業員の時間給(事業場内最低賃金)を50円引上げ。事業場内最低賃金以外の従業員の時間給も一律50円引上げ。

高齢者の雇用拡大は国家的課題 (第7回人生100年時代構想会議)

 平成30年5月16日に首相官邸で開催された「第7回人生100年時代構想会議」の資料が公表されました。

 今回の会議では、 各企業にとって身近な問題である「高齢者雇用」も議題とされました。
 議長である安倍内閣総理大臣は、本日の議論を踏まえ、次のように述べています。
・意欲ある高齢者に働く場を準備する。そのことは働きたいと考える皆さんの希望をかなえるためにも、またあるいは人口減少の中で潜在成長力を引き上げるためにも、非常に大事。
・官民を挙げて取り組まなければならない国家的課題といえる。
 具体的には、
・1人でも中高年の中途採用経験がある企業は、2人目以降の採用にも積極的になる傾向があるため、高齢者のトライアル雇用を促進する方策を進めていく。
・高齢者の働く機会は年功序列的な一律の処遇ではなく、成果を重視する評価・報酬体系を構築することで広がっていくと考えられる。これらの取組により、65歳以上の将来的な継続雇用年齢の引き上げに向けて環境整備を進めていく。

 政府は、これを踏まえて議論を進め、今年6月にまとめる基本構想に反映させるとのことです。 今後の動向に注目です。
 詳しくは、<第7回人生100年時代構想会議/資料>をご覧ください。
資料1高齢者雇用 参考資料 (PDF:1,015KB) PDFを別ウィンドウで開きます
資料2リンダ・グラットン議員との意見交換会資料、議事要旨 (PDF:2,861KB) PDFを別ウィンドウで開きます
資料3林文部科学大臣 提出資料 (PDF:973KB) PDFを別ウィンドウで開きます
資料4高橋 進 議員 提出資料 (PDF:288KB) PDFを別ウィンドウで開きます
資料5三上洋一郎議員 提出資料 (PDF:419KB) PDFを別ウィンドウで開きます
資料6神津里季生議員 提出資料 (PDF:374KB) PDFを別ウィンドウで開きます
資料7樋口 美雄議員 提出資料 (PDF:529KB) PDFを別ウィンドウで開きます
資料8宮本 恒靖議員 提出資料 (PDF:496KB) PDFを別ウィンドウで開きます
資料9若宮 正子議員 提出資料 (PDF:181KB) PDFを別ウィンドウで開きます
資料10加藤厚生労働大臣 提出資料 (PDF:161KB) PDFを別ウィンドウで開きます
資料11松山一億総活躍担当大臣 提出資料 (PDF:427KB) PDFを別ウィンドウで開きます

2018年5月17日木曜日

「雇用保険手続の際のマイナンバーの届出」に関するQ&A、5月7日付けで更新(厚生労働省)

 厚生労働省から、「雇用保険手続の際には必ずマイナンバーの届出をお願いします」という案内が繰り返し行われています。

 平成30年5月以降は、雇用保険被保険者資格取得届などマイナンバーの記載が必要な届出等について、マイナンバーの記載がない場合には、返戻する場合があるとのことです。
 なお、当該届出等に係る従業員について、既にその他の届出等の際にマイナンバーを届け出ている場合などには、各届出等の欄外等に「マイナンバー届出済」と記載すれば、マイナンバーの記載を省略することが可能とされています。
  
 このことについて、より詳しい内容がわかるQ&Aが、平成30年4月11日に公表されたことはお伝えしましたが、このQ&Aが、同年5月7日付けで更新されています。

法人番号の利活用に係るパンフレットを改訂(国税庁)

 国税庁から、法人番号の利活用に係るパンフレット「法人番号の利活用~法人番号公表サイトの利用方法のご案内~」を改訂したとのお知らせがありました(平成30年5月14日公表)。

 法人番号公表サイトを利用すれば、対象の法人の基本3情報を調べることができます。また、取引先の名称や所在地の最新情報や変更履歴を調べたり、所得税法などで規定されている告知書類を印刷することもできます。
 
 パフレットには、取得した法人等の基本3情報の活用例も紹介されています。
例)「法人番号指定年月日」で絞込みを行うことで、新たに法人番号が指定された法人(新規設立法人)として抽出が可能となり、新規営業先等の把握が効率的にできるようになります。
 法人番号は、マイナンバーとは異なり、利用範囲の制約がなく、どなたでも自由に利用できるものです。
 利活用できることはないか? 今一度確認してみてはいかかでしょうか。

労働保険料の年度更新に関するリーフレットを公表(厚労省)

 平成30年度の年度更新の時期が近づいています。
 申告・納付は6月1日から7月10日までの間に。

 厚生労働省は、平成30年度の労働保険年度更新申告書の書き方のリーフレットを公表しました(平成30年5月公表)。
 今回公表されたのは、「継続事業用」と「雇用保険用」、「一括有期事業用」です。
 今回、労働保険事務組合の皆様向けのリーフレットも公表されました。


2018年5月11日金曜日

いわゆる「ブラック企業リスト」公開(厚生労働省)

 厚生労働省では、平成29年5月末から、労働基準関係法違反の疑いで書類送検された国内企業の企業名・所在地・事案の概要などを公表しています。

 「労働基準関係法令違反に係る公表事案」として公表されているものですが、一般的には「ブラック企業リスト」などと呼ばれています。
 初公表以来、原則的に毎月更新されています(企業名などが公表される期間は原則1年間)。
 
 直近の更新は、平成30年4月20日。
 この更新では、同年3月までの分として120社が追加された一方、公表日から1年が経過した企業などが削除され、公表企業は469社となっています。
 詳しくは、こちらをご覧ください。
 なお、公表されてしまった企業の中には、書類送検を受けた後、積極的に働き方の改革を進め、イメージの巻き返しを図っている企業もあります。
 たとえば、大手旅行会社(株式会社エイチ・アイ・エス)では、多様性を生み出す4つの働き方を導入したことをホームページでリリース。
 前向きな話題として、多くの報道機関で取り上げられています。
 大型連休の中日には、副業解禁の話題が報じられていました。
 参考になる取組みがあるかもしれません。
 詳しくは、こちらをご覧ください。

2018年5月2日水曜日

源泉所得税の改正のあらまし(平成30年4月)を公表(国税庁)

 国税庁から、「源泉所得税の改正のあらまし(平成30年4月)」が公表されました。

 平成30年度の税制改正により、源泉所得税関係についても所要の改正が行われることになりましたが、その内容をまとめたものです。
 詳しくは、こちらをご覧ください。
 なお、施行時期(改正内容が実際に適用される時期)は段階的に取り決められていますが、平成32(2020)年1月からは、企業実務に直接影響を及ぼす次のような改正が施行されます。 
●給与所得控除の見直し(上記のあらましの「12」参照)
●基礎控除の見直し(〃「14」参照)
●所得金額調整控除の創設(〃「15」参照)
●扶養親族等の合計所得金額の要件等の見直し(〃「16」参照) など
 段階的になりますが、実務に影響のあるこのような改正が行われることを確認しておきましょう。