2018年11月28日水曜日

「65歳以上への継続雇用年齢の引上げ」について(経済財政諮問会議中間整理案)

 平成30年11月26日に、首相官邸において、「平成30年第15回経済財政諮問会議、第22回未来投資会議、まち・ひと・しごと創生会議、規制改革推進会議合同会議」が開催されました。
 この会議では、経済政策の方向性に関する中間整理案及び平成31年度予算編成の基本方針について議論が行われました。
 中間整理案では、「65歳以上への継続雇用年齢の引上げ」についても取り上げられています。
 次のような方向で、来夏に決定予定の実行計画において具体的制度化の方針を決定した上で、労働政策審議会の審議を経て、早急に法律案を提出することを検討しているようです。

65歳以上への継続雇用年齢の引上げ 

(働く意欲ある高齢者への対応)
・人生100年時代を迎え、働く意欲がある高齢者がその能力を十分に発揮できるよ う、高齢者の活躍の場を整備することが必要である。
・高齢者の雇用・就業機会を確保していくには、希望する高齢者について70歳までの就業機会の確保を図りつつ、65歳までと異なり、それぞれの高齢者の希望・特性に応じた活躍のため、とりうる選択肢を広げる必要がある。このため、多様な選択肢を許容し、選択ができるような仕組みを検討する。
(法制化の方向性)
・70歳までの就業機会の確保を円滑に進めるには、法制度の整備についても、ステップ・バイ・ステップとし、まずは、一定のルールの下で各社の自由度がある法制を検討する。
・その上で、各社に対して、個々の従業員の特性等に応じて、多様な選択肢のいずれかを求める方向で検討する。
 ・その際、65歳までの現行法制度は、混乱が生じないよう、改正を検討しないこととする。
(年金制度との関係)
・70歳までの就業機会の確保にかかわらず、年金支給開始年齢の引上げは行うべきでない。他方、人生100年時代に向かう中で、年金受給開始の時期を自分で選択できる範囲は拡大を検討する。
(今後の進め方)
・来夏に決定予定の実行計画において具体的制度化の方針を決定した上で、労働政策審議会の審議を経て、早急に法律案を提出する方向で検討する。
(環境整備)
・地方自治体を中心とした就労促進の取組やシルバー人材センターの機能強化、求人先とのマッチング機能の強化、キャリア形成支援・リカレント教育の推進、高 齢者の安全・健康の確保など、高齢者が活躍の場を見出せ、働きやすい環境を整備する。

2018年11月21日水曜日

パワハラ防止措置を義務化すべき 労政審の分科会で方向性を示す

厚生労働省から、平成30年11月19日に開催された「第11回労働政策審議会雇用環境・均等分科会」の資料が公表されました。

今回の会合で、「パワハラ防止措置を事業主に義務付けるべき」という方向性が示されました。
具体的には、次のように示されています。
●事業主に対して職場のパワーハラスメントを防止するための雇用管理上の措置を講じることを法律で義務付けるべきではないか
●職場のパワーハラスメントの定義や事業主が講ずべき措置の具体的内容等を示す指針を策定すべきではないか。
●職場のパワーハラスメントに関する紛争解決のための調停制度や、助言や指導等の履行確保のための措置について、併せて法律で規定すべきではないか。 など

なお、職場におけるパワーハラスメントの定義については、「次の3つの要素を満たすものとしてはどうか」と示されています。
①優越的な関係に基づく
②業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動により
③就業環境を害すること(身体的若しくは精神的な苦痛を与えること)


その他、「セクハラ」や「カスハラ(顧客や取引先等からの著しい迷惑行為)」についても、今後の取りまとめに向けた方向性が示されていますので、是非ご確認ください。

<第11回労働政策審議会雇用環境・均等分科会/資料>
※取りまとめに向けた方向性については、資料3をご覧ください。

2018年11月15日木曜日

働き方改革事例集を公表(経団連)

経団連(日本経済団体連合会)から、「働き方改革事例集~働き方改革 toward Society 5.0~」が公表されました(平成30年11月13日公表)。

この事例集では、長時間労働の是正、テレワークなどの柔軟な働き方、技術を活用した生産性の確保、社員満足度の向上、商慣行の見直し、健康経営などに取り組む、中堅中小企業を含む経団連の会員企業の好事例が紹介されています。

詳しくは、こちらをご覧ください。

雇用年齢を引き上げ方針(未来投資会議)


 政府は二十二日、首相官邸で開いた未来投資会議で、企業が雇用を継続する年齢について、現行の六十五歳から七十歳に引き上げる方針を示しました。雇用年齢引き上げは、安倍政権が進める全世代型社会保障改革の柱。法律上の義務にするかどうかや、引き上げ方などは今後検討する予定です。
 現行の高年齢者雇用安定法は、定年延長や継続雇用制度導入などで希望者全員を六十五歳まで雇用するよう企業に義務付けています。
 雇用年齢の延長は、高齢者の働き方を柔軟化するほか、年金などの社会保障費抑制や労働力確保などの狙いもあります。一方、企業側には人件費が高騰するとの懸念があります。
 雇用延長の現状や問題点についての記事をまとめてみましたので、参考にしてください、
特集「超高齢社会 拡大し続けるシニア雇用」トップ

 業績に億単位で貢献するシニアを生み出す 大和ハウス工業の人事制度
 60歳を超えても賃金が下がらない 日本ガイシの65歳定年制
 学習院大名誉教授・今野浩一郎氏が語る 高齢者雇用の問題点と解決法

その他の記事

当事務所は中央職業能力開発協会のキャリア・シフトチェンジのためのワークショップの公認インストラクターです。

キャリア・シフトチェンジのためのワークショップとは40代半ば以降のビジネスパーソンを対象に、シニア世代になっても活き活き働き続けるために必要な能力(プラットフォーム能力)を学ぶための研修です。

詳細は下記のホームページをご参照ください。

職業能力開発協会キャリア・シフトチェンジのワークショップ


2018年11月13日火曜日

賃上げ・生産性向上のための税制及び所得拡大促進税制 経産省等がQ&Aを改訂

「賃上げ・生産性向上のための税制及び所得拡大促進税制」は、事業者が一定の要件を満たした上で、前年度より給与等の支給額を増加させた場合に、その増加額の一部を法人税(個人事業主の場合は所得税)から税額控除できる制度です。

これらの制度について、経済産業省および中小企業庁から、「多くの指摘・問合せがあった点を踏まえ、これらの制度の対象となる給与等の範囲について、両制度のQ&A集を改訂した」とのお知らせがありました(平成30年11月6日公表)。
具体的には、給与所得となる手当を「商品券」で支給した場合、当該「商品券」の券面額が、本税制の「給与等」に含まれることなどが明確化にされています。

2018年11月11日日曜日

厚労省が年休取得促進についての資料を提出(規制改革推進会議のWG)

内閣府は、平成30年11月1日に開催された規制改革推進会議「第3回保育・雇用ワーキング・グループ」の会議資料を公表しました。

今回のWGでは、年次有給休暇に関するヒアリングが行われ、厚生労働省から「年次有給休暇の取得促進」についての資料が提出されています。
同省の調査で、平成29年における年次有給休暇取得率は51.1%と久々に50%台となりましたが、その取得率を「2020年までに70%」とする政府目標には程遠い状況です。
どのような方向性で取得促進を図っていくのか?
資料を見ると、導入企業が全体の約2割となっている「年次有給休暇の時間単位の付与」の導入促進を考えているようです。
年次有給休暇の取得率のアップにつながる制度としては、「計画的付与」や、2019年4月から施行される「時季指定義務」が頭に思い浮かびますが、「時間単位の付与」のことも忘れないで! という同省のメッセージかもしれませんね。
詳しくは、こちらをご覧ください。

働き方が変わります。(厚生労働省)

厚生労働省のホームページに2019年4月以降の働き方改革に関し、
リーフレットが紹介されましたのでご確認ください。

働き方が変わります。
  ①時間外労働の上限規制が導入されます。(大企業:2019年4月、中小企業:2020年4月)
  ②年次有給休暇の確実な取得が必要です。(2019年4月)
  ③正規雇用労働者と非正規雇用労働者の間の不合理な待遇格差が禁止されます。
   (大企業:2020年4月、中小企業:2021年4月)

詳細は下記リーフレットをご覧ください。

「働き方」が変わります。
年次有給休暇の指定義務について

2018年11月7日水曜日

「ねんきんネット」とマイナポータルがつながりました(日本年金機構)

日本年金機構から、「「ねんきんネット」とマイナポータルがつながりました」という案内がありました(平成30年11月5日公表)。

マイナポータルの「もっとつながる」の機能により、「ねんきんネット」について、これまでの登録方法に加えて、マイナポータルからもアクセスできるようになりました。
これにより、マイナンバーカードでマイナポータルにログインすれば、「ねんきんネット」のユーザIDを未取得又は取得済どちらの場合であっても、「ねんきんネット」にログインすることが可能となります。
なお、「ねんきんネット」とマイナポータルの初回接続の際には、基礎年金番号の入力が必要な場合があります。

年末調整がよくわかるページ(平成30年分) 国税庁が開設

 国税庁から、「『年末調整がよくわかるページ』を開設しました」というお知らせがありました(平成30年11月1日公表)。


 このページでは、平成30年分の年末調整のしかたなどに関する動画や冊子などを紹介するほか、各種申告書や源泉徴収簿のダウンロードも可能となっています。
 平成30年分の年末調整では、配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しに注意する必要がありますが、この見直しについて、よくある質問を紹介するページも用意されています。