2018年6月19日火曜日

働き方法案の修正内容(2018年6月)


働き方改革関連法案とは

 労働者が多様な働き方を実現できる社会にするために、労働基準法をはじめとする8本の法律を改正するもの。
 与党審査及び衆議院労働厚生委員会での修正内容を確認しておきたいと思います。

●残業時間の上限規制
 現行の労働基準法:第32条で「労働時間は1日8時間、1週40時間が原則」
企業は労働者代表との間で36協定を締結し、労働基準監督署へ届け出ることにより、いわゆる残業をさせられる。
 36協定:1カ月あたり45時間・1年間360時間などの限度時間を設けている。
ただし特別条項付の協定を結ぶことで、臨時的な特別な事情がある場合「年間6カ月以内に限り、限度時間を超えた時間延長が可能」。

 改正案
・臨時的な特別な事情がある場合でも「限度時間は年720時間を上回れない」
・休日労働を含み、月100時間を超えない
・2~6カ月の期間いずれも、休日労働を含んで月平均80時間以内にする
・限度を超えた場合はこれまでなかった罰則の対象。
 
 施行時期:大企業が2019年4月、中小企業が2020年4月から。
 各企業は本法案施行後には、新たな36協定の締結が必要。

●年次有給休暇の取得義務化
現行の労働基準法:第39条にて企業が一定日数の年次有給休暇を付与することが義務。
・年10日以上の有給休暇が付与される労働者について、そのうち5日間の取得が義務付けられる(2019年4月施行予定)。

●勤務間インターバル制度の導入
インターバルとは休息期間のことを指します。
「勤務間インターバル制度」を導入し、翌朝の始業時刻を繰り下げる
(2019年4月施行予定)。

●同一労働同一賃金
「同じ内容の仕事であれば、賃金水準も同一に」する。
待遇に差が出る場合は企業がその理由を詳細に説明する義務が発生。
大企業では2020年4月から、中小企業では2021年4月から施行予定。

●高度プロフェッショナル制度
・高度プロフェッショナル制度とは
高度な専門的知識(経営コンサルタントや証券アナリストなどを想定)をもつ高収入労働者(年収1075万円以上を想定)を対象に、労働時間管理の対象から外す。
適用にあたっては労働者本人の希望が前提。
独自の健康確保措置を1個(以上)設ける必要
①年間104日以上・4週間で4日以上の休日確保が労働者健康維持のために義務付け。
②「1年に1回以上2週間継続休日を与える」など4種類からもあります。

働き方関連法案の詳細はこちらをご覧ください。

働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する
法律案の主な修正内容
    
【与党審査における修正】

  時間外労働の上限規制(労働基準法等)
   ○中小企業に対する施行期日:平成31年4月1日⇒平成32年(2020年)4月1日
   ○鹿児島県及び沖縄県における砂糖製造業の猶予期間:施行日から3年間⇒5年間
   36協定の締結にあたって行政官庁が指針に基づき行う助言及び指導:
    (中小企業に配慮)

  裁量労働制の対象拡大(労働基準法)
   ○企画業務型裁量労働制の対象拡大等⇒削除

  60時間を超える時間外労働にかかる割増賃金率の中小企業への猶予措置の廃止
   (労働基準法)
   ○施行期日:平成34年4月1日⇒平成35年(2023年)4月1日

  労働時間の状況の把握(労働安全衛生法)
   ○使用者は労慟時間の状況を省令で定める方法で把握しなければならないと
    法律に明記

  短時間・有期雇用労働者に対する不合理な待遇差の解消
    (パートタイム労働法・労働契約法)
   ○中小企業に対する施行期日:平成32年4月1日⇒平成33年(2021年)4月1日
    ※大企業に対する施行期日:平成31年4月1日⇒平成32年(2020年)4月1日

【衆議院厚生労働委員会における修正】

  高度プロフェッショナル制度(労働基準法)
   O労使委員会の決議事項に「対象労慟者のこの項の規定による
    同意の撤回に関する手続」を追加

  国の施策(雇用対策法)
   O国は、中小企業における取り組みが円滑に進むよう、地方公共団体、
    事業主団体、労慟者団体等の関係者により構成される協議会の設置など、
    必要な施策を講ずるように努める

  事業主等の責務(労働時間等設定改善法)
   ○他の事業主との取引を行う場合において配慮を求める事項に、
    「著しく短い期限の設定及び発注の内容の頻繁な変更を行わないこと」を追加



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